− この独特の雰囲気を楽しまないでどこを楽しむ? −

一ツ森沢の湯は雨に泣かされましたが、雨が降っているのはまだまだ局地的だったようで、猿の湯方面に向かう道に入ると雨はやんでくれました。というか、「道が乾いてる=まだこのあたりには降っていない」という状況ですから、こりゃぁ歩いていく野湯としても行く価値ありです。というか、ここを目指して来たんですから行ってみない法はないんですけれど(苦笑)。

橋のたもとに車数台は停められそうな場所(しかも舗装されてる!)があったので、そこに車を止めて出発です。沢沿いの道は林道で、わだちを見るとつい最近入ったと思われる軽トラとおぼしき痕があります。しかしわだちの真ん中は草が生い茂り、「草に隠れた大物の石」があることも考えて進入は自粛した次第です(実際あった)。な〜に、歩いても15分だって(というようにネットで書かれていたので)。さ、歩きましょ。

早足で5-6分、小さな崩落現場で林道は終わっていました(というか、そこから先には進入不能)。この「現状での終点」はそれほど広くありませんから切り返しも結構苦労しそうです(周辺は腐葉土のぶよぶよ&石多し)。大した距離ではないですから、林道には進入せずに歩いた方がいいですな。ここからは「旧林道」とおぼしき広い道(ただし草の生えっぱなし)を歩きます。



ルートそのものははっきりしています、はい。

ただ、このあたりはかなり山深いこともあって(変な言い方をすれば、よっぽど山奥の「一ツ森沢の湯」よりも孤独感は強く感じると思います)、やはり山オヤジ=ツキノワグマについては警戒しなきゃいけません。沢沿いで人の声は消されがちですし、熊は匂いに敏感といっても、自分のいる場所と見えない場所にいる熊、どっちが風上にいるかは時の運ですからねぇ。とりあえずわれわれは妙な奇声を発しながら(どんな声かは門外不出)歩いていきました。すると突然!



本当に「突然」出没する「猿の湯」。右写真は入浴後ゆえ濁ってますな。

いやぁ、こんな山の中に突然ぽっかりと湯が湧いているとは不思議な限りです。もちろんこれは先人の、苦労に苦労を重ねた土木作業の賜物なのでしょうけれど。ちなみに早足で駐車場から8分でした。

お湯は見る限り透明で、上写真でいえば左奥の少し緑がかったあたりの地中から!泡とともに湧いています。
動画を見てもらえばわかります(11)

「プクプク、ブクブク。」

ぬるいんですけれどね(笑)。

ASF形式、KB、秒
というわけであたふたと服を脱ぎ脱ぎっ、さぁお楽しみの入浴開始っ!今回の野湯行脚最後の野湯ですからじっくり楽しみたいもんです。

ぬはぁ気持ちいい!といいたいところですが、実は上写真中央(左手のあたり)下部から冷たい水が流れ込んできています。写真でみる胴体のあたりに身を置く限りは快適なんですが、でもやっぱりぬるいかなぁ。夏向きの温泉であることは確かなようです(もともと湯温も30℃台ですし)。でも、沢の音を聞きつつ身体の下からプクプクと湧き出るお湯を楽しむ悦楽はそうそう楽しめるものじゃありません。ああっ、来てよかったぁ!そして、ここ猿の湯滞在中は全く雨が降らなかったという僥倖にも感謝しなきゃ。

というわけで本当に楽しめたこの日の野湯×3&今回の旅行そのものもこれにて終了です。このあとは南下した八森の食堂@海沿いで遅いお昼ご飯(国道沿いじゃありません。偶然見つけた割には美味しかった。実は有名人の色紙もあった)。そういやここのご主人、われわれが到着した時は防潮堤に重しを置いて台風の準備をし、岩礁でBBQをしようとしていた家族連れに「駄目だぁ入っちゃ、いつ波風が強くなるんだかわからんぞぉ!」と警戒警報を出していました。そう、実際この10数時間後、このあたりは大荒れの台風に見舞われたはずなのです。



2004年5月開業のようです。空いているのは今年だけ?

しかしうちらにとっては今日が最終日(この日の夜中に高速を使って帰る)というわけで、その後の現地の状況は知るよしもありません。このあとは秋田の玉川温泉にて(引き湯の湯治&日帰り施設ができてたとはびっくり)ビシッと強酸性泉で身体を引き締め、夕闇迫る玉川温泉からひたすら夜の闇を切り裂くように走り抜け(途中の磐越道ではどしゃ降り&強い横風&道路灯なし前後に車なしの真っ暗という状況で時速50kmのノロノロでしたけど。何だ全然切り裂いてませんね)、朝5:00に千葉の市川に到着!というわけで今回の温泉行脚も終了です!いやぁ、今夏も楽しい行脚でした!いやホント。また行くぞぉ!

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