− その6 真夏の愛子岳、試練の登山(2) −
というわけでいよいよ最後の登りですが、ここからは急傾斜で吹きさらしとはいっても(だから強風の日はそれなりに危ないかもしれませんが)、景色もあるしそこそこ風もあるしでなかなか気分良く登ることが出来ます。とはいっても上画像のような感じなので全く気は抜けませんが。
その一方で、これまでの樹林帯では全く見られなかった花の姿をここで見ることが出来ました。各花々が急登の疲れを癒してくれます(うそつけ息切れしながら撮ったんでかえって疲れたんだって(笑))。
真ん中の画像、指先のあたり日本の小さな花が咲いているんですが(マウスオンで拡大します)。
でも真ん中の花より驚いたのが右上の画像。これって、どう見てもツツジですよね?ツツジは初夏に花を付けるものと思いこんでおりましたが、この時は8月下旬、しかもここは屋久島、「南の島」なのに?ネット上で調べてみるとサツキツツジという名前なのかな?(皐月に咲くツツジという意)。屋久島が南限だと言うことですから辻褄は合います。でももしかしてヤマツツジかもしれません。いずれにせよ、8月の下旬にここ屋久島でツツジが見られるとは思いも寄らないことでした。
ちなみに屋久島の最高峰である宮之浦岳は気候区分としては亜寒帯に属しています。しかしその標高は愛子岳より700mも高い1935m。決して高山とはいえない「前山」の愛子岳なのになぜこんなに季節の訪れが遅いのか?‥おそらくは冬期の季節風の影響なのだと思います。ちなみに屋久島のみならず三島村・十島村とも、冬期は平地に雪こそ降らないものの季節風の影響でフェリーがよく欠航します。まさに東シナ海の吹きっさらしど真ん中に位置する島々なのですからある種当然ではありますが、頂上部に大きな木が生育していないのも、もしかして風が影響しているのかも?
岩稜帯には3つのロープがあり、それを使いながらえっちらおっちら。この頃になるとガスも取れてきて青空が顔をのぞかせますが、さっきまでの樹林帯と違い心地よい風が吹いてくれていますからTakema的にはばっちりです。あー涼し!(ちなみに上中央の画像だけマウスオンでズーム画像に変わります。特に意味はないけどね)。
というわけで登山口から休憩込みで約4時間かかってようやく頂上へ到着!途中でだいぶへばったけれどやったぁ♪
頂上からの展望ですが、ガスと青空が交互にやってきていましたから360度の大展望とまではいきません。特に宮之浦岳や永田岳のあたりからガスが取れることがなかったのはちょっと残念。でもね、
宮之浦岳南側の主稜線はよく見えました。正面の山は‥翁岳のようです。
さてここには何があるのでしょうか?正解は‥荒川ダム!(マウスオンで拡大画像に変わります)。
眼をさらに遠方にやると、うーん、あの辺は位置的に安房の西側あたりでしょうかね(マウスオンで拡大)。
頂上の一角にあった祠にはお供えのお酒と古銭を含むお賽銭が。
というわけで、お弁当も食べたし、40分ほど休んですっかり寛いだしで大満足の頂上滞在でありました。さーって今度はあの急坂を下るのか(苦笑)。
とはいえこの登山道はとにかく登りっぱなしの道ですから、下るのも一気なのです。そもそもこの愛子岳、途中展望が大きく開ける場所も、屋久杉ならぬ小杉はおろか、そもそもなぜか杉そのものの姿もほとんどないし(里から近いし、早い時期に伐採されてしまったのか、それとももともとないエリアなのかは不明)、結構退屈なルートであることは間違いありません。頂上付近の高山的様相と大展望とを除けば‥って、この山の登山をお勧めしているのかいないのかわからない表現になってしまいましたね(笑)。
モッチョム岳には群生していたヒメシャラの木、少ないながらぽつぽつと生えているのを楽しんだり、天然の盆栽のようになっている木を見たりしているうちにかなり下まで降りてきました。と、遠くに屋久島空港が見えるあたりで休憩していたら、どうやら最近いろんな意味で有名になったボンバルディア機が離陸しそうな感じです(右上画像マウスオンでズーム画像に変わります)。
ちなみにこの直後、「今度は離陸の瞬間を撮っちゃれ」と思って半押し状態のままスタンバイしていたら、ちょうど飛行機が浮き上がり始める寸前で手前の木がかぶっちゃいました。残念、って撮ったからどうというものではないんですけれどね。というわけで、何とか登山口まで戻ってきましたぁ。
Takemaが妙に先祖返りというか猿人的な姿勢になっているのは、この日の疲労の濃さを物語るものです(何のこっちゃ)。とにかくこれだけ暑い日に(この時ももちろん30℃をはるかにオーバーしてるし)山登りしちゃおうという発想が間違っているのかも?
ちなみに持参した4.5リットルの水分ですが、下山後にほんの一口ずつ飲んだらすっかり空っぽになりました。一応量はぴったりだったわけですが、裏を返せばヒジョーにあぶなっかしい量でもあったわけで、2006利尻岳の教訓が生かされたとは言えませんね(苦笑)。
車で県道まで戻ってみたら、そこからは今登ってきた愛子岳がくっきりときれいに見えておりました。あれま取り巻きのガスはなくなっちゃったのね、まあいいか。よし、これで残る屋久島のおもだった未踏峰は永田岳のみになったぞ!‥って、一番手強い相手が残っちゃったともいうんですが(苦笑)。
というわけで汗でびしょびしょになった身体を清めるべく、いつもの通り温泉へ‥いや、温泉じゃなくてリゾートホテルへと向かったわれわれなのでありました。どういった風の吹き回し?いよいよTakema夫婦の旅行もリゾートホテル宿泊スタイルに鞍替えか?(笑)。
いや、そうじゃなくてJUNさんから昨日のうちに「そういや、Takemaさんたちこれ行ってみる?うちは使わないからさ」といわれつつ手渡されたもの、それは
なる無料チケットだったのでありました。「え、いただいちゃってよろしいんですか?」と固辞しつつしっかり手を伸ばしていたのは当然のこととして、いざその施設がある「屋久島グリーンホテル」の正面入口に一歩入ってびっくり。うわー、こりゃホントにリゾートホテルじゃないのさ!汗だらけの上着に短パンにビーサンにはあまりにも似合わないような(笑)。
フロントにおそるおそる「あのー、こ、これ‥」と無料券を二枚差し出したら、ご丁寧に利用方法を教えてくださり、袋入りの「岩盤浴セット」と、水分補給用のペットボトルまでいただいちゃいました。うーむやるな。しかも、よくよく館内のポスターなどを見ているうちに恐るべき事実を発見!
JUNさん、おありがとうございますだおかだ。
というわけで、まずは大浴場へ。ちなみに大浴場(温泉ではありません)利用だけでも630円かかるようですが、岩盤浴利用者は無料ですんでこれまたラッキー。平日の昼過ぎですから当然だーれもいない浴室でゆっくりと身体を洗って寛いで‥
実はそれだけでもう十分に満足しちゃったんで岩盤浴なんてもうどうでもいい気分になってきたのですが、やはり話の種として一浴してみなければもったいないオバケがやってきそうなので、湯上がりのほてった身体に専用着を着て‥うわ、岩盤浴する前からすでに汗でじっとりしてきちゃったぞ、でもまぁ気にしないことにしていざ岩盤浴室へ。
大浴場はともかく、岩盤浴室は暗くてよくわかりませんが足が写ってます‥。
ちなみに入浴法については次のように書かれております。
1. 腹ばいで5分入浴 | 岩盤石の上にバスタオルを敷き、枕にフェイスタオルを巻いてその上に腹ばいで5分休みます。 |
2. あおむけで10分入浴 | 5分たったらあおむけになり、10分程度休みます。 |
3. 3-5分休憩し、水分をとる | 3-5分休憩します。水分を十分にとり、細胞の奥まで酸素を行き渡らせ、毛細血管やリンパ管の流れを改善し、血行を促進します。 |
4. 上記1-3を2-3回繰り返す | 天然石のパワーで身体も芯から温まり、お肌もスベスベに。ストレス解消で心もリフレッシュ! |
(5分+10分)*3回としたら全部で45分寝っ転がっていなければいけないことになりますが、室内はサウナ状態。うーん、サウナ系って実は結構苦手なんだよなーと思いつつ、タオルを敷いて横になります。枕元に砂時計がおいてあり、どうやら1クール5分のようなので、とりあえず5分横になってみることにしました。しかし‥
玉川温泉などでの天然岩盤浴や大深温泉のオンドル小屋なら外気そのものは熱くないのでまだ大丈夫なんですが、室内の空気そのものがじっとり熱いと我慢できないTakemaです。というわけで、早々に撤退した根性なしTakemaでありました。
ちなみに利用制限タイムは70分(大浴場含む)ということでしたが、余裕を持って出てきてしまったTakemaはロビーで何やらあやしげなイチゴ牛乳などを飲んだりしてまったり。そういえば岩盤浴の禁忌として「激しい運動後は入浴を控えてください」というのがあったような(笑)。ちなみにおしんこどんは時間オーバーでようやく出てきましたが、混んでいなかったので問題なし。
さ、それでは宿に戻りますか!って、実は華のやさんに戻るわけではないのです。車は華のや号なんですが(笑)。
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