− 紅葉前の黒部峡谷温泉めぐりっ!(6/6) 祖母谷の夜と朝、そして帰京! −

地獄めぐりも終えたし宿の露天風呂にも入ったし、とりあえずこの旅行の所期の目的は全てクリアしました。というわけで日も暮れ始めてきたしそろそろ夕ご飯タイムということに。

今日の夕ご飯はお手軽に焼き肉。ちょっと高めの和牛にししとうにエリンギ、かいわれ大根を添えて塩ダレでちょちょいといただいちゃおうという趣向です。もちろん芋焼酎も持参でちびりちびりといい感じ。聞こえるのは沢のどうどうという音ばかり、秋の夜はしんみりと更けていくのでありました。

のんびりとしているうちに、さすがに少しひんやりしてきました。焼酎はお湯割りにしていたわけですが、ここでおしんこどんが懐かし系の技を披露してくれました。ほら、ある程度の年齢以上の人なら記憶にあるかも知れませんが、スプーンに載せた角砂糖にブランデーとかウィスキーを適量垂らし、部屋の電気を消して(これ重要)ライターで火を付けると‥おおっ青白い炎が!というアレです(知らない人はやってみてね)。果たしてアルコール度数25度の芋焼酎で出来るのか?と思ったら‥



ちゃんと火がつくもんですねぇ。

焼酎は温まるし、アルコールも適度に飛んでくれて飲みやすかった‥のでしょうかね。でも秋の夜長のイリュージョンを存分に楽しめたような気がします。そういえばあの子供の頃、この儀式の後使い終えた角砂糖はいったい誰がどう始末したんだろう?(笑)。

それでも寒さを感じるようになってきたら、テントから25mほどの距離にある露天風呂にどぼんと飛び込めば瞬時に極楽行き間違いなし(左上画像にマウスオンで別画像に)。いやぁやっぱりいいなあ温泉キャンプっ!というわけで悦楽モードのままおやすみなさーい。

明けて翌朝。日射しのまぶしさに目を覚まします。今日も気持ちいい朝、空には雲一つない上天気です。しばらくテントのそばでぼんやりし、さて朝風呂にでも行きますか。



朝から再び悦楽モード満開です。


「まぶしい朝の祖母谷温泉」

なーんもいりません、ただただのんびり。

Wmv形式、768KB、18秒
夜露に濡れたフライシートを乾かしつつ、ものすごくのんびりモードで撤収作業開始です。で、荷物を詰め終わったあとにもう一度お風呂へと向かいます。ちゃんと小屋で冷えたビールを買い込んで‥。ふぅ、極楽だぁ!



小屋の方も犬の散歩に出かけたし、さてとわれわれも出発しますか!

ちなみに小屋の中には「祖母谷と祖父谷」についての名前の由来が書かれておりましたので、一応紹介ね。

「祖母谷と祖父谷」

加賀藩奥山廻り役、伊東刑部の祖先に竜左衛門という器量人がおったそうな、その男には女遊びという一つだけ悪い癖があって女房お新の悩みの種だったそうな、男のこの遊びは年老いてもつのるばかりでいっこうに止むことがなくてな、お新の嫉妬は益々深まっていき、ついには二人の間はどうにもならなくなったんじゃ。
 たまりかねた竜左衛門は、信州へ隠れようとある嵐の晩家を出た、が、それを感づいたお新も、あわててその後を追ったそうじゃ、欅平まで黒部川沿いににげて来た竜左衛門は、ここで老人に逢ったが、なおも道を急ぎ餓鬼岳の谷を登ったが、年に勝てず魂がたえて、途中で死んでしもうた。
 後を追ったお新婆さんは、道がわからなくなっちまって、欅平で人にあい、じさまの行方を聞いたら左を指さしたので左へ左へと谷を登ったが、ばさまもついに途中の谷で死んでしもうての、そこからやがて熱湯が吹き出したそうな、これはお新婆さんの嫉妬の想いだということじゃそうな。

‥‥ん?待てよ?「お新ばあさん」?何だかTakemaの身近にも似たような名前の人がいるような‥?いややめとき(以下自粛ね)。

というわけでいよいよ欅平に向けて歩き始めます。じゃーねー祖母谷温泉、また来ることもあるかもしれないよーっ!

歩き始めてすぐ、ふと振り返ると祖父谷のずっと奥の方に北アルプスの稜線(たぶん)がちらりと見えていました。ん?山の上はもうすでに?(右上画像にマウスオンするとズーム画像に変わります)

誰も通らない林道をおしんこどんと二人でてくてくと下っていきます。名剣温泉まで降りてくると途端に人の姿が増え、何だか強制的に「俗世」に引き戻される気分にもさせられます。あーあ、嫉妬の湯でも怨念の湯でもいいからもっともっとのんびりしていたかったなあ。

このあとはトロッコ列車、富山地方鉄道、JRの特急「はくたか」、そして最後に新幹線と、それこそどんどんどんどん加速して東京まで一気に帰って来ちゃいました。というわけで、ごく普通の土日連休、たっぷりと楽しみましたとさ。ふぅ。

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