− CBR1100XXで行くハシゴ野湯日帰り(3) 山の中のぬる湯露天風呂 −

さて、バイクで走ることしばしにて目指す目的地に到着です。そう山奥というわけでもないのに何だか深山幽谷の趣を感じさせる現地ですが、なるほど、こりゃ知らなければまず入り込むことのないエリアですなぁ。

し、しかし。そんなマイナーな場所であるにもかかわらず、何と先客の家族連れ(7-8人の大家族)がいるではありませんか!そして、あろうことかオレンジ色の堆積物で埋め尽くされかけている湯船周辺」をうろうろと。うわぁ、先を越されちゃうかぁ?(焦ってどうする)。

家族の中の「おばあさん」にあたる方がこちらに話しかけてきました。聞けば、「自分たちは沢ガニ捕りに来て、すでに40-50匹ほど捕ったので帰る途中なんだけれど、おじいちゃんがみんなをここに連れて来ちゃってねぇ」とのこと。別に入るつもりはないんだけれど、この場所を孫に見せたかったらしいんですね(ちなみに家族全員地元在住の方だそうです)。

で、おばあさん(ちなみにそれほどお年を召しているわけではありませんが、一応家族構成からすればこの呼び方しかないんなんですよね)から一言。

う゛!(笑)。でも、「はいそうなんです」と明るく答えたら呆れておられました+「こんなに汚くてしかもぬるいのよ。こんなお風呂に入ったらかえって病気になっちゃうわよ」と言われました(大笑)。しかしまぁ、さっきも那須山中の湯に入ってきたんだということをいろいろと説明しているうちに「変わった趣味だねぇ」くらいにまではご理解いただけたようでしたのでまずは一安心(何が「安心」なんだろう?)。

しかし、このおばあさんと話をしているうちに、湯船の方には大変な変化が起こっていたのでありました(見ていなかったので気づかなかった)。それは‥

ちなみにこの湯船はちゃんと石組みをコンクリートで固めた本格的なものであり、よって、湯船の底には排水用の穴が開けられているのですね。その栓を抜いてしまったからもう大変、お湯はどどーっと流れ去ってしまいましたとさ(悲笑)。そして、どこから持ってきたのか(備え付けてあったのかもしれない)デッキブラシで湯船内部の掃除が始まっちゃいました。あー、まだ写真も撮っていなかったのにぃ!

おばあさんも、「あれまぁ、この人(Takema)は入ろうと言っていたのに抜いちゃったのね!」と驚きを隠せない様子(笑)。しかしまぁ、入れなくても写真は撮りたいので、掃除が終わるまでしばらく周辺を散歩(という名の探索)することにいたしました。すると‥これがなかなか面白い!

少し上に上がったところに小さな小屋を発見しました。別荘にしちゃどう見ても小さいし(床面積は三畳ほどしかないくらいの大きさなので)なんだろうと思って近寄ろうとした瞬間!扉の下に目がいきました(上の写真にマウスオンすると扉下部分の拡大画像に変わります)。

というわけで、ぬかるみを避けつつ近づいていって見ると‥。

床下からはこぼれ湯が流れ出ておりました。しかし温度はやはりぬるめですし場所的に湯船を作る場所もないのが残念。中をのぞくと(右上画像)‥やはりここが源泉のようですね。

しかし、さらにあたりを探索(ってほどのものじゃないですが)してみると、同じ作りの小屋がいくつもあるようです。なるほどこのあたりは一応源泉帯なんですね。これまたおばあさんがぽろりと漏らしていたことには、ここの源泉の所有権はたぶん温泉内の某大型ホテルにあるんじゃないかということでしたっけ。

で、さらに別の小屋に行ってみると、今度は小屋の裏側から自噴している源泉を発見(右上画像にマウスオンすると拡大されます)。しかし‥これまた同じようにぬるい(笑)。まぁぬるいからこそほったらかしになっているわけで、再々度おばあさんの言葉を借りれば、「このあたりには昔は栄えた温泉場があってね、釣堀なんかもあったんだよ」とのことでありました。源泉温度が下がってしまった関係でこのように放棄されてしまったんでしょうかね、しみじみ感じる温泉の栄枯盛衰(笑)。
いつもの動画!

「源泉自噴を見るのは楽し」

いや、所有者のいる源泉エリアを掘ったらアカンとも思いますしねぇ。でも、雨樋+マイ携帯浴槽(まだデビューしてませんが)を持参すれば夢も叶うのか?

Wmv形式、617KB、17秒



あらためて辺りを観察してみると、結構あちこちから源泉がしみ出ているようです。これは完全に冷たかったけれど。

というわけで最初の場所に戻ってきてみると、あれま、まだ掃除してる!「坊や、もういいからそうムキになって掃除しなくていいんだよ、おじいちゃんも孫かわいさに目を細めてないでそろそろ終了宣言してください、もう十分に綺麗なんだから!」と申し上げたくなりましたが、まぁいいやと腹をくくってバイク脇のアスファルトに寝転がって「その時」を待つことといたしました(こうなったらもう開き直りましたわ)。



日陰に寝ころんで新緑と空を眺めていれば、焦ったってしょーがないと思う気持ちになります。いい天気の日でよかった♪

その後しばらくして家族連れのご一行はお帰りになりました。おじいさんに「3時間も経てば一杯になるよ」といわれましたが、さすがにもうそんなには待てないぞ(笑)。というわけで、30分ほどして何とか「入浴」といえる最低線まで湯がたまったところで覚悟を決めました。

寝湯にしても全身が湯に浸からない状態ではありますが、まぁあらためて考えてみれば「到着直後の状態の湯=湯の表面近くまでオレンジ系の湯泥がたまった状態」に入るよりも確かにキレイかも、というわけで「これはこれでいいでしょ」という気持ちになってくると同時に、「おじいさん&孫くん、お掃除ありがとう」と感謝の念まで湧いてきました(笑)。ま、最初の湯にも入ってみたかったんですけれどね。湯泥の中には沢ガニやカエルの死体などもたくさんあったということではありますが(大笑)。



よぉっし、次回はリベンジ@満たされた湯船に浸かるぞぉ!

いつもの動画!

「某露天風呂にいざ入浴」

基本的には夏向きの湯です。湯温が低い&湯船の表面積が大きいのでサムイ時期は厳しいかと存じます。でも源泉自体は郭公温泉のそれより暖かい?

Wmv形式、1.05MB、25秒
ちなみに動画の方をよく見てもらえればわかりますが(わかるか?)、湯船は2つあります。しかしもともとぬるい湯がオーバーフローして次の湯船(最初の湯船の2倍以上の表面積)に導かれるという構造上、よほど暑い日でなければセカンド湯船に浸かることはないのでは?という感じです。でも、また来るぞぉ!



すぐ隣にある物置小屋には、なぜか鍋やら椅子(新しい)やらが置かれてましたっけ。

というわけで、久々に充実した?ツーリングとなった一日でした。ちなみに帰りの蓮田PAでETCモニターの腕章を巻いていたら(一応モニターとしての義務なんです)、隣におられたタンデムライダー(Pan Europianに乗られていましたからかなりのこだわり派?)のカップルさんが「二輪ETC、付けてるんですか?」と声をかけてくださいました。せっかくなのでシート下の車載器までお見せしてご説明申し上げました。するとタンデム側の女性の方いわく、

とおっしゃっていたのが印象的でした。でも、早く全料金所で使えるようにならないかなぁ(首都高のETC専用ゲート開放も含む=今のところ首都高では「ETC/一般」ゲートしか使えないのです。阪神高速では専用ゲートが使えるのになんたる理不尽!)。

というわけで、次回の野湯探索は‥やっぱりあそこかなぁ。またバイクでも行かれる場所だし(謎)。
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