巣鴨地蔵通りに行ってきました

 

日曜日、「おばあちゃんの原宿」との異名をとる巣鴨に行ってきた。もっとも地蔵通り巡りが目的だったわけではなく、たまたま登山靴のオーダーメイドのできる店が巣鴨だったため、「ここまで来たんだから、ついでに行ってみっかぁ」というぐらいのノリだったのだけれど。

TVではこの通りの「特殊性」をああでもないこうでもないとばかりにはやし立てているが、来てみればまぁごく普通の下町の風情を残している通りだなと思うくらいだった。でも、確かに肩を張らずにのんびりと歩ける場所は久々で、短い時間だったけれど妙にくつろいだ気がしたのは、自分にも少しずつ「老人力」が身につきはじめている証左なのだろうかと思われ、嬉しいような悲しいような(笑)。


巣鴨といえば「とげ抜き地蔵尊」がとみに有名だ。境内はそれなりの賑わいで、屋台の出店もいくつもあったが、あまり盛況という感じはない。リピーターの方々はこういう店で買い物などあまりなさらないのだろうなぁなどと思いながらぶらぶらする。

中高年向きの洋品店が何軒か軒を連ねていた。「はぁ〜い、新入荷の毛糸のパンツはいかがですかぁ!」の呼び声が耳に入る。「手作り綿入りはんてん2900円」が軒先にぶら下がっている。原価はいくらなんだろうと妙に気にかかる。


道路沿いのビル地下に続く階段の億から、何やら呪文のようなマイクの声がうっすらと聞こえてきた。見ると、「昔の唄の店」との看板がある。曲数二万曲、二千円、食べ物飲み物持ち込み可との書き込みも発見した。しかし、「昔」という概念はあまりに大雑把すぎて、一体どの時代を指しての「昔」なのだかよくわからない。まぁ間違ってもグループサウンズなどお呼びでないことは確かで、東海林さんとか「月月火水‥」あたりを知らないと完全に浮いてしまうだろうことは容易に推察できるところである。まだこの階段を自信を持って下りることはできそうにないなぁと、おそるおそる魔界の入口を眺めるにとどめた。


でも、通り沿いの店で買った塩豆大福はなかなかの味。しまった、もっと買ってくるんだったぞとはなはだ後悔するもすでに時遅し。というわけで、小春日和の日曜の午後は少しずつ暮れていったのでありました。

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