あんたぁ重役かいなっ!

シンガポールという国は、なかなかリピーターのつきにくい国だ。もともと国土が日本の淡路島ほどしかなく、オーチャードロードなどでのお買い物を除けば(それとて最近はかつてほどの活気はないのだが)、あとはセントサ島かい、でもあんな雰囲気の場所なら他にもいくらでもあるし、シンガポールのビーチは想像通りの色だしで、結局、「え、シンガポール?いいよ、前に行ったからさ」ということになるのだ。

さて、Takemaもご多分に漏れずそんな感覚であった。だからこそシンガポールに宿を取らず、あえて船で渡ったビンタン島(インドネシア領)にて過ごしたのだ。でも、帰りの飛行機の発着まで中途半端に時間が残った。どこで暇つぶし?コーズウェイ?もう行った。じゃ、動物園でも行くか。

ここの売り物は「ゴリラやオランウータン、スネークと一緒に写真が撮れる」というところにあるのだそうで、せっかくなら一緒に写らなきゃ損だろ、ということで「はぁーいはいはい」と写真を申し出る(とはいっても自分のカメラ)。しかし、出来上がった写真を見て笑った。

「なんだこの右のオランウータン、こいつぅ何てぇやっちゃ」

よく見ていただきたい。出来損ないピースサインを送る我らがホモサピエンス代表のTakema。左側の、Takemaの膝に腰掛けて、「ケッ今日も暑いよなあ、早く終わらせてサル酒ロックでも飲もうぜ」という感じのサル、彼はまだわかる、チンピラ営業マンだ。しかし問題は右側のこいつ。しっかりと足を組んで重役然とした雰囲気を醸しだし、しかもその右手はしっかりとTakemaの肩に置かれている。「まぁね、キミもせっかく遠くから来たんだからね、せいぜいここを楽しんでいってくれよ、ま、とりあえずよろしく頼むよ」的妙な落ち着きを見せているではないのさ。

これもまた一つの場慣れなのだろうか。そう思うと、かえってあの時コーフンしてアドレナリンを分泌していただろう自分が何だかたまらなくいとおしくなる(うそですようそ)。

皆さんもシンガポールに行ったら動物園なんかどうですか。動物相手におのぼりさん気分を味わいに。

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しばらく昔の写真が続いたから、今度は「今日の写真」でもいこうかなあ。撮らなきゃ。