− 後半その4 須川と祭畤温泉で湯〆、団子食べて帰宅だもんね −

そう、昨夜のうちに予約した宿は須川高原温泉だったのでありました。例年ならばGW明けから営業ということが多かったのですが、今年はすでに岩手側の国道も開通していることから早々と営業していたというわけです。旅館部ではなく湯治部宿泊ということで夕朝食付き7500円くらいとお値段もまずまず。しかし現地について驚いたのが、ここって「秘湯を守る会」のお宿だったのね。もう今から15年以上前に立ち寄りで入りに来たことがありますが、ほとんど断片的な記憶しかなかったし。



甲子温泉などと同じく、プール付きの「秘湯」なのであります。

ツーリングマップル東北編に挟み込んでいたスタンプ帳が役に立ちました。「自炊ならダメですが、食事付きなら押せます!」とのフロント係員さんの言葉に「よっしゃ!」と心の中で叫んだことはいうまでもありません。もっともこのスタンプ帳になってからまだ2つ目だし、10個押してもらうまでにはまだまだ先が長いなぁ。

その湯治棟、確かに建物は古いですがTVも冷蔵庫も、そしてガスコンロも付いていて全く不満はありません。旅館に比べてないものはといえばお湯ポットと(ただしお茶はある)タオルくらいなものでしょうか。となればこりゃ当然湯治部で決まりですね。お値段も旅館部(\13800)の半分強ですむようでしたし。ちなみに夕朝食とも旅館部の人たちと同じメニューでした。

チェックインは16:00からということで16:00過ぎに着いたわけですが、すでに館内には連泊と思われる浴衣姿の方々が多数。うーんこりゃ大浴場はかなり混んでいると思われます。しかし何と湯治部側に大浴場とは別のお風呂があることが判明!ならばまずはそっちに行ってみましょー!



よおっし、GWど真ん中の夕方だというのに貸し切り♪

こちらの男女別小浴場は「霊泉の湯」といいまして、どう考えても湯治部側にあるのに、なぜかチェックイン時及び部屋まで案内してもらう時にも全く説明がありませんでした。別に湯治専用というわけでもないし(それなら湯治部宿泊者には説明するでしょ)、何だか「積極的にアピールはしませんがよろしければどうぞ」的な位置づけの不思議な浴室です。

霊泉の湯直近の案内表示には「このお風呂はとても熱い湯です」と書かれていたので「うーむ半端者はやめとけってことだな、おもしれぇ、てめぇの湯の本性を見てやろうじゃないか!」と、意を新たに浴室に向かいました(うそです、ホントはあまりに熱すぎたらかけ湯だけで逃げ帰るしかないなと思ってました)。

で、しばらく誰も入った形跡のないこの湯を汲んでまずはかけ湯をしてみたら‥

全然熱くありません。普通の適温湯です(ま、気持ち熱めではありましたが)。春先だからこの湯船に配湯されるまでにぬるくなっちゃってるのかな?ちなみに女湯@おしんこどんは「適温どころかぬるかったよ」とのたまった次第。うーむ嬉しくもありちょっと残念でもありという感じです。

とりあえず夕食までにはまだ少し時間があるので、このあとは源泉付近の散策に出かけました。

以前秋田須川の湯に来たときにもここまで足をのばしましたが、それにしてもこんな山のてっぺんからこれだけの源泉がどうどうとあふれ出ているのというのは何とも不思議です。沢沿いであればわからないでもないですが、完全に宿よりも上部の場所からいきなり出てますからね。いったい栗駒の地下湯脈ってどんなふうになっているんでしょう?

さらに登っていくとさすがに登山道方面は雪に閉ざされていました。あとから考えればこの先に蒸し湯があったはずなのでもう少し進めばよかったかな?いやいや、この時ちょうど雨がまた降り出したのでまぁしょうがなかったんです。



さすがに稜線上のヤマザクラはこれからが花の時期。これでも例年よりはぐっと早い開花なんでしょうね。

このあとは夕食です。食事についてはもともとそれほど期待もしていませんでしたし、そもそも量ばかり多かったりしたら困っちゃうところなんですが、まあごく無難な旅館メシという感じで「むぅ‥」となることもなく終了でした。しかしこのあとが忙しいのであります(笑)。

純粋な自炊湯治の人は多分それほど多くはないはずのこのGW、ということは「湯にこだわりのある人」も実はそれほどいないのでは?となれば、大食堂にあれほどいた宿泊の人たちはこの夕食直後、しばし自室でゆったり過ごそうとしているのではないか?ということは、

というわけで部屋に戻るとすぐにお風呂セットをひっさげて大浴場へ。脱衣場に入ると先客1名のみ、よーしよし、今日のお客の数からしたら上々の首尾です!幸い先客さんも上がって行ったタイミングで「激写」!(あ、懐かしいコピーですね。確か篠山紀信の写真集だったっけ)

霊泉の湯と同じ温度の湯がたっぷり満たされています。おしんこどんによると「大浴場の湯の方が熱かった」といいますから、あっちの女湯はやはりぬるかったんでしょう。大浴場は男女の浴槽が水面下でつながっていますし。

すっかり身も心もキレイになったところで、湯冷まし&喫煙のために屋外の温水プールへと出てみました。甲子温泉のそれよりも広いプールの上を、折からの風に巻かれて湯気の子供たちがそれこそあっちへ行ったりこっちに来たりと忙しそう。とはいえ泳いでいる人は結局誰も見なかったのでありますが。湯は適温(プールにしてはちょっと熱いかな?)、ここって、欧米人への温泉リゾートとして売り込んでお客を呼ぶって手もあるんじゃないかとも思いました。でもそれにしちゃPH2.2じゃプール内で目も開けられないか(笑)。いやプールなんだからゴーグルだってOKだし(笑)。

さて、夜も更けた頃から外は大荒れの風雨。テントを撤収しておいてよかったなと思いつつ乾いたお布団でぐっすり。

翌朝は5時前にきっちり起床。なぜってもちろん「先んずれば則ち露天風呂を貸し切りで制す」っていうじゃないですか!昨夜は大浴場をほぼ貸し切ったし、どうせなら露天も貸し切りで何とかなるまいかアルマイトベジマイトにマーマイトというわけです(何言ってんだかわからない単語については無視してください)。

ほぼ5時ジャストに露天風呂棟に到着、もう電気がついてます。受付のおじさんに朝のご挨拶をしてと。

湯治メインの宿であればなかなかこうはいきませんよね。そういう場では皆さん「朝が早い」はずですし‥。というわけで何はともあれ朝一番湯をタンノーしちゃれ!

「むひー朝一番のシアワセ」

もうもうたる湯気もシアワセの基本的なアイテムですね。源泉地からそのまま流し込まれる湯がいいなー(微スッパイ)。

WMV形式、853KB、21秒
ビュッフェスタイルの朝食をいただき、さーて今日は千葉まで帰る日なんだよね、GWももう終わりかと思うと何だかナニですが、なーにまた来年の今頃にはやってくるはずなんで気にするなかれと開き直って山を下り始めます。来年のGWはどんなことになっているんだろう?



バイバイ栗駒、今年も楽しませてくれてありがとう!

とはいえこのまままっすぐ帰るわけはないですよね(笑)。NORAさんとの話の中で祭畤(まつるべ)温泉がみんな休廃業に追い込まれた中、1軒だけが復活したという話を聞いていましたので、これは是非行ってみなければと思っていたわけです。実は昨日も宿の前まで行ってみたのですが、かなりの台数の車が止まっていたので「これは明日10時が勝負だ!」と覚悟を決めての訪問だったわけです(それほど大した覚悟ではないということがよく分かりますね)。

とっても手作り感たっぷりの看板が何だかかえってただならぬ雰囲気を漂わせます。その手前には結構新しいにもかかわらず使われていない建物もあったりして、「いったいこの温泉にナニがあったのだろう?」とあまりにも不思議に思えてしまいました。しかも「温泉ニュースBlog」サイトによると、かつては5軒あった宿が全部廃業?温泉が枯渇したわけでもないでしょうに?手前のリゾートみたいな高層建築がとっても気になりますが?源泉以外の理由(経済的事情)が絡んでいるとしか思えない状況ですね。

オーナーも代わり、リニューアルオープンした宿「神座(かみくら)」も、棟続きの建物は使っていないみたい、しかも劣化したブルーシートが垂れ下がって風になびく惨状というのは切ないですね。多分権利絡みでこうなっているんだと思いますが、あっち側のオーナーさん、せめてブルーシートは撤去してよ or 撤去許可を神座さんに出してあげてよね。

というわけでなんとも不思議な感じなのですが、神座側さんの内部の雰囲気は至っていい感じです(旧「有朋亭」なのだとか何だとか)。でも浴室に向かって歩いていくと「自分の知らなかった」とある製品を見つけて嬉しくなりました(笑)。



あのぉ、「カメムシキンチョール」って初めて見たんですが、東北地方では「基本」なんでしょうか?脱衣場の外にはソファーがあっていい感じ。

脱衣場に入ると‥よし、先客なしで嬉しや嬉し!というわけで浴室へ。右上画像のようにちょっと暗く見えるのは逆光だから仕方ないとして、その次の瞬間に気になったのが浴槽のとある場所からの湯の盛り上がり。



となれば吸い込み口を探しちゃう悲しい性(悲)。確かに吸い込みはありました。でも全く塩素臭はしないんですから純粋に加温かなと思い上部からの注ぎ口から出ている湯を桶に溜め、そこにいつもの草津タオルを浸けてきっちり嗅いでみるとしっかり硫黄臭があります。飲んでみてもいい感じ。よって基本的には加温かけ流しかと思います。



ここから投入される湯はきっちりしてましたもん。

さてここからは一関ICまで一本ゆえそのまま帰ってしまえば簡単なのですが、おしんこどんが「おみやげを買いたいリクエスト」を発したので厳美峡に寄ってみました。

で、メインエリアは有料かお土産屋専用パーキングしかなかったんで、車はちょっと離れたJAの駐車場に停めて歩き出してみるとおしんこどんがひとこと!


(実際にはそんな言い方じゃありませんでしたが)

見ると、「空飛ぶだんご」の手作り看板もあったりして何だか面白そうな感じです。竹籠が確かに対岸とこっちを行ったり来たりしています。

「たかがだんご、されど飛ぶ飛ぶだんご!」

この商法でずーっとずーっとやってきたというのですからやっぱり商売はアイデアですね。でも今となっては既得権の匂いを感じないでもありませんが(笑)、いや最初に思いついた者がやっぱり勝ちでしょ。

WMV形式、858KB、20秒

対岸側でしばし見物&おみやげを買ったあと、かの「本店」にてだんごに舌鼓♪商売に乗せられちゃったという感じもなきにあらずですがまぁいいじゃないくだらなくて面白いんだから。ちなみに先代の頃は「飛行機をかたどった運搬機」を使っていたというのですから遊び心たっぷりだったんですね(今じゃウケないと思うのでシンプルに竹籠を使うのは正解だと思う)。

だんごそのものも、Takemaはあまり味がわかる方ではないんですが美味しかったです(信憑性ないなー)。ちょうど竹籠が上下する真下だったので面白かったし。

さて、帰りましょうか!すぐ近くの道の駅でしばしうろうろしたあとは「途中停車駅=阿武隈高原SAのみ」で一気に帰って来ちゃいました。渋滞がゼロだったのはここ数年の通り、やっぱり連休最終日は全然連休じゃないですね。よっぽど普通の日曜日の方が混みますって。ちなみに「その翌週も空いている」というのは言わずもがな。だから毎年Takemaのオフキャンプはそこでやってます!(2009年はちょっとずれますが)。

というわけで2008GW編これにて終了です。来年も木地山ベースで頑張る‥かな?(謎笑)。
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