− その10 川原でお風呂手作り大作戦と新五郎の湯(2) −

さて午前5時。アラームがピピピピピとその時を告げます。デジタルって寝坊しないのね(何のこっちゃ)。起こされたばかりということもあって「やめちゃおうか」的へたれ心理にもなりましたが、天気はばりばりの快晴だし、何たってここで一時の劣情(「眠い」ってのは劣情なのかいな)に負けては、後で絶対に後悔する!というわけでいざ出陣です。通りに人の姿は全くなく、なぜだか昨日の夕方よりも気温が高い感じ。というわけで「いざ全身入浴!」を目指すべく川原の湯っこに行ってみたわけですが‥。



すっかり湯が減ってしまった湯田麻理(お約束的表現ですな)。

川の水量が少なくなっているのはわかります。気温が低くなる夜の間は上流の雪解けも滞るわけですからね。でも、まさかその水位低下に合わせてお湯の湧出位置まで変わるとは思いもしませんでした。わずかに残された湯だまりに手を入れてみると、「‥冷たい(T_T;)」。ああ昨日の苦労、あそこまで湯船を広げ、深く掘り下げたあの努力は何だったんでしょうか!

しかしそ文句をたらたらと言い続けても仕方ありません。幸い水位低下により、昨日は完全に水面下だったあたりに新たな「有望箇所」がありました。となれば目指すは「急いで新湯船を掘っちゃれっ!」。というわけで急遽作ったのがこちらというわけです。



急いで掘ったこともあり、やっぱりちょっと浅いですねぇ。



だって、昨日掘った穴は、まるで噴火口のように深いんですから!



実際の深さはこんなもんだったりします、はい。

でもまぁ!これでも「川原の湯っこ」一浴には違いありません。まずは懸案解決というわけですね。しかし、宿に戻ってみたら内湯が「朝の清掃中ですからちょいと待っててね」モードになっていたのはちょっと悲しかったです。というわけで、身体に付いた土というか砂を落とすタイミングを失ったまま朝食に臨んだTakemaでありました(大笑)。

朝食後若旦那にこの朝のてんまつを話し、ついでに「聞いた話では、こちら新五郎湯の敷地内川原でも湯が出ているとか?」という話をさせていただくと、「では、ご案内いたしましょう!」とのこと。実はこの朝だったか、川原に行ってみようとしたのですが、より川に近い場所に住宅があったのでそれ以上の進入を自粛した我々だったのでありました(意外と理性的?)。というわけで川原で若旦那と記念写真♪

川原で立ち話をすること数分。若旦那曰く、「わたしが子供の頃はこの川で魚突きなんかもよくやりましたよ。で、身体が冷えてくると(沢水は冷たいですからね)、温泉が湧いている側に行ってそのまま身体を温めるのがいつものパターンでした。いやぁ子供心には『それがあたりまえ』であって、ここの川に湯が湧き出しているのも特別なことだとは思っていませんでしたね」とのことでした。

ちなみに、今はそういう遊びをする子供もすっかり減ってしまったそうです。やはり「危ない」という親御さんのストップがかかるのでしょうかね。で、「じゃ、若旦那のお子さん(15代目主人になる予定)もやらないんですか?」とお聞きしたら、「いやぁ、ウチはわたしが連れて行きますから(やりますよ)」との頼もしいお答えが。新五郎湯は宿としても地域の伝統継承という点でも安泰のようです!

さて、このあとちょっと近くの某所へ偵察に行き、戻ってきてからお風呂へ入れていただきました。まだ清掃中でしたが、「特別のご配慮」もいただいてゆっくりと朝風呂の砂やら汗やらを落とすことができ、身も心もピカピカになったところで、いざ今日から3泊する予定の「常宿」、木地山キャンプ場へと移動です!眺めのいい場所を取りたいから、寄り道なしで一気に!

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