− その2 山村をつなぐ道をのんびり走り、おっとこんな所に「秘湯」が!−

佐久山温泉をパスしたところで、「この後の身のふり方」についてしばし熟考。この日は「湯数を稼ぐ」つもりは全くなかったので下調べもほとんどしてきていませんし、まぁもうこのまま帰ってしまってもよかったんですが、またすぐに高速に乗ってしまうよりは少しのんびりと走ってみるのもいいかなと。

というわけで、R294を南下していくことに。「柏 102km」という看板を見て「うーんさすがにこの道だけで千葉に帰っちゃうのもなぁ」と思いつつも、交通量も少なかったので気分はよかったです。いや、本当に気分がよかったのはTakemaではなくバイクの方かもしれんです。何しろこんなに長く「火を入れっぱなし」にしたのはホントに夏以来だもんなぁ。



ちゃんと潮吹きまで表現している芸の細かさ!

と、こんなオブジェを見つけて急停車。なぜこんな山村地域にクジラなのかという素朴な疑問はともかくとして、ちょっと休憩の大義名分としては十分なインパクトがありますんでね。

で、ここで一服つけながら地図(ちなみに愛用のTマップル関東版はちょっと古いものです)を見ていると、ここから山越えで水戸方面に抜ける県道があることを発見。山間の道っぽいし集落も交通量も少なそう。ついでに水戸IC近くの鄙びた鉱泉宿情報とつなげれば‥よし、これで行くぞ!

県道51号に入ると、予想通り通行量はほとんどなくなりました。また、Takemaの地図では半分くらいの距離が車線区分なしの細い道であるように表示されていたのですが、実際は全線が片側一車線の立派な道でした。何だ嬉しいなぁと思いつつ走っていたら、いきなり立派なゲート発見!そしてそこには、

と書かれておりました。なるほどこんな場所にあったのね「ツインリンクもてぎ」(場所も知らなかったし、そもそもTakemaの地図には載ってもいなかった)。厳密にいえばこちらは裏口にあたるような気もしますが、東京方面から車で来る場合はこの県道経由が最短のようだし、そんなわけで道路の方も整備されたんでしょうか。いやぁこの道はとっても気持ちよかったぁ。前の車に追いつくこともなく自分のペースでスイスイスイっと(もっともそんなに飛ばしたわけじゃありません)。

さて水戸に向かう道からちょろっと離れ、続いて目指すは「常陸の湯」!常陸の国にあるから常陸の湯ということなんでしょうが、その「大きな名前」からは想像も出来ないような(失礼)シブイ温泉(鉱泉)だとかいうことでしたんで結構期待♪小さな看板から細い道を下っていくと‥



ふむフムFUM!これはかなーりナカナカな風情ではあーりませんか!

ちょうど石油の外部タンクに補給をしておられた宿の方に入浴をお願いすると、「まだ大丈夫、いいですよ」とのこと。ちなみにこちらの宿は現在日帰り入浴専門になっていて、営業時間は午後4時までなんだとか。よかった偶然間にあったというわけね(この時午後3時少し前)。

新旧併せて3つの建物からなっているこのお宿、何だか宿というより農家そのものといった感じです(上画像の看板がなかったら絶対に躊躇しただろうなぁ)。はて、どの建物から入ればいいのだろうかと悩んでいたら、くだんの方が「じゃ、こちらから入ってくださいね」と案内して下さいました。え、ここから入るの?



渡り廊下部分から上がるよう指示されました。本来の入口じゃないんでしょうけれどね。

母屋だと思っていた建物は、何とそれ自体が湯小屋でありました。そういや湯気抜きが上に付いていましたっけね。上がってすぐ正面に並んだ脱衣場入り口には「どっちが男、どっちが女」というような表示もなし。他にお客さんの気配はないしまぁどっちでもいいかと、奥の脱衣場へ。



「はいはいわかりました」と思わずにはいられないシンプルなご指導。

ちなみに成分掲示をよく見てみるとヒドロ炭酸の成分が結構濃く、秋田の八九郎温泉群とお仲間系の湯であることがわかります(ま、こっちは源泉温度がぐっとぬるいですが)。というわけでいざ浴室へ。おおっ!



何だか宿の外観には似つかわしくない(失礼)、大理石造りのミニローマ風呂がどどんと鎮座していてびっくりしました。ちなみに以前は男女別の浴室だったそうですが、あえて現在のような混浴浴室に作り替えたのだとか。混浴が別浴になるという世の流れとは反対の動きが、常磐道水戸ICから直線でわずか数kmのこの場所で起こっていたとは何ともびっくり。茨城の奥深さを感じた一瞬でありました(何のこっちゃ)。

「ぬるかったらお湯の蛇口から湯を足してね」といわれていたのですが、バイクで冷えた身体にはちょうど適温の湯が満たされておりました。浴感として特記すべきものはありませんが、とにかく何だか妙に感動しながら湯を楽しみました。

宿の南側にはこの常陸の湯についての由来が書かれた石碑がありましたが、写真を撮って満足したのか、碑文を読むのは忘れました(笑)。で、そのまた南側を見ると‥うーん、ゴルフ場のグリーンが(笑)。「ナイスショット!」の声を聞きながら風呂上がりの時を過ごしたのは初めてでした。

源泉は宿のすぐ横にこんこんと湧き出ていました。大根はこのあと洗う予定なのでしょうか(笑)。

このあとはそれこそ「夕日と追いかけっこ」で常磐道を一気に南下しささっと帰着。というわけで久々の日帰りツーリングはなかなか楽しかったぞ。しかし「次はいつ!」と自信を持って言い切れないのがつらい(情けない)ところでもありますな(笑)。
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