− 前半その4 歩いていける温泉から、高速利用で遠路はるばるの温泉まで −

そんなわけで朝の目覚めはしゃっきりしておりました(あたりまえ)。とはいえ一番湯は外来のお客さんが来ない限り絶対にわれわれのものだしということでのんびり。Takemaはしっかり女湯を貸し切りタンノーしたのであります。



ちなみにあつ湯には入れなかったTakemaですが、おしんこどんは「たっぷりかけ湯をして身体を慣らし」見事に完浴したとのこと、さすがです。

お湯から上がって外を見ると、晴れ間ものぞくなかなかの天気です。例年よりも1週間早いという桜はまさに満開で、桜もお湯も最高のコンディションを楽しむことが出来たのは当然われわれの日ごろの善行の賜物であること明白、いやぁうふふのふ(謎笑)。

さて今回の新湯入湯によりTakemaは西山温泉における現営業施設全てに入ったことになるわけですが(以前営業していた宿=現民家は除きます)、おしんこどんは滝の湯と下の湯、あ、それとせいざん荘がまだなんですよね。せっかくなのでお散歩がてらそのうちの1つに入りに行くことにしました。

のんびり歩いていくと、眼下に気になるミニ施設などを発見。うーん、位置的には中の湯の源泉なんでしょうかね。そしてさらに、未利用と思われる源泉も目視で確認できちゃいました(湧出量はごく少ないようでしたが)。さすが西山、実はまだいろんな源泉が隠れているんではないかと気になるところであります。



ミニ施設ですが何だか立派なたたずまいですね。その下流に湧出口も発見(ズーム画像です)。



橋を渡っててくてくと歩いていくともう一つの橋が。そう、本日最初の湯めぐりは下の湯温泉なのであります。

400円也をお支払いして混浴の浴室へ。予想通り貸し切りでした。下の湯はもう宿としての営業はしていませんが、立ち寄り湯は問題なく可能です。引き戸を開けて中に入るといきなりコタツのある居間、老夫婦がくつろいでTVを見ていたりしますので、「温泉に来た」というよりも「田舎のおじいちゃんの家に来た」という感覚の方が圧倒的に強いと思います(笑)。旅館の温泉にしか入ったことのない人をここに連れてきたらカルチャーショックを受けるような気もします。これが西山に限らず東北の湯の醍醐味ともいえるのではないでしょうか。

さて浴室には微硫黄臭のある湯がこんこんと流し込まれております。この画像で酒が飲めるというあなたはある種の温泉変態といえるでしょうが(笑)、わたしはここの湯の花を甘酒に入れて飲んだらウマイに違いないという根拠なき確証を持っております。あ、そこに焼酎が混ざっていても構いませんが(=Takemaもやっぱり温泉変態)。

左上画像が源泉ですが、枡の右側底に湯花がたまっているでしょ、あれが何だか美味しそうに見えてしまうTakemaなんですよね。ダシしょう油をちょろっとかけていただくと‥むふふ(とことん変態)。

なおここ下の湯もあつ湯とぬる湯との2槽に別れているわけですが、こちらのあつ湯は何とかなりそうな湯温でしたんで、思い切りかき混ぜてみたら右上のような半濁りに。Takemaはさっさと完浴、おしんこどんは‥もちろんですね(微笑)。でも、あんまり熱い湯はそんなに好きじゃないんだけれどなぁ。

さてこのあとは宿に戻って車に乗り込み、この周辺のドライブといたしました。最後には会津じゃなくて越後にまで足をのばしちゃうのはご愛敬ということで。

まず最初に立ち寄ったのは昭和温泉。国道沿いにある共同湯は地元民専用ですので、素直にしらかば荘のほうへと向かいます。実はこの時なぜだか入浴の意欲というかやる気があまりなかったのですが、ふと見ると浴室棟のすぐ脇に源泉のあまり湯がもったいなくもとうとうと捨てられているのが目に入りました。うわーもったいないと思いつつ検温してみると、こりゃかなり熱い湯ですね(右上画像マウスオンで画像が変わります)。源泉温度が61.5度ということですからむべなるかな。

宿の方に別件を問い合わせているあいだに日帰り入浴の男性客が4-5人到着したこともあって、今回は一応手湯だけにとどめることといたしました。ま、このエリアならまた来ることもあるでしょうから次回のお楽しみということで。

さて「別件の問い合わせ」と書きましたが、実はこのエリアで湧き水でも汲もうかと思っていたのです。今回は水汲み用の10リットルポリタンなども持参していましたので。で、聞いた場所が「代官清水」だったんですが、何だツーリングマップルにも掲載されていましたね(笑)。



うむうむ、結構な量の水が湧き出ていますね。

このあとは、TVでも紹介されて最近とみに有名になった玉梨豆腐のお店に立ち寄ります。ここの「雪花菜(おから)ドーナツ」はおしんこどんの好物なんですね。ん、東京の荻窪にも支店があるのか、じゃあそのうちに買いに行こうかな?いやオンラインショップもあるぞ、何ともやる気満々のお店だったのね。おしんこどん、ここでドーナツを10個購入しました。

さて続いては中川温泉。すぐ近くには沼沢温泉という温泉もありましたが一軒宿だった「叶屋旅館」は2001年頃に廃業してしまったのだとか。よってこの界隈での温泉といえば「老人福祉センター ゆうゆう館」しかなくなってしまったわけですね。かつての叶屋さんの源泉と同じなのかどうかは定かではありませんが多分別でしょう。叶屋さんは「沼沢温泉」と称していたそうですから。

実はこの施設には昨日も訪問していたのですが、連休まっただ中ゆえ建物内の照明はただ一つとして点いておらずすごすごと退散したわけです。見かけはあくまで老人福祉センターですから「ここに温泉あり!」というイメージはありませんが、その入口には小さく「ゆき湯」のシールが!(左上画像にマウスオンすると別画像に変わります)。

で、GWとはいえこの日(4/28)は平日ですので再訪してみましたところよぉっしOK!というわけで入浴料金を支払った受付の奥には「社会福祉協議会」という札が下がっていましたし(中央上画像)、浴室の入口付近に貼られた料金表や「お風呂空いてます」の札などを見ていると、なーるほどやっぱりここはあくまで公的機関の施設なのねという気持ちにさせられます。しかしこの「お風呂空いてます(裏面には「入浴中」云々とありました)」というのはどういう意味なんだろう、誰か1人でも入る時には裏返しにするのでしょうか?



だってお風呂そのものはこんなに広々しているんですよ?

僅かに薄濁りの湯がしっかり掛け流されています。しっかり貸し切りで利用することが出来たのでもちろん気分も桜も満開です。

さてこのあとは「循環湯が多かったのでパスしていた」柳津温泉へと向かいます。実は2008年から新源泉の供給が始まり、少なくともいくつかの宿はかけ流しでの湯使いを始めたという情報を得たからなのですが、結論から先に言ってしまえば「次回へ持ち越し湯」といたしました。いや柳津温泉がどうのこうのというわけじゃないんです。実は、

と考えたからなのですね。まだ未湯の場所をいくつか残しておかなくちゃもったいないですしね(ふふふのフフ)。というわけで、時間節約のため会津坂下ICから何と磐越自動車道に乗ってしまったTakema&おしんこどんであります。高速を降りたのは2区間先の津川IC。せっかくだから赤湯も楽しみたいですよね、さーてどこだ?

到着したのは「かのせ温泉」。茶色く濁った源泉は赤湯と呼ばれています。ここがしっかりかけ流しの湯使いをしているということはしばらく前から知っていましたが、いかんせんこのエリアは千葉からだと一番行きにくい場所なんです。というわけでこれまでなかなか到達できなかったわけですが、せっかく会津に連泊ということであれば足をのばすのもまた一興というわけですね。

かなり混む施設ということでしたが、平日午後ど真ん中のまったりタイムということで内風呂の先客はお一人だけでした。よしよし!

先客の地元お年寄りの方が2槽のうちの1つにどんどんと加水しておられました。いわく、「ここの湯は熱くてね」。源泉そのまんま至上主義を貫こうとする方々が見たら怒るところかもしれませんでしたが、わたしゃあまり気にしませんので問題なし。というか、源泉が注ぎ込まれているもう1槽は激熱過ぎてだーれも入った形跡がありませんでした。ホントはその方が問題でしょ。

お話を伺っていると、やはりこの界隈ではここが一番人気だとのことや(周辺温泉は循環湯が多い)、周辺の町村合併によりそれぞれの旧町村民は新阿賀町内各所の施設に格安(だったか無料だったかは記憶曖昧)で入れるようになったんだとかいうことを伺いました。で、ここでツッコミ。

そうしたら、予想通りというか「ま、恩恵といえばそれだけだけどな」というお返事が返ってきました。その後約10分弱阿賀町の昨今古今東西南北どどんがどん系のお話を伺うことになりましたが、ここでは割愛いたします。誰もが「やってよかった町村合併」と思えるようならとうの昔に合併してますよね。あーどうなるんだ地方自治体(苦笑)。

露天風呂に移動すると先客3名様が。カメラで「わが足方面だけの撮影」をお許しいただき撮った画像がこれでした。こっちは内風呂に比べればかなりぬるい(というか適温)でしたが、さっきまでの熱さに比べれば何だか物足りない?というわけで5分くらいで退散した次第です。再度内風呂に入り、出てきたはいいものの汗が引かないの何のって!典型的な「汗が引かないあたたまり湯」ですね。夏はそれなりにきびしい湯なのかも。

さてこのあとは阿賀(野)川沿いに上流へ向かい杉峠を越えて西山温泉に戻ります。おっとしかし気になっていたお祭りエリア、前日のうちに顔を出してみましょうか。

西山温泉にほど近い場所(湯矢木沢)から県道を上がっていった場所に久保田という集落があるのですが、これがまた山の斜面にひっそりと立ち並ぶ感じで、失礼ながら「うわーこんな場所にこんな桃源郷のような場所が!」という感じでした。そこからさらにどんどん坂を登っていったところに、「4月29日観音まつり」の会場があったというわけです。

会場といっても「三十三観音」自体は常時その場所におられるわけで、1日早いのではありますがそれぞれに手を合わせてお参りしました。お祭り当日じゃなくても各観音様はお許し下さるに違いないはずですので(たぶん)。

各観音は山の上方(入口から標高差約50m=高度計で測った)に並んでいますのでとにかく登っていかなければお会いすることも叶いません。でもその入口にある掲示板には「キリシタン信仰を伺わせる像もある」ということでしたのでこれは是非拝見しなければ!



説明板のあたりには「明日の需要を見越しての杖」がたくさん置かれていました。われわれはまだ不要かなということで登れや登れ!

で、七番目におられたのが上の「マリア観音」。うーむ確かに十字架を携えてますね。しかし「会津にキリシタン信仰」?九州方面ならともかくとして江戸の時代にはかなりの「奥地」だったと思われるこの地域にまでキリスト教の信仰が?そう思ってちょっと検索してみたら、やはりないわけではないようです。戸来の「キリストの墓」はともかくとしても、奥会津における信仰の事実は全く知りませんでした。あー世の中全く知らないことだらけですね。



千手観音様が多かったですね。手の込んだ細工のものもそうでないものも。最後は観音清水で〆です!

さてそんなわけで新湯旅館に戻り、あくまで控えめに夕ご飯を摂取し、そのおかげでこの夜はバタンキューシンドロームにおちいらずに済みました。あーアブナカッタ。
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