国道を一歩はずれた海沿いの道には誰もいない。さすが平日おそるべし。河津の桜も満開だ。
(2001/3/8)
3/6、突然明後日が休みだということを知る。とはいっても自分がたまたま気付いていなかっただけなのだが、とにもかくにも週のど真ん中にぽっかりと、離れ小島のように浮かぶ休みというのはいいもんであることに変わりはない。平日ゆえおしんこどん@妻には用事があり、暇なのはTakemaひとり。さてどうするかだ。
ちょっと前から気になっていた場所があった。東伊豆の無料露天風呂の存在だ。北川温泉の黒根岩風呂には以前に行ったことがあるが、どうやらそこ以外にも海岸沿いの露天風呂、しかも無料の場所が2ヶ所もあるというのだ。ニュースソースは、どう見ても読者ターゲットを30代後半に設定しているとは思えない「ジパングツーリング」。温泉の写真には必ずや?きわどい画像がどこかに紛れているともっぱらの評判のあの雑誌だ(知らない人には何いってるかわかりませんね。すみません)。この時期の伊豆は、早春の香りを求めるとかでそれなりの人出があるはずだが、なんたってこの日は木曜日。じぇったい空いているに違いないのだ。そう思ったら、もう目的地は決まった。行くか!
このような一大決心をした割に、当日朝の出発はいつもの出勤時間と同じ。やる気の度合いがばれてしまう。だって寒いんだもん。それに千葉県から伊豆は結構遠い。これまであまり伊豆に行ったことがなかったのも、わざわざ都心を経由して往復せにゃならぬというのを敬遠してのことだった。まあとにかく湾岸経由で首都高速、同神奈川線、東名高速、小田原厚木、西湘バイパス、真鶴道路、ビーチラインと乗り継ぐ。わかっちゃいるとはいえ、なんなんだこの有料道路のオンパレードは!58000円のハイカがあるからいちいち金を出すたびに腹を立てたわけではないが、真綿で首を絞められているような気分になる。これで渋滞でもしていようものなら「ちょっと待て日本の道路行政っ!」とぶち切れたりするところだが、さすがに横浜を越えれば車は少ない。ビーチラインでは最初から最後まで完全にソロでのんびりと走れたんでまあよしとしよう。
さて、最初の目的地、赤沢温泉とやらに到着。近くのGSのおばちゃんは、「あそこかい、あそこは露天風呂っていうよりはお湯のたまり場という感じでねえ、中はコケでぬるぬるしてるよぉ」ということで、そのスタンドから少し先の海岸に「露天風呂」と大書された温泉を紹介してもくれたのだが、ここまで来て、そこに入ってさぁおしまいよというのではあまりにC/Pの割に合わないツーリングになってしまうと思い、初心通り赤沢に来たのだ。で、風呂を見てみると…。
景色は絶好だ。正面は海、左手は砂浜。背後には生垣があるので国道からは全く見えない。ただ、砂浜にいる人からは丸見えだけれど、まあそれは仕方がないね。湯船はコケがという話だったが、掃除がなされているのか、ヌルヌル感は皆無。数枚の落ち葉が紛れ込んではいたが、それとて趣を害するもんじゃない。お湯はほんの少しぬるいくらいでちょうどいい。もっともこの日はそれなりに暖かくもあったので、真冬、風がピューピューの日はちとぬるく感じるかもしれない。とにかく、ここ数時間誰も入った形跡もない湯船に足を沈めてまったりと過ごす。ビール飲み物を持参しなかったのは失敗だったが、まぁいいっしょ。
自分が湯船の横で素っ裸になり始めたときは、海岸に30代前半とおぼしきお母さんと小さな子が遊んでいた。
うーむ、おかあさん、結構ちらちらこっち見てたぞ。まあ細部の造作まではわからんだろうが(笑)。
さすが平日、だぁれも来ない。赤沢の集落の中を「北海道、十勝から直送の牛乳はいかがですかぁ」と、巡回販売車がスピーカーで呼びかけつつ回っていく音が聞こえる。何で十勝からここまでそんなの売りに来るんだ、しかも牛乳単品で勝負するっていうのも勇気あるよな、もと取れるのかな、それにしても雪印の件以降、北海道の牛乳も大変だよな、あ、何だか四つ葉牛乳飲みたくなってきたな、などとくだらぬ妄想にふけりつつへらへらと湯船に浸かり続けるTakemaなのであった。お湯は湯船の下の方から気泡とともに結構勢いよく噴き出している。休日はともかく、平日のここは結構狙い目だなぁ。