ちょこっと千葉の湯「ながら温泉」ほか


(2013年11月10日)

日帰りであまりに近場をちょこっとだけなので旅行記ページではなくこちらで紹介します。小ネタまできちんとページを作るのはマメなのではなく、このサイトがTakema自身の備忘録(「あれ、あそこに行ったのいつだっけ?」−「サイト内検索」−「そうかあの時だったか(納得)」)という位置づけになっているからですので念のため(笑)。

さて、ここ数年のTakemaにとっては秋は鬼門というか一年で一番忙しい時期でもあり(ちなみに冬は比較的ヒマ)、お出かけ頻度もがくんと減るのです。あとはやっぱり中高年の域に入り込んでいる関係で「意地でも出かけるぞパワー」が減少しているのでしょうか(笑)。この週末は土日とも休みだったのですが土曜日は家でしこしこ拙サイト内旅行記カムチャッカ編を作っておりました(おかげでアップできました)。

でも日曜日まで家でダラダラしているのはあまりにナニだろうというわけで「さっさと行ってさっさと帰ってくる」ことにして、そうなると千葉ですね。以前からちょっと気になっていた長柄町の「ながら温泉」におしんこどんと行ってくることに(というわけでバイクじゃなくて車です)。ついでに「海辺で海鮮丼」という野望もあったのですがそちらは結果として玉砕しました(笑)。

さてそんなわけで家から約1時間(数kmの渋滞あり)で長柄町福祉センターに到着したのはほぼジャスト9:00。オープンと同時に‥と思っていたのですが、センターのオープンは9:00でも温泉は10:00からだったんですね失敗しました(ネット情報にも「温泉は10:00からなので注意」って書いてあったのに=注意不足)。

そんなわけで近くにあるJAの直売所で時間をつぶそうと思ったのですが、これがまた小さいお店でほんの数分でチェック終了。お米を買おうという野望もあったのですが30kgの大袋(玄米)と餅米しかなかったのでパス。その代わり自然薯ほかを購入。そう、千葉の半島部ってけっこう自然薯が特産なんです。ずっと昔木更津に勤めていたとき、現場部署勤務の人たちが休憩時間に敷地内の藪に入り込み、専用の器具で天然物の自然薯を掘っていたことを懐かしく思い出します。もう四半世紀も前のことで懐かしいですねぇ。

そんなふうにしみじみしているうちにも徐々に温泉オープン時間が近づいてきたので駐車場に戻りました(実際はかなり時間をもてあましていたんですが)。と、最初の到着時にはいなかった何台かの車がすでに止められています。

町民にとっては格安で入浴できる施設(町内:200円、町外:500円)ということで、こちらはかなり人気があるという話を聞いていましたので、浴室系画像を何とかゲットしたいTakemaとしては「いの一番で浴室に突入すること」が至上命題なのです(笑)。

ちなみに男湯サイドはともかくとして、女湯の入口には「OKが出たらすぐにでも入りますよ」系スタンバイをなさっている女性がおられました。実際はそこまでいれこんでいなかったようですが(おしんこどん談)、その姿をお見かけしたときには率直に「すごいなーその気合い」とお見受けしました(笑)。

館内に早めに入ったので実はすることがありません。と、無料の血圧測定器があったので計測してみることに。結果は‥そこに掲示してあったWHOの基準でいえば「ぎりぎり正常」でしたかね(笑)。あ、でも最低血圧が高いかも(以下記述自粛)。しかしそもそも血圧を測りたくなること自体が中高年の証です(大笑)。

そろそろかなーと思って入浴券を購入。でもこちらでは町内町外を問わずチケット購入だけでは入浴できません。すなわち「受付に置かれているノートに記名」しなければならないのです!さすが公共施設っ!

浴室入口に「営業中」という札が掛けられているのをほほえましく思いながらもまだ待ちます(つまりこの時はまだ営業していなかったのです)。そしてほぼ9:55ころだったか、受付窓口の中から静かな肉声で「入浴の方、準備ができましたのでお入り下さい」とのアナウンスが。

というわけでいざ脱衣場に入り「静かなバトル」を繰り広げるわけですが(いや自分以外の方々はさらさらそんな気はなかったと存じますが(笑))、すぐ上で何気なく「来たか長さん‥」の懐かしいフレーズを久々に使ったところで「ちなみにこの言い回しの原典って?」と思い調べてみたところ興味深い結果が出ましたのでここでお知らせいたします(雑学タイム)。

自分は「ドリフのいかりや長助とカトちゃんとのやりとりかな」と勝手に思っていたのですが(または長嶋茂雄さん絡みかなとも)、もっともっと出典は古く、何とかの文豪夏目漱石の小説「道草」にも登場する言い回しでもあるのです。
「どうも済みません。もっと早く来るはずだったが、生憎珍らしく客があったもんだから」「来たか長さん待ってたほい。冗談じゃないよ。使でも出そうかと思ってたところです」。比田は健三の兄に向ってこの位な気安い口調で話の出来る地位にあった。(以下略)」
したがって「道草」が執筆された1915年(大正4年)にはすでに人口に膾炙していた言い回しだということがわかります。で、さらに調べてみると、どうやら上州だか信州だかの地域民謡に端を発するようなのです。ネットサイトからの引用ですので原典を確認したわけではありませんが、

「碓氷峠の権現様よ、私が為には守り神、スイ、来たか長さん待ってたほい、お前ばかりが可愛うて、朝越なろかいなあ」
(「明治年間流行唄」1915年刊)
と、どうやら「長さん」は人名呼称ではなく「長く待ってたよ」の「長く」にあたる表現だったようなのです。へぇーなるほどねぇ、勉強になりました。

そんなわけで現実世界に戻りましょう(笑)。かのバトルなのですが、やはり「志を抱いた人間」ゆえ脱衣スピードを速めたことでまずは最初に浴室への入場を果たしました!ということでお約束! 



やっぱり全景画像だけは欲しいですからね(満漢全席みたいなもんです=全然関係ないって)。で、数枚撮ったところで「そろそろ後続の方々がお見えになるはず」と考えてお風呂セットにカメラをしまった約10秒後に後続第一号様がご入来。何とか間に合いました。

というわけで「入浴前の儀式」をきちんと済ませた上でいざ入浴です。し、しかし、こ、こ、これって!



こ、この湯はかなりいいですしびれます!黒湯の濃さは左上画像の湯足を見ていただくとわかると思いますが、黒湯の定番=洗面器での視覚検査(右上画像マウスオン)においても「かなりの濃さ」であることがよくわかります。

また予想外だったのが湯使いの良さです。源泉温度が18.3度しかないので加熱はしょうがないとして、循環もしている旨の掲示がありましたが、全景画像を見るとわかるとおり窓際のタイルまで湯が溢れており、その手前にレンガのようなブロックが2つ置かれています。その間に排水口があるわけですが、ここからは常時お湯が排出されています(この画像はまだ誰も入っていない状態での撮影なので間違いありません)。

浴槽内の吸い込み&噴出口は発見できませんでしたが(黒湯なので見えない)、まぁそれは間違いなくあるにしてもとってもマイルドな稼働でしょう。そしてこれは自分は気付かなかったのですが、おしんこどんによると「湯口からは熱い湯と冷たい水(鉱泉)が交互に出てたね」ということなのです。冷たい水って、真水であるはずもありませんから源泉がそのまま投入?だとしたらかなりお値打ち!ちなみに塩素臭は朝一番でも皆無(スバラシイ)。

湯温は40度くらいで長湯に最適。この日はここの温泉だけしか立ち寄るつもりもなかったので、しっかり髪も洗って(なおカランは水道水ですが)何度ものんびりと浸かりました。なお普段は明らかに先客さんありの場合はカメラを持ち込まない原則ポリシーのTakemaですが、この時は一番湯ということもあり最初の撮影後に他のお客さんが全員洗い場で「お仕事」をなさっている最中に浴槽内及びその周辺で上画像を撮ったことを申し添えます。

いやぁ皆さん長湯だわ、身体を洗ってあらためて湯に浸かるともう誰も動きません(笑)。というわけで左上画像の注意書きもわからないでもありませんね。でも加温湯なのですから、たとえば湯温をあと1度上げるだけでも長湯率はかなり減るのでは?でもあくまでこの湯温にこだわっているのでしょうね、「福祉センター」なのですから(健康のためにはぬるい湯に浸かる方がイイのです)。

このあと湯上がりに自販機でコーラを買ったら開栓とともにコーラが吹き出てホール床に溢れ散るというアクシデントもありましたが(大笑)雑巾で拭き清めて事なきを得ました。それにしても自販機で買っただけなのに近年珍しいパターンです。

さて、あとはもうどうでもいいというか神棚に飾る榊を買うことだけが必須なので、榊関係の販売が実はひそかに充実している大多喜の道の駅「たまゆらの里」を目指すばかりです(実はそのあと外房の大原を目指すつもりでした=海鮮丼目当て)。

しかしその道すがらの看板に「笠森観音あと○km」とあるのを見て「そういえばこの観音さまって結構有名なんだよな、行ってみる?」というわけでしばしの寄り道。さすがにお天気の日曜日ということもあり無料駐車場は満車状態でしたが少し待ってOK。ここからは坂道を歩いていきます。

整備された階段が続いており何の問題もない‥はずですが、何だかこのところおしんこどんにパワーがなくてゆっくりゆっくり。大丈夫かなぁ(おしんこどん、あなたはパプアニューギニアの最高峰Mt.ウィルヘルム4507mを元気に登った人なんですからね!)。

しかしこういう「胎内くぐり」があったりすると、こちらが何も言わないのに自ら率先してくぐっちゃうくらいですからまぁ大丈夫でしょう(左上画像マウスオン)。そんなわけでお寺の山門まであがってきました。境内に入ると‥



調べてみるとこのお寺の創建は784年らしいのですが、そびえ立つ堂宇(観音堂)は1595年までに「再建」されたものなのだとか。再建とはいえ十分な歴史を持っており、国の重要文化財にも指定されているそうなのです。上にあがるにはTakemaの嫌いな「拝観料」が必要なのですが、「1人100円」なのでまぁいいかと(案外ポリシーないのね)。

回廊のある最上部までのぼったところで拝観料を支払います。でもこの場合、拝観料というよりは「歴史的構造物の維持に関わる寄付」という意味合いが強いのかも知れません。というのも‥



堂内ではちょうど勤行が行われていましたが、内部は撮影禁止ということで真横から撮るだけにとどめました(左上画像)。お堂の中では「経文をざざーっと」系の、チベット仏教の「マニ車」の発想に類似した勤行が行われていましたが(これ以上詳しい説明は省略します)、どこでも人間の発想というのは同じなんだなぁと妙に納得。でもあのリズミカルさはどこかで聞いたような‥。あ、自衛隊「総火演」の「だんちゃぁーく‥いま!」と似てるのか(詳しくはこのページの動画の中に出てきます)。

紅葉にはまだまだ早い房総でしたが、いずれにせよここ笠森観音に行ったのはなかなかよかったかも。

さてこのあと大多喜の手前まで来たところでお蕎麦屋さん(専業じゃないようでしたが)があったので「まぁいいか」というわけでお昼ごはん。この時点で「大原まで行っての海鮮丼は面倒くさくなった」というTakemaの深層手抜き心理をお酌み取り下さい(笑)。

メニューを見ていると「生ゆばの刺身」に心惹かれるじゃないですか!このお店の手作りじゃなくてこの近隣にある専門店のものを使用しているそうですが、530円とは格安!(日光とかだったらどうなんだろうと某グルメサイトをあたってみたらとあるお店のメニューに「生ゆばのおさしみ:1300円」とありました。まぁあちらは観光地だし有名だし)。

左上画像がこちらのお店の「生ゆば刺身」です。何だか「切って出しただけ」感もありますが、やっぱりこれで530円はお値打ちです(冷蔵庫で保存していたのか最初はやや冷たい感も感じましたが)。添え物にワカメおよび柚子のスライスが添えられているのもヨロシイ!

中央上画像は「ははぁ鴨せいろですね」と思うかもしれませんがさにあらず、「生牡蠣せいろ」です。熱いつゆにさっと湯通しされた生牡蠣が5つ入っていました(中央上画像マウスオンで拡大)。好みは分かれるかも知れませんが、まぁこれもありかなと。天せいろはこの海老高めのご時世にちゃんと2尾が入っていたのでよし(笑)。でも、肝心のお蕎麦は何だかしゃっきりこなかったんですけれどね(悪くはないんですが)。

そんなわけでこのあとは道の駅でかねての目的である「本榊の大枝」、そして大多喜米5kgを買い込み、ついでに併設の食堂で「一刻を争う」賄い系ドリンク300円を購入してその場で食べ飲みました(謎)。

で、あとは帰るのみ!ちょっとだけ渋滞していましたが15:00過ぎに帰着。なおこの数時間後、館山道や千葉東金道路、そしてボトルネックたる京葉道路がとてつもない渋滞になったのはいうまでもありませんでした(渋滞情報を逐一チェックしてましたからね=性格悪)。

そんなわけで「ながら温泉はなかなかどうしてわるくない!」という結論。たぶんこれからも行きますよ。

[戻る]