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はっきり言ってえらそうです。でも思ってしまうのだ。

1999春、ゆっくりと、でも駆け足でまわってきたNZ。そこで出会った、話をした現役ワーキングホリデーも、話はしなかったけれどとりあえず「どう見てもWHだ!」という感じの人も含めて、今のワーホリの方に対して思ったこと、また、今後WHを目指そうという方へのえっらそうなアドバイスも含めて書いてみようと思います。もちろん、WHの過ごし方は10人いれば10通りのやり方があるわけで、単純に「これが王道!」なんてものがないのは承知の上です。したがって多分に主観が入っています。ま、「新橋ガード下午後11:30、舌回ってないんだけれどとりあえず酔った勢いで言ってるオヤジのたわごとくらいの感じで読んでもらえると嬉しいな。
1999はバイクツーリングを目的に来たため、ヘルメットその他の余計な装備が多く、テント持っていくのは断念しました。したがってキャンプ場ではなくバックパッカーズやYHを利用したわけです。中途半端な時期(3月下旬。卒業旅行の学生はもういないし、かといって社会人は年度末ってことでいるはずもない)だということで、「日本人はあんまりいないかなあ」と思っていたのですが、あにはからんやほとんどどこの宿行っても必ず日本人がいる。で、皆さんWHなんですね。別にWHの方が居ちゃいけないって法はないし、それについてこちらがとやかく言いたいわけでもないんですが、そのうちの何人かの方が「えっ10年前のWHなんですか。いいなあ。その頃は人数も随分少なかったんですってね。今なんかどこ行ってもWHだらけですよ。」と言うのを聞いてはたと思ったことがあります。
(1) なんだか横のつながりに依存しているWHメーカーが増えた気がする。

人数が多ければそれだけ同じ立場の人間に出合う機会も増えるし、同じ穴のなんとかとしての情報ネットワークも緻密になるのは確かです。でも、そういう情報ってことWHに関していえば果たして必要不可欠なんだろうかって気がします。「バイクで日本一周」なんて人たちにもいえることだけれど、WHのほぼ全ての人たちは、それまでの日本でのしがらみやなにかを一切合切捨てて来ている、いわば「自分を試しに来ている」部分が大きいというのは今も変わることのないことだと思います。でも、せっかく「自分を試しに来ている」のに、そこで自分だけの力で何とかやっていくのではなく、情報の力を借りてうまく世(NZ)を渡っていくとしたら、それだったら別にわざわざNZくんだりまで来る必要ってあるんだろうかって気がしてしまいます。「明日なんとしても自分の力で仕事を見つけてやる!」といういわば背水の陣の中で何とか生きていく、あの快感(癖になるんだけどね)こそがWHの醍醐味だと信じて疑わないTakemaとしては何だか「えっ?」という気もしてしまいます。そういう意味では、一概にいけないとは思わないけれど、出会うWH100%がメールアドレスを持っていたのも(ほとんどみんな「hotmail.com」だったなあ)、時代が違うとはいえ驚きでした。そこで例えば仕事探しの情報収集しているとしたら、偏見と思って下さって結構ですが「それはないんじゃない?」と、つい思ってしまいます。また、WHをサポートする色々な会社(なんだろうな)に所属して、そこに自分の荷物を預けたりできるとか、いろいろ便利な機構もあるようですが、そういうのばかりに頼るっていうのもどうなのかなぁ。せっかく来たんだから、一人で何とかやっていきましょうよ。親にも頼らず(頼れず)、ネットにも、人脈にも頼らず、心おきなく自分を試せる機会なんて滅多にあるわけじゃないんですから。
(2) (1)のおまけ。

今回の旅行でも、WH同士のカップルに何組か出会いました(出会った人たち、読んで怒るかも知れないけれどあくまでTakemaの主観だから許してね)。多分にやっかみがあったことは決して否定しませんが、でも、日本出国時からカップルだったのならいざ知らず、こっち来たのならいる間だけは一人で生きて欲しいなあって気はしました。上でも似たようなこと書いたけれど、相手なら日本戻ってからもつかまえられる。カップルになってしまえば、どうしても相手に気を遣うし、また、相手に頼ってしまうこともありますよね。恋人見つけることがWHのもともとの目的じゃないのなら(それが目的なら実に結構なんでしょうからとやかくはいいませんが)、「同病?相哀れむ」じゃなくて、自分だけで自分を試してよって思いました。一組二組の数じゃなかったし。同じことが、聞いた話だから本当かどうかわからんけれど、Chchにあるという「Kiwi House」とやらにも言えます。そんな、日本人専用フラットに住んでどうするの!しかも部屋が空くのを順番待ちなんかして!もっともっと自分で田舎でも行って、自分一人で仕事探してみなよ!(いくら人数が増えたからといって、NZ全土に日本人があふれてるわけでもないでしょう)。何だか人数の増加とともに、フロンティア精神のない人も増えたような気がするのですがどうなのでしょうか。もちろん昔だってそういう人はいたけどね。
(3) 車の所有について。

これは別に苦言でもなんでもないんだけれど、車持ちのWH、増えましたねーっ。下手したら5人に1人くらいは持ってるんじゃないの?自分が持っていたから言うわけではないですが、賢明な選択ではないかと思います(自分のWH体験の中でも書きましたが)。あとは使い道ですよね。はっきり言って、どこか、特に都市に定住するのならそんなに必要なものではありませんし、万が一事故でも起こそうものなら一生を棒に振ることになりまねません(わたしの知り合った人も、ハーバーブリッジ上で大事故を起こし、同乗者を死なせてしまったという悲惨なことがありました)。でも、地方を回りながら仕事を探そうというのなら、または旅行をメインにしてしまうのならあるに越したことはないはずです。1999に出会った人の中で特筆すべきは、フォードの1977年型に乗っていた男性。「車があれば、国道以外の細い道にもどんどん入っていけるじゃないですか。そういうところに何かがある気がして、ついつい奥の方ばかり入っちゃうんですよねえ」。で、彼の話を聞くとかなり面白い体験がたくさんあって、聞きながら「あーっ、この人はいい体験していてうらやましいなあ」と心底思っちゃいました。ところで、1989のTakemaも1977年式Mazda323だったわけで、ということは、この人のフォード、22年前の車か。よく買ったなあと、つい思ってしまいました。でも調子はまあまあだと言うし、「アタリ」の車だったのかもかもしれない(100km以上は出ないと言ってたけれど、それこそ80才のおじいさんに400mトラック全速力で走らせるようなもので、そこまで望むべきではないのですが)。ハズレに当たると修理費だけで車両購入価格を超えちゃいますから注意してね。なお、しつこいようですが事故にはくれぐれもお気をつけください。任意保険に加入することもお忘れなく。
(4) WHの過ごし方に幅が出来た。

これはTakemaのWHが妙に「とにかく1年なんとか生きてやるっ!」にこだわりすぎてたから思うのかも知れないけれど、たとえば「いい波を求めてNZの浜をサーフィンしてる」なんていうように、あまり肩張らずにやってる人にも出会いました。たぶん今後のWHはこんな感じの、俺はマイペースでいくぜ派の人と、都市に生きながら日本人同士で「やってらんないよな、おいところで、今日一緒に飲みに行こうぜ」と日本人同士で固まる派の2種類に収斂していくのだろうけれど、何だかサーフィンの彼を見て、逆に「すごいなあ」なんて思ってしまいました。都市にしがみつくWHはちょっと考えてよ!あくまでWHなんだから何あったっていいじゃない!あと、国道沿いにある、例えば川沿いのレストエリアに車を停めて「ここで泳ごうと思って(わかる人はわかると思いますが、NZの川の水はとっても冷たい)」なんて感じで旅行を楽しめるWHの人も「いいなあー」と素直にうらやましく思ってしまいます(「つめてぇ〜!」と叫びながらもむちゃくちゃ楽しそうだったぞ)。それぞれの生き方でやっていけたら最高です。日本でも出来るような、否、日本の生活の延長上でしか物事を考えられない人は、かえって日本で頑張った方がいいんじゃないかなと、つい思ってしまいます。というか、そういうやつは日本でも使えない(断)。
(5) NZワーホリを考えている人へ。

ワーホリはNZしか知りませんので他国のことはわかりませんが、出発前に少しでも不安を解決しておこうと必要以上に考えるべきではないと思います。「英語が出来ないし、そうするのがいいと本にも書いてある」からといって、英語学校に通うのが必須であるわけもありません(個人的には英語学校でその土地や他の日本人とのしがらみが形成されてしまうという点ではマイナスポイントも大きいと思います)。学校なんぞ行かなくてもなんとかなるものです(なりました)。不安や冒険心を持って臨んだほうが、結果的には充実した日々を過ごせる可能性も高いんじゃないかと思います。特に、男の場合は安全志向にならず、多少強引に、準備不足のまま行っちゃう方がいいんじゃないですか?また、仕事探しも、確かに都市ならそれなりに仕事にありつける可能性も高いとは思いますが、そこで得られる仕事が「日本じゃできそうにない仕事」のほうが、やりがいがあるはずです(困難もあるけれど)。WHの人数は確かに増えたかも知れませんが、そんな中でどう生きるかまで決められてしまっているわけではありません。NZくんだりまで来て横並びの行動をとる意味はないはず。大胆に、ポジティブに考えて行動すればきっと自分なりに「良かったなあ」と思える(例えそれが自己満足だっていいじゃない!)経験が出来る国、それがNZだと思います。いってらっしゃい!

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