早朝、気球たちがそれこそ風任せでどこかに飛び去ってしまうと、会場周辺は急にゆったりした雰囲気になる。会場には売店や模擬店がありそれなりに賑わってはいるし、何とかお客さんを引き留めようと各種イベントなども開催されてはいるのだが、全体の規模が大きいこともあって「盛り上がってるぜ〜ベイビー、イェーイ!」といった感じでは全くなく、「農村祭り、ぼちぼちやってまぁ〜す、良かったら来てね」というようなもんである。Takemaたちは、天気もいいのでちょっとぶらっと走ってくることにした。

 


今日は天気がいい。ナイタイ高原牧場はちょっと行ってすぐ帰ってこられるいい感じの牧場だ。去年まで工事していた新しい道も今年から使えるようになっていて、高速カーブでスカイラインを眺めながらどんどんと高度を上げていく。こんなところが関東周辺にあったら押すな押すなの大混雑スポットになるところだが、相変わらず知名度は今ひとつなのか駐車場はがらがらである。

そのあとは糠平湖を目指して走る。手前にある糠平電力館は電力会社のPR館なのであるが、いつ行っても常にガラガラ。パソコンを使ったクイズなんかもあって、暇つぶしには最高。係の人もよほど暇なのか、行ったときには自分の車を洗車していたぞ。ウチらが着いたもんだから急にお仕事モードに戻られたようでしたが(笑)。

続いて旧士幌線の記念館へ。
ここに行ったのは初めて。有料だとは知らなかったが、かつての路線を運転席から撮ったビデオが延々と流されていて結構好きだった。そういえば自分も電車の運転席うしろから前を見るのが好きだったなあ。「電車でGO!」はやったことがないけれど、結構ハマるタイプかもしれない。

そうそう、自慢ネタを一つ。「運転席から前を見る」といえば、わたくし、ボーイング747ジャンボジェットのコックピットにいたまま成田空港に着陸したことがあります。運転手さん、いや違った、機長の粋な計らいで着陸の瞬間を見せてもらえたからなのですが、あんな経験はもう二度とないんだろうなあ。

いかん、話がそれた(^_^;)。

 


この記念館は旧糠平駅の跡地にある。したがってあたりは広い線路跡の原っぱになっているのだが、その原っぱに、ルピナスの花がいっぱい。いや、花はとうの昔に終わっていて、今はまさに種がはじけるかはじけないかの、「種を取るには」絶好の時期を迎えていたのだった。種取りには目のないおしんこどんと共にしばし無言の「収穫」。そんな我々を、遙か向こう、草に埋もれた腕木式信号機があきれたように見つめていた。

ふと気づくと、一匹の蝶がTakemaの手に止まった。ありふれた、北海道ならどこにでもいる感じの蝶だが、彼はなぜか止まったまま逃げようとしない。追い払おうとしても飛び立とうともせず、しきりに口を指の股のあたりに伸ばして何かを吸おうとしている。彼らが欲しいのは花の蜜のはずだが、こいつはなぜかTakemaの汗に含まれる塩分でも摂取しようとしているかのようだ。レンゲの花を彼のすぐ前にセッティングしてやっても見向きもしない。変わったやつもいるものだな、と、ちょっと嬉しくなる。



今日もなかなかに暑い。糠平温泉で風呂にはいるのも良かったが、入る気にならぬほど暑い。幌加温泉の露天風呂をチェックし、十勝三股あたりでちょうど昼近くなったので、三股山荘でちょっくらランチとする。畑のランチと、名前は忘れてしまったが牛のステーキ丼みたいのを頼んだが、このステーキ丼が絶品。三股に行ったら是非お頼み下さい。もっとも糠平から層雲峡まで、峠の売店を除けば食事をとれるのはここしかありませんが。食事を終え、旧十勝三股駅あたりをうろうろすると、ツーリングマップルに「おっぱい山と呼ばれている」と書かれている西クマネシリ岳(1636m)がよく見えた。うーん、リアルだ(笑)。



このあと層雲峡側に下りて、大函だけ見学する。実はおしんこどんの「層雲峡に行きたい」というリクエストにお答えしてここまで来たのだが、なぜかここで折り返してしまい、あとで「なんで行かなかったの」と怒られたTakemaなのでありました。確かに言われればそうなんだけれど…

さて、誰もいない旧大函トンネルの中に入って写真を撮ったら、フラッシュをたくのを忘れてこのようなおまぬけ写真ができあがり。このあとは然別湖経由で帰路についたのでありました。さ、今晩は熱気球がライトアップする「バルーングロー」だ。初めてみるTakema&おしんこどん。どんなもんなんでしょ。