ぬふふー、ぬふふー、ぬふふのふー♪

(2008年9月13日)

今夏は「超長期休暇=21日間」を取得して南部アフリカに行ってきたTakema&おしんこどんでありますが、当然その弊害として出発前後は日曜も含めて出勤を余儀なくされていたわけです。でも個人的に感じていた最大のオドロキはといえば‥

これに尽きるのでありました。記録は取っていませんが、たぶん「2ヶ月のブランク」ともなるとここ10年以上なかったんじゃないかと思います。いやたぶんもっとだよなぁ。というわけで3連休の初日、CBR1100XXブラックバードを駆って那須エリアの湯で俗世の垢を落としに行くことにしました。ちなみにおしんこどんは今回はお休みです。

那須塩原ICを降りて最初に探したのは「某別荘地管理事務所の湯」。あそこを右折して、うーと行ってさーっと行ってあの辺かなと思っていたらどうやら明らかに違うエリアのようです。でもなー自分の地図書き込みでは間違いないんだし、もしやこの細道を行ったところに?(今考えれば、別荘地を売り込もうとする側の事務所がわかりにくい場所にあるはずがないですね)。

しかしこれが思いっきりロスでした。というか「走るよ走るブラックバード‥う゛わ゛!」。緩いカーブを曲がった先にあったのは「舗装終了=石と泥土の混じった仕事道」でございました(大汗)。

ダートにはめっぽう弱いわが愛車、と、と、止まってくれとは思えども慣性の法則というかフルブレーキングも掛けられずおたおたあたふた。なんとか止まれましたが、くわー細い下り坂、しかもフロントタイヤは泥の中とは、こりゃー脱出はかなりしんど‥かったです。方向転換が出来る幅もないので力ずくで10mほどバックさせましたから大汗玉汗だーらだらでした。いきなりぐったり疲れてしまったので「もうここの湯探しはいいや」と撤退決定。

ちなみにこのあたりには温泉付き分譲地が結構売り出されていて、このあとちらりと立ち寄った現地事務所のあたりには何やら露天風呂があった様子。申し出れば入れてくれるのかなとも思いましたが何だか不思議と気が乗らずパスしました。だって有料で入れてもらえるのならいざ知らず、一応販売促進施設でしょ、わたしゃ間違っても(お金がたんまりあっても)「別荘は買いたいと思わない」人間ですので、ちょっと気が引けて‥(その前に買うお金もないけれどさ)。

さて再びバイクを走らせていくうちに‥軽く道に迷いました(笑)。いやちょっと戻れば問題はない場所だったんですが、このあたりは別荘地で道が入り組んでいるので「ま、いいか、別荘地を抜ければ何か目印があるだろう」という軽い気持ちでそのまま進んでいくと、うむ確かに何かがありました。一大観光地である那須にあってかなり渋めの宿だという「柳沢鉱泉 清水屋→」という看板が!(ちなみに渋め云々については自分がそのように地図に書き込んでいただけなのでニュースソースは不明です)。

こりゃ行くしかないでしょというわけでずんずん進んでいきましたが、こりゃ看板がないと絶対といっていいほど見つかりませんね、というわけで迷い道が大正解でした!

というわけで到着です。宿の奥さんが出てきて下さいました。入浴の可否を訪ねるとOKとのこと、しかも代金を払おうとすると「いいですよお湯から上がった後で」とのおことば。たった一言のことですが、「うむ、この宿はナカナカよろしそうだぞ!」と思ってしまいました。ちなみに入浴料はこのエリアでは珍しい安さの350円、沸かし湯なので絶対に経費も余計にかかってしまうはずなのに、これは破格ですね。

館内にはこの奥さん以外に人の気配がなかったので(三連休初日の午前中ですしね)「こりゃもしかして貸し切り利用できるかも?」と心中へらへらしながら浴室へ。予想通り先客さんはいないようでよしよしです。で、浴室の扉をするすると開けてびっくり!


「あー嬉しい、久々の日本のお湯!」

ちなみに温泉(ここは鉱泉ですが)入浴も2ヶ月ぶりですが、実は何と「お湯に浸かる」のも2ヶ月ぶりでした。実は家ではほとんど湯船に漬かる習慣のないTakemaなので。南アフリカもバスタブのある宿は少なかったし、あっても浸からなかったもんで‥。

Wmv形式、1.89MB、20秒


まっことよろしいではないですか!鉱泉沸かし湯とはいえ(ちなみに源泉は6.3℃とのことです)いいと感じたらイイのであります(意味不明)。ま、直感的感覚とご理解下さいませ。しかも源泉は窓際の蛇口から入れ放題!(むやみに入れすぎないよう注意)。味はちょっと渋め+金気という感じですね。あ、しまった掲示物の表示とほぼそっくりになっちゃった(笑)。

ちなみに浴後は汗が全然引きません。玄関先で先ほどの奥さんとしばらく話をしながら火照りを冷ましていたのですが、焼け石に水ならぬ「熱い肌に大汗」。あー、結局びしょびしょ頭部にヘルメットをかぶる羽目になりました。バイクで温泉というのはやっぱり10月以降じゃないと厳しいかも(笑)!できれば11月くらいがベストなんだよな。ま、しょうがないです。

さて続いてはというか、実はこの時点で自分がどこにいるのかあまりよくわかっておりませんでした。ただまずは那須ハイランドパークを目指そうと。確かのその周辺に「本日最大の目的地」があるはずだと記憶しておりましたので。

で、次の目的地とは「ペンション ひみつ基地」。実は何年か前に温泉関係のご質問をいただいた方(ご夫婦)だったんですが、その当時は仙台市亘理でお仕事をなさっておいででした。そりゃなかなか行かれないなぁと思っていたら‥

うわーすごいですな。しかもオーナーの田中さんご夫妻、バイクも温泉もお詳しく、年齢的にもわれわれとほぼ同年代というわけで、一度はお会いしてお話したい方々だなと思っていたわけなのであります。

でもねここからがTakemaらしいアバウトさなのですが、実はこの日、現地におじゃまするなどとはただのひと言も事前連絡していなかったのであります!(大苦笑)。前夜芋焼酎ロックを飲みながら「うーむこちらには近々おじゃまさせていただこう」と思ったのは事実ですが、実はその時点ではこの日の日帰りツーリングそのものの目的地も決めていなかったし、結構早めに寝ちゃったんで、那須に行くのを決めたのはまさに翌朝の「外環道走行中」だったんですね。「確か那須ハイランドパークの近くだった」、これが唯一の情報でした。地図への書き込みもなし。

で、ずんずんと那須ハイランド目指して行くと‥あれま報恩温泉ってこんなに近くだったのね。ここは独自源泉ということでさて入ろうと一瞬考えましたが、「ひみつ基地探し」が目下の最重要課題であろうと考えてとりあえずパス。というかここなら次回も来られるだろうと考えたわけなんですが、今考えると「目の前の気になる湯をパスする」というのは「温泉道」に反する行為でしたね。でもその時に気が向かなかったんだからしょうがないです(自己正当化)。

さて、行ったり来たりの末新聞屋さんを見つけたのは大正解でした。地域のことに関しては詳しいはずですからね。そんなわけで来た道をずずっと戻り、報恩温泉の分岐をさっきとは別方向に曲がって少し行くと‥



ようやく看板発見!

何だかオリエンテーリングみたいな気分になりながら、ちょっと荒れた舗装路を進んでいくと、「えー、こっちなの?」という感じの未舗装路方面に看板があります。うーん今日はブラックバードでダートに入るように仕組まれているなと思いつつ進んでいきます。前のオーナーさん、もう少し整備しようとは思わなかったのか?しかし簡単にたどり着けるはずもない「ひみつ基地」へのルートとしてはある種うってつけなのかもしれませんね。でも空身の日帰りツーだからいいようなものの、ちょっと小石が多いのでタンデム過積載だったら多少ビビる大木かもしれません。

というわけで現地着です。しかしまだ次の関門が控えております。アポなしでいきなり登場のTakema、まずは在宅でなければいきなりのトリプルアウト、そうでなくとも、自分は覚えていても田中さんご夫妻がわたしを覚えていなければ「ただの迷惑人」というわけでさっさとダブルプレー、さらには何とか覚えていてくださってもインパクトが弱ければ「は、ははー。ではまぁ‥」という「あんまり歓迎できるわけじゃない訪問客」のワンアウトで終わってしまいます。しかしそれでも顔出ししようというのだから変なところで妙に勇気のあるTakemaです(笑)。

玄関でタイコを3回たたくと奥さんが出てきて下さいました。でもここでの自己紹介が思いっきり大失敗というか何言ってるかわからないぞ系で、自分が話しながらも「こりゃ変な奴と思われて当然だな」と思いまくりでした(笑)。でも何とか「ご主人さまいらっしゃいますか?」というところで2階から「おお、Takemaさん!」の声とともにご主人が降りてこられて一安心した次第です。奥さん、自己紹介がへたくそで失礼いたしました(笑)。

でもとにかく初対面なのでどうしようという感じでしたが、さすがにご夫婦とも旅行者相手のプロということからか、おどおどTakemaに話を合わせて下さったのでとりあえず一安心。いや、でも自分はしばらくどぎまぎしておりました(そりゃそうだ)。どれくらいどぎまぎかっていうと、「いつの間にコーヒー飲み干しちゃったのかわからなかったんです(ホント)」。でもね、そういう状況に自分を追い込む前に事前連絡くらいしなさいって(大苦笑)。

ちなみに2日前にはツーリングライダーの世界ではとみに有名な賀曽利隆さんや滝野沢優子さんがお越しになり、じっくりと(午前2時まで)「ひみつ会議」をおこなったのだとか(笑)。さすが田中さん、人脈が濃いですね。ちなみに賀曽利さんのレインウェアは入口に干されたままでしたが、忘れたんですか?(笑)。

さてしばし歓談の後は「施設見学」へ。うわ、ぐるっと小沢が敷地周囲を巡る立地はすごいです。まだ前オーナーさんの遺物もところどころにありましたが、この「せせらぎ半島」はかなり自由にいじれるのではないかと思いつつ拝見。



このようなベンチはまだまだ小手先かと?

いやいやここから先は田中さんご夫妻の「今後の創造」にお任せするとして、この半島部の先端にある露天風呂、これもまたいい感じです。



田中さんいわく「この風呂も手を入れなきゃ」ということでしたが、情景的にはサイコーですね。

ちなみに前述の賀曽利氏はこの湯を「那須ひみつ温泉」と命名なさったのだとか。まぁもちろん「ズバリそのまま」のネーミングではあるんですが、やはり賀曽利氏がそう付けたとなると途端に重みが生じるから不思議です。わたしもいつか、発言に重みのある人間に‥いや、無理無理(苦笑)。

さてしばしの歓談のあとお風呂をいただくことになりました。高湯混合源泉の配湯、距離その他の問題がいろいろあるのでしょうから加温循環はある種やむを得ないのかなと思いましたが、内湯はジャグジー作動中とはいえきっちり「湯の素性」が感じられ、インパクトはなくてもいい感じでありました。湯上がりの感じとして「汗の引きは比較的早いかな」という第一印象がありましたがそれは大いなる誤解でありまして、いつまで経っても汗が引かない!結局湯上がり後ずいぶん経った後の出発時さえ(メットをかぶらねばならないときに至っても)びしょびしょでした。「あーメットん中は湿度100%だな」と感じてしまう一瞬でした(笑)。

お別れの際に一緒に写真をお願いいたしました。どうみてもお互い初対面とは思えない図々しさです(笑)。田中さんご夫妻、本当にありがとうございました。このページをご覧の皆様にも是非お勧めします。「ペンション ひみつ基地」、ライダーはもちろん温泉ダー野湯ダーの皆さんにもお勧めです!

さて「ひみつ基地」発進直後、実はこのあとの行動予定については未定でした(笑)。ただし田中さんとの会話の中にも出てきていた「老松温泉」に行こうかなと思ってはいたんですが、いかんせんこの日の予報は「曇りのち雨」でしたので、行程はその都度考えようと思って家を出てきたわけですので。しかし全面の曇天とはいえまだ降り出すまでにはちょいとかかりそうだというTakema予報士の託言に従い、やはり行くことにしました老松温泉!



いやー、宿への道からしてなかなかシブイ感じでヨロシイ感じです!(左上画像にマウスオンすると画像が変わります)

駐車場にバイクを止めて歩いていくと、程なく管理棟(管理人さん住宅?)と湯小屋&休憩棟とが道を挟んで並んでいる場所に到着です。先人の記録によると「廃墟のようにも見えてしまう崩れた建物が云々」ということでしたが、さすがに修繕したのかそんな景色はありませんでした。



向かい合わせに建つ両建物、ちなみに管理棟は右上画像の側です。

戸の開いている管理棟に「こんにちはー」と声を掛けると、見える側に寝ていた男性ではなくて別の側のおばあさんが「はいよ」と起きあがって応対してくれましたが、その応対が「ぞんざいでもなく、かといって変に慇懃(こびる系)」でもなくて何だか第一印象からしてものすごく「あ、ここの湯、よさそう!」と直感してしまうような感じでした。いやそもそも湯はいいらしいということで訪問したんですが、宿のイメージ(第一印象)も重要ですよね。「人はただ湯に浸かればいいののではない、浸かるまでの全てのプロセスも湯をめぐる上での重要なファクターなのだ」とは、どこかで聞いたようないや聞いたこともない格言ですが、やっぱり第一印象は大事です。

]

シブーい階段を下りて湯屋へ。貸し切りなのも嬉しいですが、浴室の雰囲気がいい!

二つに仕切られた浴槽にはそれぞれとろりとろりと源泉が流し込まれておりました。ここの湯は独自源泉、されど湧出量が少ないということで大切に流し込まれているということなのでバルブひねりは飲泉の時のみにしたんですが、あれま硫黄泉だというのに案外あっさり味なのね。イメージ的には「さーてこれから芋の香りの強いゴツめ焼酎をロックで一気に流し込むぞ!」と心の準備をした上できゅっと飲んでみたら、案に反してものすごくさっぱり系だったというところでしょうか(何のこっちゃ)。いや、事前の予想がナニ過ぎただけで実際はしっかりした味なんですけれどね。

入口には「日帰り入浴は45分以内で」というある種キビシイ貼り紙があったんですが、前述のおばあさんは「いいからゆっくりお入りなさいな」と言ってくれておりました。でもついつい小市民なので40分で上がってきたっけ。ちなみにこの湯もあったまり系で、駐車場で10分ほどうだうだ熱発散をしなければメットをかぶれませんでした。

このあとは一気に高速利用で帰ってきましたが、なぜか家に着いたのが妙に早かったのはご愛敬というところで。そういえば今日の3湯はみんな貸し切りだったっけ。3連休の初日とは思えませんでしたね。あー楽しかった♪

[戻る]