かわいそう鴨。でもおいしい鴨。
今日はおしんこどんと筑波のほうに行ってきた。山麓の千代田町には果樹園が多く、秋にはブドウやら梨やらクリやらカキやら、とにかくいろいろな果物が収穫の時期を迎える。そこで「よっしゃ巨峰食べ放題、モト取っちゃる!」と意気込んで出発したのだが、もともと不安定な天気で、果樹園エリアに着いたら何とどしゃぶり。そんな中びしょぬれになりながら巨峰を食べまくる気力もなく(それでもやってる家族連れには恐れ入った)、おみやげを買っただけで退散。
さてどうするか、目的を失った我々であったが、「そういえば筑波山の反対側に鴨料理屋があったじゃないか、あそこで昼飯を食べよう」ということにした。去年こっちに来たとき、偶然通りかかって飛び込みで入った店だ。その名も「鴨亭」。筑波山を間近に見ながら「個室」で鴨料理を食べられる、しかも値段も結構リーズナブル(1000-1500円の定食がある。ランチならコーヒー100円)で、一発で気に入ったお店だ。
今回は「鴨おろしそば」と「石焼き鴨肉定食」、それに単品で「鴨盛り合わせさしみ(上の写真)」を注文。おいおい、写真撮る前に飢えたおしんこどんがササミを取っちゃったぞ(だから上の写真、ワサビが乱れてるでしょ)。うーむ、記憶に違わぬうまさ。さしみはもちろん、富士山の溶岩の上で焼く胸肉(赤ワインにつけてから焼くというこだわりが泣かせる)は絶品!部屋から筑波山を眺めつつという環境もいい。何だか旅館でゆっくりと食べる食事みたいだ。
玄関は和風旅館そのもの、部屋の窓からはこんな感じの景色が広がる鴨亭さん。
あ、ホント、ここはライダーにもお勧めですよ。入り口の「おいおい大丈夫かよ、むちゃくちゃ高そうだぞここって」的重厚な雰囲気に負けずにお入り下さい。たぶん走るのが面倒くさくなるほどまったりしちゃうはずです。
ここの鴨がおいしいのにはわけがある。なんと「生産直売」なのだ。というよりは、すぐ隣の養殖舎にて育てた鴨をそのまま材料としているからなのだ。なんでも昭和40年代から鴨の飼育を始めたが、鴨肉を食べたいという声に押されてお店を始めたということらしく、もともとは鴨飼育のプロ、今ではプラス鴨料理のプロとなっているということらしい。ホームページも持っているお店だが、とにかくゆっくり落ち着けるという点でもここに勝るお店はそうそうあるまい。
さて、食べ終わって店の外に出た。一段下がった養殖舎のほうからは「今のところご存命」の若鴨たち(ちなみに店では生後六ヶ月くらいの鴨を使っているらしい)の元気な声が聞こえる。そうだ、鴨を見せてもらおう!
失礼ながら(お店の人にことわらずに)養殖舎をのぞかせてもらった。うーん、相当の鴨がいるぞ。100羽とかじゃ全然きかないなあ。そして、小屋の横へ。
うわぁ、いるいる。見慣れぬ輩が突然顔を出したので、鴨たちはおどろいて一斉に右往左往。しかし小屋の大きさにも限界があるから、要は「みんなでずーっと同じ所ぐるぐる回ってる」状態。というわけで、残された人生ならぬ鴨生を大切にするんだよ君たち。
上で見ていたおしんこどんのところまで戻った。戻ったTakemaに彼女は開口一番、
「とにかく、その辺の公園の池とかで泳いでる鴨だって食べられるんだということがわかったわ」
そうか、そうきたかおしんこどん。市川植物園の池に生息する鴨くん達、もうそこは安住の地ではなくなるかもしれないよ。
(2001年9月15日)