口永良部島の温泉状況その他  

屋久島まで行く人はそれなりに多くても、そこからさらに町営フェリーで渡ったところにある口永良部島まで足をのばしたことのある人は少ないのではないでしょうか。フェリーは一日一便のみ(それでも2年前に新しい連絡船「フェリー太陽」に変わったばかりで、快適な船の旅です)。人口は160人か170人、そのほとんどがフェリーの着く本村に住んでいて、湯向地区の人口は僅か12人とか。村を歩いている人の多くはご老人で、あと10年、20年後が心配になります。でもその一方で本村の小学校では山村留学で都会から来ている小学生もいると言うことで、その子供達の心の中にはいつまでもこの島が生き続けていくんだろうなあと思うと嬉しくもなります。


屋久島からのフェリーは、曜日にもよりますが朝の出港なので、前日は宮之浦に泊まっておくと何かとあたふたしなくていいです。で、この「フェリー太陽」号、乗ったのが就航直後ということもあるけれど、えらく立派です。いわゆる雑魚寝の2等客室の他、展望ラウンジ(どでもいえばいいのか)、地下には自販機&衛星放送のTV(ソファに腰掛けてタバコ吸いながら見られる。そこは喫煙エリアでもあるので。)まである。とても2時間足らずの船の設備とは思えない(しかも町営)立派さ。ただし、ちょっとのぞいてみた1等船室は、「どうしてこれが1等なんだろう?」と悩んでしまったけれど。一緒に乗り合わせたNTTの人たちはこの新しい船についての快適さと、先代の「第2太陽丸」時代の苦しみをとうとうと語ってくれました。
さて、いきなり思い立ってこの島に来るとなかなか大変なことになります。小さな島とはいえ本村以外の場所に行くのにはどうしても交通手段が必要です。しかしバスなんかあるわけでもないし、もしMTBなんか持ってきてみても、平地のないこの島ではほとんど使い物になりません。自分(達)の時は民宿を予約するときに(2週間以上前)「車を借りられませんか?」と無理にお願いし、軽のワンボックスを借りることが出来たので問題はなかったのですが、こうする以外に方法はなさそうです。
(1) 西之湯温泉
さて、まずは港から一番近い、とはいっても島の反対側なのでやはり峠を越えていくのですが、「西の湯」です。ここは海辺の半露天風呂で(屋根はあるが室内風呂ではない)、海の干満によって湯のたまり具合が違うそうです。自分たちが行ったときは大分干潮気味の時だったため、写真のようにかなり湯量も少な目でしたが、満潮の時はうしろのオレンジの部分いっぱいまで湯がたまるんでしょうね。それでも温度が熱いとかぬるいとかいうことはなくなかなか適温(どちらかといえば熱め。でもそんなときのために水の蛇口もありますからうめれば大丈夫。)。一緒に来た女の子達のために見張り番しながら見る海もなかなか豪快で、とてもいい風呂です。
協力金として確か200円を入れるボックスがありましたので念のため。
(2) 寝待温泉
ここは明らかに車でもないと来られませんね。ヒッチという手もないわけではないし、島の人は親切だから乗せてはくれるだろうけれど、それにしても車の絶対通行量があまりにも少ないので、なかなかうまくはいきますまい。この島にYHを作ろうと頑張っていらっしゃる人がいるはずですが、YH完成の暁には何とかしてくれるかも知れませんがねえ。メイン村道(この島の主要道路は基本的に全てコンクリート舗装されています)から急な下り道を下りに下り、行き着いた終点からはさらに急な歩道を一気に下って海岸沿いまで降りてきます。ここには集落がありますが、皆村内及び村に関係を持つ人たち所有の湯治小屋で、自分たちが行ったときには2軒だけ人がいましたがあとは無人のようでした。さて、お風呂はそれら家々を通り抜けた海岸沿いにあります。お湯は乳白色で硫黄泉。なかなかに熱い。他にお客さんもいなかったので、ひたすらのんびりします。湯疲れしそうになる頃風呂から上がって、火照った身体をこの風呂場の建物の屋根というか屋上で冷やす心地は何とも捨てがたい 。ついでにここで持参のカップラーメン食べてました。何たってこの島には食堂がない、いや、ないわけではないけれど本村まで行かなければならないから。遠くには三島村や、おそらく開聞岳らしき山も見えました。混んでいたらこうはいかなかっただろうけれど、ほんとうにここは落ち着けます。ちなみにすぐ近くには干潮時のみ入れるという風呂もあるということでしたが、折悪しく満潮。入りに来る順番、西之湯と間違えたなあ。なお、湯治小屋にいらした方とお話させていただくうちに、いつのまにか我々はお部屋にあげてもらい、鹿肉などをごちそうになりました。大変ごちそうさまでした。
(3) 湯向温泉
男女別の完璧な温泉浴場。とはいっても集落の全人口が12人で、宿は自分たちの泊まった民宿1軒だけだから混んでいるはずはないけれど立派な建物です。確か宝くじだかなんだかの資金援助のもとに作られたとかいうことでした。湯もタイル張りで、透明な湯なのですが白い湯の華がたくさん浮いてきます。こういう温泉もめずらしいなあと思いながらゆっくりと身体を洗い、広い湯船に身体を沈めると、何だか自分がどこにいるんだかわからなくなってきます。ここがまさか口永良部の小さな集落なんて・・
翌朝もう1回入りましたが、さすがに誰も入っている人はなく、心から堪能しました。いろいろな意味で。
バカ話で恐縮ですが、この朝(おりしも時は12月25日!)、港の防波堤の先端で一緒に来ていた女の子にふられました。ふられる原因はこちらにあるのだろうと思ったので、やむを得ないことなんだろうとも思いましたが、それにしてもあの朝の気持ちは複雑だったな(苦笑)。そんな思い出も何もかも全部含めて、口永良部には一種特別の思いが残っています。思い立ってすぐに行けるところでもないけれど、是非再訪したい島の一つです。




その他・・ 
「その他」といっても、この島にはただ温泉入りに来ただけだからあまりえらそうなことは言えないんですが、気づいたことを一つ二つほど。
A 「岩屋泊」にも行ってみては?
「岩屋泊」とは、島の北西部、今では人も住んでいない集落跡なんですが、とても綺麗な海が広がっており、ドライブコースとしてはいいかも知れません。なお、自分たちはしませんでしたが、この島は釣りのメッカ。かなりの大物が期待できそうなので釣り師の方はどうぞ。実際、観光客の多くは釣り人のようです。
B 食堂事情
上でも書きましたが、昼飯は宿でお弁当を用意してもらうか、あらかじめパンか何かを入手しておく他はありません。本村には唯一(だろう)ラーメン屋らしき不思議な店がありましたが、確か休みだったような・・(本村地区の手書き地図によると「居酒屋 えらぶうし」とあるので、昼はやっていないのかも知れない)。自分たちは本村でカップラーメンを仕入れておきましたが、これとて山用のガスコンロを持っていたから出来ることであって、そうでない場合は本村の売店を目指しましょう。
C なお、口永良部島についてもっときちんと知りたい方は、大変詳しいHPがありましたので、こちらhttp://www2.justnet.ne.jp/~daiyu/にアクセスされてはいかがでしょうか。

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