秋ですから‥お湯へ浸かりに行きましょ。

(2010年10月4日)

休出が続いた関係でぽっかり月曜に休みが取れました。結局9月は温泉入浴数ゼロだったこともあり(冷鉱泉の足湯だけはありましたが=こちら)、やっぱりたまには全身浴したいよなぁと思うのは世の必然というわけで、おしんこどんを職場に送りがてらどこかに行ってこようと決めたのであります(前日)。

しかしこの日は関東から東北にかけての広い地域での雨予報。実際朝から降っていましたからバイクはパスですな。そんなわけで秋から冬にかけてのお約束、いつもの阿武隈エリアに行くことにしたわけです。常磐道に乗って、さーてどこまで行こうかな?

と、ここで皆様にご報告すべきことがあります。それはTakema車の1つの進化でありまして、いや皆様に出遅れること何年という感じなのですが‥

いや実はウチの車で営業回りもしなければならなくなったので、だったらせっかくだし付けちゃうか?というくらいのノリだったのではっきりいって衝動買いでした。で、そのあとに想定外の出費がかさみ、9月は(そして10月も)財政難が続くTakemaなのでありますが、ま、自業自得でしょ(自虐笑)

正直を言えば、アイスランドで借りた車にオプションで頼んだナビがシンプルながらやたらに便利だったので、「ならば日本のナビはもっと便利に違いない」というように「物欲発火」しちゃっていたんです(笑)。

そんなわけで高速に乗ってすぐのPAで車を止めていろいろ検索。出発時間が遅かったこともあり最初は「今日は近場でいいかなぁ」とも思ったのですが、試しに「志保の湯」と入力してみるとちゃーんと検索してくれるじゃありませんか!(「そんなのあたりまえでしょ」とおっしゃる皆様、Takemaはいろんなところで最新文明の恩恵とは縁遠いのです。うちのTVはまだアナログだし、衛星放送とは縁がないまま人生終わりそうな気もしますし(笑))。

まぁそんなわけで最初は「ま、湯小屋でいいか」と思ったわけですがやっぱりもう少し足を延ばそうと決め、阿武隈山地の中でも未湯が多く残るエリアに足を延ばしてみることにしました。

で、走っていくと‥「ん?まだ巨峰を売っている直売所があるみたい?」というわけでちょいと寄り道。

細道を上がっていった先には一軒の農家があり、ノボリがなかなか個性的な角度で揺れています。と、そこに先客さんの車があり、旦那さんが車の外にて所在なげに立っています(奥さんは車の中)。「こんにちはぁ」と声をかけると、次のようなお返事が返ってきました。

すでに10:30をかなり回っています。この方は水戸市内からお越しになった&こちらの果樹園の常連さんらしく、「ここはこの界隈で一番遅くまで収穫できるんだよね」とか、「ここの主人はもうリタイアして年金で暮らせるから商売っ気があまりないんだよ、でもモノはいいよ。」などとの情報を教えてくれました。そこでTakemaもしばらく待ってみたのですがやはりご主人が戻ってくる気配はなく、雨がやや強くなったのを機にやむなく出発することにしました。「われわれはもう少し待ってみるよ、主人が帰ってきたら『時間通りに戻らないから客が帰っちゃったぞ』って伝えとくからさ」とは常連さんの弁。いや別にそこまでしていただかなくともいいですから(笑)。

さてナビに入力した「志保の湯」が近づいてきました。とはいえ実はこの湯宿にはノーナビで来たこともあるので(その時は冬期休業であえなく撤退)道に迷うことはないんですが、せっかくだったら使ってみたいじゃないですか(笑)。しかし近くまで来たところでふと思い出したことが1つ。それは‥

というわけでナビの音声指示を無視して交差点を右折(笑)。湯岐(ゆじまた)温泉には何年か前にもおしんこどんと一緒に来ているのですが、その時は一番下(手前)の和泉屋さんの湯に入ったわけです。で、岩風呂の共同湯?はといえば‥たぶんもう15年以上前に一度入ったきりなんですね。せっかくなら久々に足下自噴湯を楽しむのもいいかなぁと‥。



「1回入浴」と「1日入浴」の金額差がたった200円とは!ただし建物内に休憩室はありません。

向かいの山形屋さんに料金を支払いカラカラと戸を開けてみると‥あれま先客さん(男性)がお1人。ちなみにこの湯は混浴です。

「こんにちはぁ」と声をかけて浴室に入ります。すると「どこから来たの?」から始まって何だか会話が妙に盛り上がったぞ(笑)。で、30分くらい入っていたんですが会話が途切れる間はほとんどなく、途切れないこともあって「あのぉ、カメラで撮影云々」の件を言い出す機会もないうちに何だか湯疲れして来ちゃいましたぞ!(笑)。せっかくこの男性(御年70歳代)が「いやぁ何だか色んな話が出来て嬉しいねぇ」とおっしゃって下さっているところで無粋な話を持ち出すのもナニなのでカメラ持ち込みは断念した次第です。右上画像にマウスオンすると「未練がましく脱衣場から男性が写らないように撮影した画像」に変わります。しかし実に無粋ですな(苦笑))。

さてそんなわけで「汗が止まらないモード全開」のまま志保の湯へと向かいます‥が?



しかも玄関前に置かれている自販機はいつの間にか販売を停止しています。「こ、これはもしかして休業日というよりは長期休業中ってこと?」とヒヤリとしましたが、玄関の小さな看板を見て安堵しました。そこには「いらっしゃいませ、営業中です」と書かれていたのですから!

玄関の引き戸を開け、「ごめんくださぁい」と声をかけると女将さんとおぼしき女性が出てきて下さいました。入浴を御願いすると、このようなお答えが。

聞けば土日はいつお客さんが来てもいいように沸かしているそうなんですが‥。あー残念。いや、思い出したぞ!

オンオフともども仲良くさせていただいている御方ですが、確かに約ひと月前にここに来てますよねNORAさん(笑)。それによると源泉温度は約28度?ならばというわけで「源泉入浴だけでも‥」と御願いすると、やったぁOKが出ました!しかも「沸かし湯なしなんだから」というわけで割引料金で入浴をさせていただきありがとうございました!

「他にお客さんはいませんから男湯女湯とも自由にご利用下さいね」とのありがたいお言葉をいただきました。よーしぬる湯をタンノーじゃい!



宿のオリジナル暖簾があると嬉しくなるTakema(笑)。



そしていざ男湯へ。おーっ、源泉が打たせ湯方式で2本投入されてます!

ちなみにこの時の外気温は18度くらいだったので、28度はじぇったいに暖かく感じるはず‥なんですが、嗚呼そういえばわれわれ人間の体温は36度台だということを忘れてました(しかもさっきまで湯岐温泉のぬる湯でのんびりしたせいもあってまだ汗が引ききっていませんし)。というわけで結構冷たい(笑)。しかしかけ湯(感覚的には水に近い)を念入りにしただけあって、いざ入ってしまえば何とかなります!

なお浴槽の縁石部分はかなり滑りやすくなっておりますので十分にご注意下さい。わたしゃ非防水カメラを手にしたまま半ゴケしました(九死に一生の世界で何とかカメラは無事)。



男湯女湯とも加熱浴槽に湯がないのは即刻承知の助。打たせ湯の跳ね湯が存外少なくて何だかビックリ。



しっかり源泉かけ流しです(笑)。わずかに硫黄臭あり、何となく土類系の味もしました。湯花は一切なしです。

そんなわけで十分に満足したあとは次の湯を目指しましょう。目指すは「痔に特効あり」との鉱泉なのですが、Takemaは痔疾持ちではありません(笑)。

というわけで、志保の湯よりもさらに山の奥深くまで進んでいった先にご覧のような建物が。ここが谷川の湯であることは間違いないのですが‥カーテンが全部閉められています。「すわ、この鉱泉宿こそ休業モードなのか?」とビビリましたが、よく見ると玄関脇の部屋にTVが点いている様子、あーよかった!

しかし宿の方に話を伺ってみると「平日のこの時間は湯を沸かしていないので入れないんですよ」。と、ここまでは志保の湯さんと同じですが、ちがうのは源泉温度が15度しかないってことですね(笑)。どうも先ほどのように「源泉だけで結構ですから」という「あと一歩」の言葉が出ず、ここは次回に持ち越しということで(笑)。やっぱり平日の鉱泉めぐりにはいろんな支障があるなぁ(笑)。

さらに続いては常世(とこよ)温泉を目指してみましょう。いやそろそろ昼食を摂りたかったのですが食堂が全然ないんです。今日は朝起きてからアメリカンドッグ1本しか食べていないのでお腹は空いているんですが、「食堂=出来れば手打ち蕎麦の店」というように限定して探していたせいもあって全然発見できぬまま次の温泉に着いちゃっているという感じです(笑)。

ここはカーナビで検索してもヒットしませんでしたが(何だよ残念)、場所は地図に載っていたので周辺地を目的地にしておいたらちゃんと看板発見です。うーん、Takemaの場合地図&ナビの併用が一番効率的ですね(今頃気づくなって)。

ただし「ここも平日の14:00くらいだと湯がないのでは?」と危惧されたわけですが、玄関に張られていた表示に「入浴時間9:30-20:00退館」とあって一安心。連続でのロストはちょっと悲しいですからね。で、500円也の入浴料を払って浴室へ。ん?誰も入っていないのに湯が妙に波打っているんですが?

いや、このあたりは湯岐温泉を除きすべて沸かし湯ですから加温循環であるのは仕方がないことです。しかし画像ではわかりにくいかも知れませんが、ただの循環にしては浴槽内があまりにも「あばれ湯」という感じなんですよ。これはどうして?そんなわけでかけ湯をしてから総木造りの浴槽に入って‥びっくり。

窓側からほぼ均等間隔で4本の圧注湯ということで、入浴は全然落ち着けません(笑)。身体は流れに揺さぶられてゆらーりゆらり。塩素臭などは感知されませんでしたし、せめて1-2本くらい止めてもらえると落ち着いて入浴できるんですが‥。ま。これもサービスなんだということで理解することといたしましょう。ちなみに源泉は弱アルカリ重曹泉だそうですが、あまり特徴のある湯ではありませんでした。というか湯の流ればかりに気を取られたからというのが本当のところです。



このあたりの稲は間もなく刈り取りですね。食味はともかく豊作ではありそうです。

さていい加減お腹が空きましたからナビで飲食店検索をしてもいいのですが、これから太平洋側に出ればお店もいっぱいあるからいいかと開き直りました。最後に1湯くらい‥と、気になっていた湯を入力すると‥うわ、ちゃんと表示されるじゃありませんか!しかも今は日帰り専門で看板も出ていない湯だというのに!すごいぞカーナビ、時代は変わった!(=「Takemaがようやく時代に追いついた」ともいいます)。

そしてその湯とは‥



ご覧の通り看板もなく、しかも屋根に湯気抜きの設備もなく、どう見ても地図だけだったらたどり着けないこと必定です。カーナビ導入して正解だったかも知れんと実感した瞬間でした。でもこの段階では「ホントにここなの?ナビ情報を信じていいの?」と半信半疑でしたが。

ただしよく見てみると?浴槽棟とおぼしき建物の裏から煙が立ち上っているのが見えました。かつて調べた情報によるとここ岩塙温泉は鉱泉を薪で沸かしているということでしたからこりゃあ間違いない!というわけで渡り廊下の奥にある玄関へ。「こんにちは、お風呂に入れていただけますか?」と申し上げると「はい、650円ね」とのお返事が。入浴料金だけが関東圏レベルのやや高額ですが(ここは茨城県)、しかし個人(出てこられた女性はそこそこ高齢)で毎日薪による火の管理をしながらとなれば、この料金も宜なるかなです。

「今は男性が1人入ってるだけなのでどうぞ」とおっしゃったので混浴なのでしょう(実際は異性による順番待ちもあるようです)。で、いざ浴室をのぞいてみると‥(以下の画像は先客さんが上がった後に撮影したものです)。



で、まずは先客さんにご挨拶した上でかけ湯を。「うぉっ、結構熱いですね」。すると先客さん(推定60代男性)いわく、「ここは熱い湯で入るのがいいんだよ、ところであなたはアトピーとかなのかい?」と聞いてきます。「いやそういうわけではなく、実はこの界隈の温泉鉱泉を趣味で回っているんです」と答えると、「そうか趣味かい、ここは皮膚病にいいので結構それ系のお客が多いんだよ」ということでした。

そんなわけで湯温に身体を慣らした上で湯船に身体を沈めます。推定45度後半です(実は今回温度計を忘れました)。まぁこれならフツーに入れますね(笑)。で、出たり入ったりしながらこの界隈で美味しい店の場所を2箇所伺い(この湯のあとは絶対メシだと決めていましたんで)、あとはあーだこーだと話していたわけです。しかしですね。

そしてTakemaが湯に浸かり、しばらくして上がったところでこの先客さんが湯を汲んで「最後のかけ湯」をしたところでひとこと。

「ここは熱い湯がいいんだ」とおっしゃっていた方に「強いね」と言われるとは、これはまさに温泉力(=この場合「やせ我慢」)の成果なのでしょうか?ちなみにこの時には足首の上部分がかなりの熱さで悲鳴を上げつつありました(なぜかそのあたりが一番温度に敏感なんですよわたしの場合)。推定47度であったと思われます。46度台では感じないヒリヒリでしたから‥。



もちろん先客氏が上がった後にたっぷり加水したことは言うまでもありません。次のお客さんが来るまでにはまた湯温も上がるし(笑)。



源泉は微硫黄臭と何だか複雑な味(説明不足ですね)。お隣の女湯にはお湯なし芳一。でも混雑時にはいつでも使える感じ?

湯小屋そのものは結構くたびれた感じでしたが、風情は一級品でした。湯治でお越しになる方々の迷惑にならない程度にまた再訪したいと思います。

さてそんなわけで気がつけば16:00(笑)。しつこいようですがこの日これまでに口に入れた固形物はアメリカンドッグ1本に過ぎないわけで、だったらせっかくなら場所柄「ウンマイ海の幸により、さんざん我慢してきたお腹を満足」させたくなりますよね!

というわけで先ほどの先客さんに場所を聞いたお店へ。でもいかんせん湯船に浸かりながらのやり取りだったため、おぼろげな記憶をナビに入力してもデータエラー(くっそー)。でももう1軒はハンノーしてくれたのでよし行くぞさぁ行くぞ!と、店の前まで来てみると‥。


(まぁそれが普通のお店だと思いますけれどね。平日だし。)

1時間待つのだったらそのまま高速に乗って2時間で自宅なんですから‥というわけで本日は海幸断念!

しかし常磐道に乗ってしばし、いよいよ本格的にお腹がグーグー鳴ってきました(笑)。わかったしょうがない高速のSAPAで食べますよ。しかしPAのしょーもないメシでごまかすのはナニなので(最近はPAでも「この一品」系の料理を出すところもありますが)、せめて大洗に近い友部SAのレストランだったら多少なりとも新鮮な魚介類が食えるんではないかい?という気になって友部へ。しかしそれは大間違いの選択でありました(苦笑)。

友部SAの駐車場が妙に空いてるな、さすがに平日のこの時間だしなと思って車を止めたその先に見えるのは‥大きなプレハブ小屋!全面改修中かい!もちろんレストランと軽食コーナーが合体していたのは言うまでもありません。刺身定食‥ないじゃん(大悲)。

結局「鳥肉照り焼き丼」を頼んで何とか腹の虫を慰めました。たしかこのメニューももっと大層な名前(ステーキ云々)が付いていたような気がしますが、異常なほどの熱々度からして出来合い半製品をレンジでチン♪が丸わかりでした。でも悲しいかなお腹が空きすぎていたので美味しかったんだなこれが(笑)。

そんなわけで久々の阿武隈エリアの鉱泉探訪、今回は「4勝1敗(谷川温泉)」でしたぁ!まぁまぁの効率というべきでしょうか?

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