「世代交代」
だいぶくたびれた木製電柱の先には、昔懐かしい「半鐘」。小さいながらもしっかり屋根付きだ。火事などの非常事態にこれで住民に事の急を知らせるため、昔は結構どこででも見られたものだ。でも… そのまた先にはしっかりと「スピーカー」。今ではこれで村内への伝達を行っているのだろう。すぐ下に、一回り小振りのものが同居しているのが何だか可愛いといえば可愛い。半鐘は停電などのさらなる非常時用に残してあるのだろうが、小屋根の傷み具合からするともう相当期間放っておかれているようだ。というより、老朽化していて、叩いたら鐘ごと落ちてしまいそう(^.^)。
これは半鐘だけれど、夕方頃に山里に響く音が、「お寺の鐘の音」からスピーカーで流れる「学校チャイム」に変わった頃から、その土地らしさが急速に薄れていった、そんな気がするのは、都会近くに育った者の勝手なノスタルジーだろうか。
(山梨県奈良田温泉 2001-4月)