− その3 海だ、カニだ、あたふた帰京だ −
さて日本海側に出たはいいものの、このあたりの国道はやや海から離れていますし、市街地なので風情もなさそうです。少し西に進めば町中を出て海沿いになるはずだと考え、そのまま進んでいきますが、それでも今ひとつぱっとしません。そうこうしているうちに、道は天険親不知子不知のスノーシェッド連続地帯へ。しかし、ここで何とも懐かしい場所に出ました!
いやぁ懐かしい。右写真にマウスオンすると出てくる「good luck」の言葉はある種の真実を語ってます。
「栂海(つがみ)新道」。この道の名前を知っている人は山好きの方くらいしかいないと思いますが、実はこの道(もちろん登山道)は北アルプスの主稜線までつながっているのです。さすがに登る人は少ないと思いますが(白馬岳までだって標高差3000m近いわけですから‥)、残雪残る高山帯と海をつなぐルートというのは、日本でもそうそうないんじゃないかと思います。確か現地の「さわがに山岳会」が独力で開拓した道で、ガイドブックには「この道を利用して下る人は水着を用意しよう」などと書かれていましたっけ。
かくいうTakemaも、今を去ること20年近く前の学生時代に白馬岳からここまでソロで歩いてきたことがありました。当時はまだ道の状態もそれほど良くはなく、当時のTakemaですら結構しんどかった記憶が残ってます。今は‥体力が続かないでしょう(笑)。というわけで懐かしの記念撮影。当時はこの広場にカニ直売のおばちゃんがいて、薄汚れた姿であらぬ場所から出てきた(かつては看板も指導標もなかった)Takemaにカニをご馳走してくれたんですが、今回はどなたもいらっしゃいませんでした。残念、あの時の御礼がてら買ってあげようと思っていたのに。
さて思いもかけず懐かしい場所を再訪したわけですが、ここでタバコを吸っていたら新たな欲望がフツフツとわき上がりました。それは‥
という、ほとんど意味のない野望でありました(笑)。というわけでここからさらに約10km西進し、下の写真を撮ってああ満足。
千葉から日帰りで富山に行ったという自己満足にひたりたかったんです、ハイ。
撮影後、一気に来た道を戻り始めたのはいうまでもありません。だって、もう午後4:00を回ったところなんです。日帰りツーリング最大の希望、「暗くなる前におうちに着きたい」はさすがにもう無理だとしても、夜のバイク運転はやはりできるだけ避けたいし‥。しかし調子に乗ってここまで来ちゃったのですから仕方ない、帰りは怒涛の高速利用=道路公団もうかりまっか攻撃で帰京することに決めました。
しかし、親不知ICから乗っちゃうのもあまりに単純ですし、そもそも「日本海とバイク一緒の写真を撮る」という野望はまだ叶えられていませんでしたから、ここは「今しばらく国道を東進し、上越JCTあたりで高速に乗る」ことに決めました。というわけで、ぼちぼち撮ったのがこちらですが‥。
左の写真なんか水平線がかしいじゃってるし、右の写真は何が何だかわからないし‥(大苦笑)。
出来にへこたれず、さらにずんずんと進んでいくうちに道の駅発見。休憩しようとエリア内に入ると‥おわわっ!ここはカニの殿堂だったぁ!
というわけでこんな場所にバイクを止めるものだから、
当然おばちゃんに「試食しなさいよ」と言われるわけで、
試食したが最後、必ずこのような状況へと変化するのは理の当然。
そして数分後はご覧の通り(笑)。やっぱりうまかった。
怒涛のカニ食い男状態から脱却し、ふと気付けばもう17:00近い。こらいかんというわけで北陸道の名立谷浜ICから一気に目指すぞ千葉県!
そんなに飛ばしたつもりもないんですが予想外に早めに着いたのは、三郷ICまでの高速約340kmのうち休憩は1回(甘楽PA)、給油1回(高坂SA)のみ、後はひたすら走り続けたということに起因するのでしょう。しかしよく考えてみると‥「翌日も休みだったんだから、どこかで1泊してくればヨカッタ」ということですね。ま、こんなツーリングもたまにはいいでしょ、毎回は勘弁(サイフの弁)。
ちなみに、この日一日の走行距離、全部で840km!日帰りツーリングの最大走行距離をめでたく更新しました!