長年の「蓄積」をどうしようか?

(2006年8月30日)

さて、Takemaの実家は来月から大規模なリフォームに入る予定であります。私自身、小学生のころから結婚に至るまでの約四半世紀を過ごした家ですので、全面的に手を入れるというのは便利で快適になる反面、一抹の寂しさもあったりします。

しかし、そんなふうにノスタルジックな気分に浸ってばかりではいられません。その家に四半世紀住んできたということは、結婚後もそのまま残してきたガラクタ思い出の品々も、大量に家の押し入れその他にひしめいているわけです。いったいそれらをどうしたらよいのでしょうか?

これまでの北海道ツーリングでためにためてきたホクレンの旗は一気に処分しました。15本はあったよなぁ。中には昔ホクレンフラッグに対抗して日石がやっていた「風」フラッグなどもあったりして、うーんこれは今となっては貴重だよなぁ‥などと一瞬思ったりしましたが、本人にとっての思い出の品とは他人にはそれこそただのガラクタなんですよね。というわけで処分処分!

小中学生の頃に定期購読していた鉄道雑誌も大きめの段ボールに2箱どどん。これは以前某所のオフ会でお知り合いになった鉄道ファンの方が引き取ってくださるということで、ありがたくお願いいたしました。

その他もろもろの品々も、基本的には「ポイする」(「ポア」じゃないよ)という姿勢で片付けていきます。しかし、あまりに大量で「うーむ」と唸るしかないのが棚にひしめく本でありました。思い起こせば中学から大学にかけて、通学時はほぼ必ず電車の中で本を読んでいた記憶があります。本好きだったわけですね。山の本も沢山あったなぁ。でも小説がほとんどなかったというのは、Takemaの読書傾向を如実に表しているというところでしょうか(笑)。

さて問題は、これらの本をいったいどうすべきなのかというところにあります。「本が捨てられない」という人の話はよく聞きますしその気持ちもわかりますが、かといってこれらの本をそのままにしていくわけにもいきません。考えてみればここにある本は少なくともここ6-7年、古いものになると20年以上本棚のこやしになっているわけで、このまま保存しておいても次に読む機会がいつになるのかは全くわからないものばかりです。となれば‥

本はざっと見で400冊近くあるようです。となると、普通だったら古本屋さんに引き取ってもらうのが一番なのでしょうが、何だかそれではあたりまえすぎて面白くないんです。というわけで、実家の前の道路は土日あたりには比較的通行人の数が多いということも考えた上で‥

と決めました。本代なんて面倒なことは言いません。全部無料でいいです。本からすれば、本棚のこやしであり続けるよりも手に取って読んでもらえた方がずっと幸せでしょうからねぇ。というわけで、「無人配布会」にしちゃいました!

とりあえず棚にこんなふうに並べてみましたが、もちろんこれだけではありません。家の中にはまだまだたくさんあるのですが、棚が空き次第追加補充していくという形を取りました。

最初の「お客さん」は、まだまだ本を並べている最中に自転車で通りがかった小学生(四年生)でした。「(小)これ、もらっていいんですか?」「(Takema)もちろんいいよ、何冊でもどうぞ!」

そうは言いながらも、「うーん、小学生向けの本はほとんどないよなぁ。ま、何冊か漫画もあるし何とかなるか」と内心思っていたTakemaだったのでありますが‥この小学生くん、実はものすごい子だったのであります。彼が最初に選んで自転車の籠の中に入れた本は何と、

だったのでありました。しかもその文庫本は、カバーもなく真っ茶色に日焼けした「くたびれモード全開」もの。それもそのはず、この本は自分がNZワーキングホリデーで現地滞在中に読んでいたものだったのです。「小学生が(いくら訳本とはいっても)この本を?なぜ?」と思ってちょっと話をしていたら、この彼、かなりの読書好き、それも歴史ものがかなり好きなようで、家の本棚はもうすでに満杯なのだとか。

「漫画は面白くないし、こういう本が好きなんです」とのたまう彼は、籠を一杯にして去っていきました。そうそう、こういう人に引き取ってほしかったんです。それにしても彼の将来が楽しみだ(嬉笑)。

家の中に戻ってそれ以外の整理作業に戻りつつも、やはり本の「売れ行き?」は気になります。時々は本の補充や整理も必要ですし。あ、さっきの小学生くんも戻ってきて、今度は吉川英治の三国志全巻を引き取っていったぞ。

本を整理していると、お客さん?が声を掛けてくれることもあります。「絶版本が多くて見ているだけで楽しいです」「あなたの読書傾向、なかなか面白いですね」「何でイギリスの地図をお持ちだったんですか?」こういう会話もなかなか楽しいものですね。

なお、悪のりして古いコンポのスピーカーも並べておいたら、欲しいという方が現れお渡しすることが出来ました。その他に、自分が高校生の時アルバイト代で初めて買ったダイアトーンのブックシェルフスピーカーも、さらにはコンポ本体まで引き取り手が現れました。これらも、個人で捨てるとなると何かと面倒なものばかりですから大変ありがたいですなぁ。

というわけで、だいたい300冊ほどが「第二の人(本)生」を歩んでいきました。残った本は、それこそ古本屋行きかな。たまにはこういうイベントもいいものです。



全く関連はないですが、何だか楽しそうな茄子の兄弟♪

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