− 野湯に始まり野湯に終わった南東北湯めぐり (6)某源泉初訪問 −

さてこの湯めぐり最後の湯はまだネット上にもあまり出てきていない某野湯。薮こぎと、木の根にすがっての土壁上り下り、さらにガレ場の通過等盛りだくさんの行程をこなさねば到達できません。もちろん「道」は存在しないに等しいので、生半可な気持ちや準備で行くと大けがをする危険があります。もっとも自分だって「じゃ、あそこに行ってみるか」と数時間前に思い立ったばかりなのでエラソなことは決して言えないのですが(笑)。

なお、この場所の行き方に関するご質問については、Takemaと直接の付き合い(面識)のある方以外にはお答え出来ません。ご容赦下さい。

福島県某所の山中に車を止め、しばらくは山道を歩いて行かれるので楽なものですが、どこから藪に突入するかが問題です。このあたりだとは思うんだけれど‥というあたりでしばらく歩道を行ったり来たりして、少しでも危険の少なそうな突入ポイントを探します。このあたりは野性の勘が必要かもしれません。



で、ここから笹藪の中に突っ込むことにしました(笑)。

急斜面を半ば強引に下っていきます(ちなみに誰かが一部ネマガリタケを刈り込んだ痕跡あり。ただし歩道からはわからないようにしているところに芸の細かさを感じます)。というわけで最初のあたりではネマガリタケの密生度が思ったほどでもなかったのですが、薮をかき分けながらの急降下は歩きにくいです。また反対にこの斜面を登るときなどは「根曲がり」の名の通り茎が全部下向きになってますからあーうざったい!

ある程度下ったところで、突然進行右側の視界が開けます。と、斜面の中腹を流れる沢が見えてきました。が?

そう、山の上部から流れてきているのではなく、左上画像に見えている地点からいきなり始まっているように見えるのです。なんだありゃ、地下水が湧き出ているにしてもすごい量です。不思議な風景です。

さて、それはともかくこの地点から下部はネマガリの密度がぐんと濃くなります。ほぼ密叢帯と言ってもいいでしょう。となればそのエリアを避けるべく右側の開けた側を降りていけばいいのですが、実は‥

わずかに生えている小灌木だけが全ての頼りです。とはいえその木がどこまで根を張っているかは神のみぞ知る世界、引っこ抜けたら十数mの落下は間違いありませんし、そもそも足場が土ですから危険極まりありません。かくいうTakemaも、一箇所体重をかけていた足場が崩れて「うわわっ!」と一瞬びびってしまいました。しかしそんな「危険ポイント」を越えると、傾斜も多少和らぎ、何とか前を向いて歩けるようになってきます(右上画像は「だいぶまし」になったあたりの様子です。土崖のあたりは写真を撮る余裕がありませんでしたので)。

そんなこんなで先ほどの沢を目指して歩いていくと‥ん?あの沢から湯気が立っている??ということは、

思わず早足になったのは当然です。まさかこんなにスゴそうな野湯だとは思いもよりませんでしたから!というわけで数分ののち、沢の下部から上部を見上げるTakemaの姿がありました。
うわー、岩場にぽっかり空いた穴からいきなり湯の沢が始まってます!お湯は昨日の清兵衛温泉と同じく38℃くらいのややぬる湯ですが、そんなことはもう関係ありません!いざ湯口目指して登っていきます。時間があればここでいろいろな湯船が作れそうです。でもドカシーは持ち込まないで(=放置しないで)ほしいところですね。

浮き石(岩)に注意して登っていきます(ここでけがをしては元も子もないので)。すると‥

湯口の滝の直下に、腰湯のできる湯だまりがありました。横にタオルを置いてみたのでおわかりの通り、かなり大きなものです。浅いのは‥もう少し手を入れれば多少は掘り下げられるかもしれませんが、もうそんなの関係ありません、もうガマンできません!(笑)。


「大満足の野湯」

次回は是非お弁当持って絶景を楽しみながらゆっくりしようと堅く心に誓うTakemaでありました。

Wmv形式、1.01MB、24秒

恥ずかしながらわたしも気がつけば結構な数の野湯を訪問してきましたが、ワイルドさでは一二を争う湯であることに間違いはありません!(道中の危険も含めてね)。

ぬる湯なので寝転がりながら表になったり裏になったりを繰り返しつつのーんびりさせていただきました。底の石が結構痛かったですがそんなのぜーんぜん♪湯を飲んでみると結構な酸味。でも硫黄臭はほとんど感じませんでした(鼻がバカになっていただけかもしれません)。

というわけで30分くらいは浸かっていたでしょうか。でも今日中に千葉まで帰らねばならないので今日のところはこのくらいにして帰らなきゃ。大いに後ろ髪を引かれつつここの湯をあとにして、再びあの土壁を上り返したTakemaでありました。あーしんど。

以上1泊2日の温泉めぐり、これにて終了!時期的にもそろそろ今年の野湯シーズンはおしまいかなぁ。
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