新酒の季節‥むふふふふ。
どうも「千葉の酒」というと今一歩かんばしい評判が聞こえてこない。水のせいだろうか。確かに花崗岩質の山はないだろうから「○アルプス天然水」のような「おいしい水」のイメージはないし、深山幽谷から流れ出る水こそがいい酒を作り出すという固定観念も作用しているような気がする。「千葉にうまい酒なし」という思いこみは正しいのだろうか。
というわけでということでもないですが、先日おしんこどんの知り合いのツテを頼って、その千葉の半島部、外房の大原にある「木戸泉酒造」に酒蔵見学&試飲という名の大宴会に行って来ました。この蔵は「高温乳酸発酵」という独自の製法をもとに、吟醸という「名」を捨てて純米という「実」にこだわるという、ちょっと変わった蔵のようなのですね(もっとも純米云々については実際に見学したときに知ったのですが)。季節は2月中旬、ちょうど新酒のしぼりが始まって間もない頃だから、時期としてはこの上もない。
まずは精米した酒米を洗います。もちろん地下水です。
洗米した酒米を、この釜からあがる蒸気で一気に蒸し上げます。
この時に使うのはすぐ近くの別の水源水なのだそうです。
そして室で寝かせて麹菌が全体に行き渡るのを待ちます。
雑菌がつくと厄介なので、普通はなかなかこの部屋までは入れてくれません。
そしてこちらの樽に移して加水とともに適度な発酵を促すことになります。
表面はどんな感じになっているのかを、マウスオンでご確認下さい。
そして、まさに「今しぼったばかり」のお酒のできあがりです。
「本当に今しぼったばかり」のお酒には炭酸ガスがまだ残ったままなので発泡性があり、「アルコール入り甘酒サイダー」というような感じでなかなか面白い味。もっともビールなどに比べたら微量であることから、しぼって数時間も経てばガス分はほとんど抜けてしまうのだそうです。ときどき市販の酒にも厳重な密封栓(ガス抜き穴つき)をされたものがありますが(特に生のにごり系に多いパターン)、ここで飲んだのは「まさに今、この瞬間だけ」のものでしたから、たいそうありがたみを感じずにはおれなかったTakemaだったのであります。
おお出てきた出てきた古酒の数々。6年ものから17年ものまで、
全て市販しているといいますから恐れいります。ただ、蔵のご主人曰く
「10年ものくらいにならないと独特の味わいというものが安定してきませんね」とのこと。
しかしここで終われば、蔵見学&試飲で「いいお勉強」ということにもなるのでしょうが、この後はご主人や杜氏さんと一緒になっての大宴会が始まります。なんといっても蔵元ですからお酒だけは売るほどありますし、しかもご厚意で今日しぼったばかりの新酒をふんだんに出していただき、さらには目の前の大皿には刺身やら練り物やらのおつまみも豊富、もうこれで飲まないといったら嘘になるでしょう。はぁよく飲んだぞぉ。
ここ数年はもっぱら芋焼酎一族に弟子入りしたかのような飲酒傾向を示すTakemaであったのですが、日本酒ももう少し飲んでもいいのかもしれません。少なくとも「二日酔いの頭痛」というオプションはこの「木戸泉」には付いていないようでした。ほっ。