(その2)

さて、登り40分で到達してしまうような山、しかも標高も300m少しに過ぎないわけですから好展望などは望めそうにないと思ったら大間違いです。頂上は南側の展望が開けているのですが、そこから見えるのは山、また山。信じられないことかもしれませんが、南側に人工物はほとんど見えません(上の写真)。

南西側に目をやると東京湾が望め、その向こうに横須賀や久里浜の煙突群を遠望することが出来ますし、もう少し西側には富士山も!(この日はもやが多めだったため見えませんでしたが)。

北西側にはマザー牧場などの建物が見えますが、そんなの無理に見なくてもいいって(笑)。この日は風もほとんどなくて、貸し切り状態の頂上でひなたぼっこをしながら食べるお弁当はなかなかいい気分です(休日はそれなりに混みます)。

あ、そういえばこの頂上から眺められるものがもう一つありました。

そう、飛行機です。この高宕山周辺は、羽田空港に向かう国内線の進入ルート直下にあたりますから、居ながらにして、南の方からどんどん飛行機が進入してくるのを眺めることが出来ます。これまたひなたぼっこの暇つぶしには絶好と言えるかもしれません。

さて、別のハイカーが登って来られたため、ベストポジションを明け渡すことにいたしましょ。下山開始です。とはいってもまっすぐただ戻るだけじゃ面白くないので、頂上から見えた目標物目指してちょっと寄り道をしてみることに。実はすぐ近くの山の上方に赤い屋根が見えていたのです。指導標には「高宕観音→」と出ていましたから、おそらくその観音堂のはず、よく知らないけれど(笑)。

頂上からしばらく下った分岐点から歩くことたったの約5分、突然、岩をくりぬいたトンネルに行きあたりました。

さすが砂岩質、いざとなればこんなトンネルまで掘ることが出来てしまうというのが驚きです。そして「トンネルを抜けると‥」

目指す観音堂に到着です。建物は岩から半分突き出るような形で建っていて、無人とはいえ比較的きれいに保たれています(まぁ、バカ者はわざわざいたづらをするために山道を登って来たりしないということなのでしょう)。お堂の中から見る房総の山並みは、ある種時が止まっているような錯覚を覚えさせてくれました。

再びゆっくりと下り始めます。傾き始めた太陽に杉木立も大きく影をのばし始めました。このあとわれわれが市川の家に戻ったのは夕方頃。何とも身近なお散歩コースでした。

なお、往復ルート以外にも周回コースを選ぶことも出来、その場合は下り道に別のルート(八良塚経由で林道に降りる尾根道)を通ることになります。ずっと昔に歩いたことがありますが、思っていたより長くてキツかったです(笑)。往復タイムが1時間と少しでは物足りないと思われる方はそちらのほうもご検討を。但しひざが笑います(爆)。

[戻る]