日高の主峰、幌尻岳(2052m)!


ここ幌尻岳は「ちょっと気軽に…」行ける山ではありません。きちんとした装備も、トランスポートも必要です。20km以上のダートもあり、オンバイクの方は素直にあきらめましょう。オフの人なら行けますが、マシントラブルには気をつけて。買い出しは早めにやっときましょう。貫気別には小さな(ほんとに小さな…)商店しかありません。カップヌードルならありますが程度です(今もあるかは知りません)。車止め(頑丈)から5〜6km林道を歩くと、いよいよ登山道の始まりです。
なお、ここから幌尻山荘までの登山道はずっと沢沿いで何度も沢を渡ることになりますが、当然ながら橋はありません。上の写真のような感じで渡渉を繰り返すことになります。一度や二度ではありませんので、あきらめて靴のままじゃぼじゃぼというのがここでの作法です。もちろん降雨直後は難度が増すので入山しないほうが賢明です。晴れてりゃ気持ちいいんですけどね。こんな道が2時間以上続きます。

幌尻山荘は思いのほか立派です。日本100名山のせいで、思ったより登山客は多いと思います。でもやはり日高山脈のど真ん中ゆえ、山おやじがいつ顔を出すかわかりません。特に沢筋の道は沢音で鈴の音もかき消されますからある種スリルも満点です。小屋にはシーズン中管理人さんがいますから宿泊代を払って下さい。もちろん素泊まりのみです。小屋の中は薄暗いので、小屋の前のちょっとした広場でくつろぐのがいいでしょう。夜は宴会なんかしないで早寝しましょ。というよりはみんな暗くなったら寝ちゃうんですけどね。





翌日は小屋から一気に登ります。正直いってかなりきつい登りです。長いです。景色もないです。やっとの思いで樹林帯を抜け、ちょっとした岩場を乗っ越したりしていくと、一気に快適な稜線に出ます。自分の行ったときはちょっと時期的に遅かったのであまり花はありませんでしたが、地図に「お花畑」とあるところを見ると7月下旬あたりはきれいなんだろうなあ。右側に新冠湖を見下ろしつつ稜線上を行けば、いよいよ頂上。展望はめっぽういいです。直下のダム湖を除けば人工のものは何も見えません。南に見えるカムエク(カムイエクウチカウシ)山に続く尾根を行きたい気もするが、何と主稜線なのに登山道がない!さすが日高、山深い!
頂上からは戸蔦別岳経由で山荘に戻るのが面白いのですが、なぜか往復で帰っちゃう人が多いみたいです。せっかくここまで来たのにもったいない…。七ッ沼方面は人も少なく道もちょっと細くなります。七ッ沼カールは山おやじの家みたいなもんなんであんまりむやみに立ち入るべきじゃないでしょうね。稜線上からおやじの姿を探したのですが、この時はいませんでした。

苦労して着いた戸蔦別岳は残念ながらガスの中。しばしの休息のあと山荘への下り道へとはいる。傾斜もそれなりにきつい単調な道なんだけれど、あちこちにナキウサギの巣があるらしく、なき声及び姿が目に入ります。ここと、大雪山系のニペソツ山、ナキウサギを見に行くのもいいかもしれません。

さて、山荘からは再び沢道をてくてくと戻ります。思ったより疲れているはずで、車止めまで戻ったときは「はふーっ、疲れた」とため息をつくことでしょう。ここからバイクで帰るときはそれ故に注意が必要です。




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