- その6 初宿泊の塩原、翌日は八溝山、〆湯はあの岩の湯! -



こちらはお泊まり宿の湯ではなくこの旅行の〆湯です。貸し切り利用は10年以上前以来?



この日のお宿は塩原古町温泉のやまなみ荘さん。チェックイン時に女将さんから「今日の泊まりはお客さんたちだけですから露天風呂は男湯にしか湯を張っていませんが、どうぞごゆっくりなさってください」と言われました。よしよしさすが月曜日の宿泊♪というかこちらのやまなみ荘さんは最大でも5組しか泊まれないので、お風呂大混雑ということはまずないのですが。

というわけで明るいうちに露天風呂に行っておきましょうか。ちなみに部屋の窓からは露天風呂の建物が見えますが、他のお客さん(特に女性)が泊まっていたりするとこんな写真は撮れませんというか窓から顔を出すのも自粛ですね(笑)。



ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉、源泉温度55.9度の湯が勢いよく投入されています。ちなみにおしんこどんが投入湯に手を‥結果、「アチッ!」と声を出しすぐさま手を引っ込めました(笑)。自家源泉の湯温が高いので熱交換で暖房に利用することで少し温度を下げて、それでもまだ高いので山水(湧水)を加えているそうです。露天湯は温度が下がりがちなので投入湯も加水少なめで高めの湯温となっているのでしょう。

コップがあったので口に含んでみると、弱い金気&土っぽい味がしますがそれほど強いものではありません。ライトなアブラ臭がするようにも思います(これは内風呂のほうで感じました)。いずれにせよ古町温泉界隈に共通するツル感&湯上がりの汗の引きにくさはここでも体感♪

宿泊者がわれわれのみゆえがっつく必要もないので、クールダウンも兼ねて外に出てみました。




(そういえば冬場は凍結防止のため温泉水も混ぜてるのかどうなのか?未確認です)。



このあと男女別内風呂も観察。なかなかのオーバーフロー量、やまなみ荘のサイトによると「自家源泉の湧出量は毎分180L」とありますから、それだけの湯がこの一夜はわれわれだけのために‥うーんマンダム何たるゼータクな一夜!

しかしまだ火照りがとれなかったしがっつく必要もないのでこのあとはしばしお部屋でゆっくりしていると、「夕ごはんですよ」ということに。で、これがですね‥。



見た目以上に量が多くてかなり苦しかったんですわ(苦笑)。

あとから調べたところによるとこちらのお宿の「名物」は何とカレー系なのだとか。よし次回は「カレー+α」にしてもらおう!

夕食後しばし部屋で寛いだあとは、「満を持して」内風呂に行ってきましょうかね。ちなみに館内には飲み物の自販機がないので、湯上がりの水分補給用に冷たい飲み物を購入しておくと安心です(少し歩きますが国道沿いにヤマザキデイリーストアあり)。というわけでいざ入浴っ!

当然ながら浸かっている時間よりトドってる時間のほうが長かったです。ふだんはあまりトドらないTakemaですが、この日ばかりは「あとからお客さんが入ってくる」可能性がゼロというわけで遠慮というか気遣いなしで湯っくりできましたわ(最高)。いちおう日帰り入浴も受け付けているようですが、この界隈には他にも宿湯が多いし‥。



明けて翌朝の朝風呂もスッキリ爽快。気持ちええですわぁ。



露天風呂は屋根付きなのと塀が高いので展望はないですが熱めでヨシ!



朝ごはんをいただき、最後にまたざぶっと浸かった上でチェックアウトしました。さーていよいよ最終日、まっすぐ帰ればそれこそお昼前に自宅に着いちゃうわけですが、間違ってもそんなもったいない時間の使い方はいたしません(笑)。というわけで塩原から東へ東へと移動開始です。



途中、「道の駅那須与一の郷」の直売所をのぞいてみたら、観光客が少ないエリアということもあってか何だかヨサソな産品が比較的(いや、かなり)廉価で販売されておりましたので少々お買い上げ。しばらくこの那須野ヶ原界隈には来ていなかったんですが、そういえばこの自虐的な交通標語、前によく見ていた記憶があるぞ(笑)。



というわけでやって来たのは「雲巌寺」。独身の頃バイクで立ち寄った時に、「こんな場所に何でこんなに立派なお寺さんが?」と不思議に思いつつお詣りしたことがあり、「落ち着いた佇まいだから是非おしんこどんにもお詣りしてもらおう」と考えたわけなのです(要は自分が再訪してみたかっただけです)。あ、山門手前の階段で年甲斐もなく「早上がり競争」をしたのはここだけのヒミツね(苦笑)。



境内はきちんと整備が行き届き、また荘厳な趣の堂宇も実にいい感じです。こちらは臨済宗の寺院で、筑前の聖福寺、越前の永平寺、紀州の興国寺と並び禅宗の日本四大道場の一つなのだとか。確かに禅寺らしさがにじみ出ている感じです。江戸時代には何と松尾芭蕉もこの地を訪れ「木啄(きつつき)も 庵は破らず 夏木立」の句を遺しているというのですから、自分がよく知らなかっただけで実は有名な古刹だったようです。




(何だかルポルタージュっぽい表現だな)

ちなみにルポルタージュってフランス語だったんですね、いま調べて初めて知りました(どうでもいいことですが)。さて、境内を見渡してみると‥



鐘楼の脇にさりげなく置かれた切り株なんですが、よくよく見てみるとこの木の樹齢が記されていました。1610年にこの地に根を生やしたこの木が(杉でしょうか)、平成30年(2018年)に伐採されるまでの記録が年輪として刻まれています(左上画像マウスオンで別画像に変わります)。408年の「樹命」だったというわけですね。往時の情報(樹高とか場所とか画像とか)が記載されていると有り難かったのですが、禅寺だけに「自らイメージして偲べ」ということなのかもしれません(違)。

境内の整備をなさっていた方から「どうぞ境内を自由にご拝観下さい」とお声掛けをいただいたので、本堂の上の別の建物(方丈)へと上がってみると‥




(右上画像マウスオンで方丈額の拡大画像に変わります)

ここ雲願寺周辺には一軒の茶屋も土産物屋もありません。それなのに駐車スペースは広く境内も落ち着いた雰囲気であるのは、上記のような方針に基づくものだったのですね。参拝客用の宿坊等も見たところないように思われました。そのかわりバスの便があり「増便された」という情報も見かけたので、やはり一定の参拝者の利用があるのでしょうか。

雲願寺参拝のあとは山道を上っていきます。そう、「栃木・福島・茨城」3県の県境に位置する八溝山に向かうのです!と?




(上画像にマウスオンするとズーム画像に変わります)。

この地域では各所で伐採が行われていました。森の更新、特に人工林の場合は手入れ及び伐採が不可欠なのですが、ここ栃木北部と福島南部エリアにおいてはその作業がずんずんと進んでいて頼もしく思ったわけです(林業関係は人出不足が深刻だということですし)、ほかの地域ではどうなっているのかなぁ‥。

ここからはなかなかワイルドな県道28号線(舗装はされていますが規格は林道並み)経由で八溝山頂上に続く八溝林道を上っていきます。こちらは「林道」ではありますが、県道28号よりもはるかに走りやすい舗装路です(傾斜は急です)。そして何の苦もなく頂上すぐ下の駐車場へ。



八溝山の標高は1022m。のっぺりとした阿武隈山地の中ではかなりの高峰で、一等三角点が設置されています(ちなみに阿武隈山地の最高峰は大滝根山(1192m)です)。頂上には八溝嶺神社が鎮座していますが、それよりも目立つのが‥




(右上画像の神社は平屋なので案外目立たない)



それでは上ってみましょう。八溝山にやってきたのはそれこそ10年以上ぶりだと思うのですが、確かその当時はこの展望台は有料施設だったはずで、当時ここまでバイクでやってきたTakemaは、わずかな入場料の支払いをけちったため、これまで上ったことがなかったわけです(苦笑)。

上がってみると周囲の樹木よりも高くなるので展望が得られます。あの奥に見えているのは那須連山かな?(右上画像マウスオンで拡大)。ちなみにこの八溝山は3県の県境に位置しているのですが、厳密にいえば栃木県は頂上部まで達しておらず頂上から1kmくらい手前で力尽きちゃって?おります。何でなのだろう?飯豊山地の飯豊山山頂のように「無理矢理福島県」だったりするような例だってもあるのに、何とも控えめな栃木県です。



車で登れる八溝山ですが、ハイキングルートも整備されています(ハイカーもいました)。

さて、以前から気になっていたのがここ八溝山の頂上近くにある「八溝山湧水群」でありまして、せっかくなので行ってみることにしました。車道から少し離れた(下った)場所にあるようなので、ハイキングルートを下っていきます。結構下らされるな、帰りは登りだぞと思いつつ下りましたよ。



車道からすぐの所にある白毛水は涸れていたので下流の湧水を目指したわけです。



龍毛水付近には屋敷があったようです。もちろん「水あって」の立地だったのでしょう。



ええっと龍毛水、水は溜まっていましたし、ブルーシートで覆われた井戸?の内部からは僅かながら水音が聞こえていましたので涸れているわけではなさそうですが、手前のたまり水はきれいではなさそうに見えたので(流れていない)、見るだけにとどめました。残念。



ここも駄目かぁ。まだ先にもあるようでしたがあきらめて帰り(登り)ましょう。



ちなみに山を下ってきた麓近くで湧水を発見しゴクゴクした次第です。味OK。

さてここからは矢祭町を目指して進みます。お昼ごはんなのですが、1軒気になっていたお店があったからなのですが、行ってみると何とお休み(あとで確認したところ、ランチ営業は不定休のため事前に問い合わせてほしいとのこと=「さかな屋」さんより)。

さてどうするか。思ったよりもお店が少なく‥あ、そうだ、ユーパル矢祭(東舘温泉)にはたぶんレストランがあるはず!



というわけで、ランチ営業の終了近くでしたが無事オーダー完了!



ハイもちろん「シャケいくら飯」を注文。カツ定食もね。

さてそれでは本日最後の目的地である湯岐(ゆじまた)温泉を目指しましょう。こちらにはおしんこどんともども何度も来ているのですが、山形屋さんが管理している足下自噴の共同湯「岩風呂」は混浴ということもありおしんこどんは未浴、かくいう自分ももう随分入っていないわけで、平日なら空いてるんじゃないかというわけで岩風呂狙いで訪問したわけです。

で、Takemaが山形屋さんにご挨拶すると、思いがけないお答えが。



時計を見ると14:45ころでありまして、よしそれならおしんこどん、今がまさにアタックチャァーンス!ではでは行ってらっしゃーい!(Takemaは15:00まで待機ね)。



はいはーい、女湯タイムには暖簾がかかりますので男性は指を加えて待ちましょうね。

というわけで15:00になりました‥が、女将さんが暖簾を外しに来ないので、一応5-6分待ったところでお声がけをして外してもらいました(左上画像マウスオンで、やや読みにくいですが女湯タイムの案内掲示画像に変わります)。幸いこの段階では他の男性客のお姿はなし。よし、とりあえずは貸し切り状態だ!(嬉)。











なお浴室内には「上段の湯」も存在しています。お湯自体は浴槽内の壁から投入されていますが(岩の隙間からも出ているかも知れません)、ここに入ると怒濤のオーバーフローを楽しめます!(ただしこちらの浴槽には身体を洗ってから入りましょう)。



というわけでお湯をタンノー!柔らかみのあるお湯でございます!

さてこのあとはいよいよ帰るだけ‥なのでありますが、それぞれ何となくトイレに行きたくなってきた‥どこか‥そうだ、四時ダムにトイレがあったぞというわけでそちらに寄り道。と、そういえばここには「銘水」があったんだっけ!



こちらの「銘水」はダムの水そのものではもちろんなく、ダム施設内から湧き出ている地下水ということですが、水質検査をしたところ飲用水としての基準さえもクリアしているとのこと。確かに美味しいです。ペットボトルに汲んだ上でごくゴクごく(もちろん掲示には「飲用には煮沸して下さい」と書いてはあるけれどさ。難癖を付けられないためのお約束なので‥)。

さ、ここからは一気に千葉まで帰りました(最後の最後でまさかの渋滞はありましたが)。というわけでこの旅行記もこれにて終了です。最後までお読み下さりありがとうございました。

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