ホロカ温泉旅館のご主人、ありがとうございました。おかげで湯ったりできました。
さて、いよいよ最終日。朝一番で露天風呂に行った時(前ページ)にも雨の気配はなかったので、今日も雨具を着ないで行けそうな気になってます。玄関前で地道に方向転換を行い(かなり小刻みに何度も)、ようやくこのように記念撮影。「いやぁ、私はいいよぉ」とおっしゃるご主人、いつまでもこの宿を続けてくださいね。また来ます。あ〜良かったなぁ。
というわけで、一気に苫小牧を目指して!
というわけにはいきませんでした(笑)。昨日三股山荘で旧士幌線の話をしていたことから、今日はせめて「旧幌加駅」の駅跡を訪ねようということにしていたのです。ちなみに三股山荘には廃線当日の日付入り(もちろんその日のために作られたものらしい。S53.12.24、うわ、クリスマスイブだ)のスタンプが大切に保管されています。押印もさせてもらえます。ついでに「十勝三股駅長」のハンコも残されています。糠平には立派な鉄道記念館(ビデオまである)がありますが、当時のものがそのまま残っているのもいいですねぇ。
さて、幌加除雪ステーションの裏手にある旧幌加駅へ。
ここが幌加駅の跡でした。士幌線は帯広〜十勝三股の間を結んでいた鉄道ですが、昭和53年には糠平〜十勝三股間が鉄道廃止、バス代行輸送になりました。そして残りの区間もおって廃止になったわけですね。自分が小学生の頃鉄道ファンだった時には「北海道=網の目のような鉄道」を印象づけられたものですが(当時は、『○○線でSL運行廃止!』というのが鉄道雑誌のメインニュースでした)、いつの間にか道内の鉄道そのものがほとんどなくなってしまってからもう随分たつんですね。今でも道内には、「開通させるつもりで工事したにもかかわらず工事中止になってそのままほったらかし」という建造物が結構多く見られます。美幸線の未開通ルートあたりは、それこそ立派な盛り土やピカピカコンクリ土台が印象的でした。10年近く行っていませんが、どうなっているのかなぁ。
いかん、話がそれた。
現在この旧幌加駅周辺に家を構えている人は一人もいません。終点十勝三股も一世帯なのですから、まぁ今となっては「鉄道廃止は当然」といわれても仕方ないことなのかもしれません。往時ここを多くの学生や働く人やらが毎日移動していたとは全く想像できないのが現状です。すぐ脇の国道を、今でこそ観光バスやトラックや自家用車、そしてオンロードバイクもすいすい通っていますが、自分がダートの三国峠を越えていたときは(それも400ccオンロードバイクで何度も)ここ幌加や三股は「秘境」のように感じられたことを思い出します。今から10年前でも、ここは行き止まりの地だったのです。
また話がそれたなぁ。
旧幌加駅は、列車の入れ替えが出来るように(または除雪車の待機場かも)複線化されていたようです。おしんこどんは廃止後20数年の時の流れを戻すべく、構内のポイントを切り返そうとします。しかし、それは時の流れを押し戻すことと同じくらい不可能だったわけですね(笑)。
しかしふと不思議に思ったのは、上の写真のように、駅構内の「肝心な部分」はしっかりと除草されているというところ。前ページの雄別鉱山廃鉱(S45ころ)からたかが8年後の廃線なのに「レールが見える」なんてことは本来あり得ません。それは当然、「地元の方」が「毎年草刈りをなさっている(しかも20年以上!)」ということに他なりません。わが集落の鉄道廃止に無念があったとしても、それは年とともに薄れていくだろう感情です。とすればそこにあるのは、「ここに鉄道があったことを、初めてここを訪れた人にも知って欲しい」という意識なのでしょうか。
糠平湖をはさんで反対側には、かつて(戦前)に使われていた古い鉄道ルートのアーチ橋が今も残されています。この糠平湖は人造湖、ダムに沈む鉄道線路は新たに付け替えられ、その新たな線路も今は朽ち果てていくばかり‥。栄枯盛衰などということばではわらせたくない、何か違うものを感じてしまいます。
さて、夕方のフェリーに乗るためにはそろそろスパートしなきゃいけません。然別湖でしばし休憩したあとは一気に日勝峠を越えて日高町まで(峠はややガスっていたが日高町まで降りてきたら快晴で暑い!)。ここで蕎麦を食べてから二風谷方面へ。振内まで来たところでちょっと休憩がてら「旧振内駅」に立ち寄ってみたら、そこには蒸気機関車(静態保存)と客車(ライダーハウス)がありました。
あれまぁこんなところに蒸気機関車があるとは知りませんでした。ライダーハウス、中はきれいに整えられていたけれど、シーズン以外はどうなっているのかなあなどとふと不安にも思っちゃいましたが、こういうところは利用者が減るとすぐ閉鎖されちゃいそうですから、皆さん是非利用してくださいね。もっとも自分はまだライダーハウス利用歴ゼロなんですけど。
さぁってホントのラストスパート!と言いたいところですが、どんどん苫小牧市内に向かっていくのですから車の数も増え、なかなか思うようにはいきません。うー、懐かしくて涙が出ます釧路便。夏だけでもどこかの会社が運行しないかなぁ。
というわけで、Takema&おしんこどんの夏@北の大地編2002、これにて終了です。来年はどこへいくのやら。