− その10 ここまで来たらアプト路線の井川線に乗らなくちゃ(2) −

鄙びた風情の井川駅からダムサイトまで歩いてきました。風もなく上天気ですが見事にだーれもいません。井川ダムの展示館というのもあるのですが残念ながら冬ごもり中でしたんで‥うーん、何もすることがないぞ!



というわけで、無意味に足などを上げてみました(苦笑)。

折り返し列車の発車までは30分しかないのでこれ以上遠くにも行かれず、再び駅まで戻りましたとさ。そんなわけで11:12発奥泉行きの発車を待ちますが‥

いやぁ、まさか列車貸し切り、われわれのためだけに運行してくれるのですか!

そんなわけで喜んでいたら、何両か前の車両に1人だけおられたようで‥しかも、「あの車両」に!われわれは往路と同じ車両(帰りは編成最後尾)に乗り込んでいたのですが「これは是非とも途中駅であの車両に移動しなければ」という思いに駆られたのであります。車両の行き来はホームからしかできませんのでね。

「あの車両」は、カーブにさしかかると時々見えるんですが‥おお、見えた!(左上画像マウスオン)。そう、車両の半分がオープンカーになっているんです。往路で車掌さんが「この時期は寒いのでお勧めしません」とおっしゃっていましたが、もうお昼時で随分気温も上がったし、それに列車のスピードが20km/h前後であればそう吹きさらし状態でもないでしょう。うーむ考えたな単独行の男性!(というかちょっと考えればわかることを全然考えもしなかったTakemaです)。



関の沢鉄橋では窓から顔を出してみました。走行中の列車だったらじぇったいやっちゃだめよ。

さて次の尾盛駅ですが、訪問時は下車が禁じられておりました。

と思われる方々も多いような気がします。実は2010年秋に駅の界隈で熊が目撃されたことによる措置だったのですが、それだと「住民及び駅周辺に用事のあるお客さんは困る」はずですよね。しかし、実際の運用上は(ほぼ)問題ないのであります。それはなぜかというと‥

ドアが開いて(いやドアは手動なので車掌さん自身が開けたわけですが)車掌さんが「乗客」の有無を確認しての出発になります。あ、乗車については制限されていませんでした。そもそも「乗せないし降ろさない」のであれば駅に停車する意味もないですしね。でも、ここで「ちょっとした疑問」を抱きませんか?それは‥

このように当然のロジック帰結となるはずなのですが、そのようにいくはずもないのが人の道というか何というか。熊云々騒動での下車禁止となる前は「その道に堪えたる方々=最近流行りの秘境駅ファン」が乗降していたわけですし、そうでなくともさらにコアな方々がこの駅を目指してやってくるのです。わたしゃこちらのサイトを拝見して感動しました(尾盛駅に関するページはこちら)。ついでにいえば、こちらのサイトに寄り道していた結果今回のページアップが1日半くらい遅れたことを告白します。同じことをやろうとは思いませんが勉強になりました。

さてそんなこんなで列車は接阻峡温泉駅へ。ここで列車交換のためしばらく停車。ではではあのオープン客車に移動しましょ。



そういえば今回のチケットはこれでした。最後は「記念にどうぞ」といただけましたっけ。温泉駅は島式ホームで屋根もあって立派。

車掌さん(われわれと同じく最後尾車両に乗務していた)に「前の車両に移動しますね」と伝えた上で移動開始。と、唯一の同乗客だった男性(実はこの人、往路でもわれわれと一緒でした)が下りてきてしばし談義。走行中もそれほど寒いわけでもないし、寒くなったら同じ車両の室内部分に入ればいいので問題なかったということを確認して一安心。ん?あれ、この人、われわれとの会話のあとそのまま改札を出て外に出て行っちゃったんですが?(接阻峡の温泉会館に行ったのかな?実はTakemaも計画立案時にはちょっと考えたんですよね)。‥ということは?

山岳鉄道とはいえ日本唯一のアプト式路線、このあとは再び専用機関車の離合などを経て奥泉駅まで下っていくこの列車なのですが、ホントに貸し切りになっちゃうとは!かなりおったまげましたが気分が悪いはずはありません!というかこの車両に移動してアドレナリン最高潮?



紅葉の時期には大盛況となるであろうこの車両ももちろん貸し切りです!



好展望側に向けられた固定椅子。もちろんトンネル内ではキーキー音が花盛り!(乗ればわかります)。



平和な走行中にパチリ。この車両、かなりイイ!(ちなみにすれ違った第2便には連結されていませんでした。ラッキー!)。

列車は奥大井湖上駅に停車。往路ではここから乗車した奇特な方(2名)がおられて、どこから来たんだろう?と思ったわけなんですが、井川線の公式サイトをよく見てみると、この駅から接阻峡温泉駅までのお勧めハイキングルートが紹介されているわけですね。そして、この駅からのスタートはといえば‥「この鉄道橋脇の歩道を歩き出しましょう!」というわけです。

鉄道事業者側とすれば一番いやがっておかしくない「線路際ウォーク」を推奨しているところがスゴイですね。いやここの場合それ以外に選択肢がないんですが(笑)。



「お元気&もの想うおしんこどん」とともに、列車は大井川沿いをどんどん下っていくのであります。



再び専用機関車を増結してアプト区間へ。それにしても背の高さが全然違います。



日本の鉄道(ケーブルカー等を除く)最急勾配を下っていきます。その傾斜角をダムの水平度と比べてください。


【井川線をオープン車両で戻る!】
アプトいちしろ駅から奥泉駅までは、上部路線と比べればもう何とも平坦というか(ただしカーブは相変わらずキツイですが)、何ともスムーズな感じです。そういえば往路で運転士さんも「この鉄道も本格的な山岳路線という意味では接阻峡から井川区間がおすすめです」とおっしゃっておりました。

さてそんなわけで暫定的な終着(始発)駅の奥泉に到着。階段を上がってバス停のある広場に上がってちょっとびっくり。



あ、左上画像は「出す場所がなくなりそうだったんで強引に出した「縄文トイレ」です。ま、見ればわかりますね。

じゃなくて、このバスが列車代行なのはわかりますが何だかちょっとモッタイナイ使い方?寸又峡温泉からのバス路線もあるんだし、そちらとリンクさせれば「千頭−奥泉」間の無駄な重複は避けられるんじゃないかなぁ。もちろんこれも井川線を所有する中部電力との取り決めなんでしょうが。

ちなみに前述の「尾盛駅」が廃止されないのもダム建設時における地元住民との合意事項なのだそうです。これを「実態に合わない無駄」と切り捨てるのは簡単なのですが、何だか現状にまで至ってしまうと「切り捨てないで!」と思ってしまうから不思議です。以上、前段落との大いなる主張矛盾をお許し下さいませ(笑)。

そんなわけで、もちろん貸し切りの代行バスで千頭駅まで戻ってきました。遅めのお昼ご飯はお蕎麦&うどんだったのですが、案に相違してそれぞれかなり美味。しかしお店の画像を撮ってない!ついでにお店の名前も覚えていない!ええっと、駅の近く、井川線踏切の界隈なんですが?



あるのは暗めにしか写っていないこの注文画像のみ!

ご存じの方お店の名前をお教え下さいませ。お店の内部はそこそこ新しい感じでしたっけ?

さていよいよ「帰省旅行」も終盤戦です。いやこのタイトルからはもう「帰省」の冠は外すべきなのはわかってます。でもせっかくのネタなので最後まで外さないでとことんいきますよ!(強引というか頑固というか意味なしというか)。

千頭駅に入ると、出札事務室内におられた駅員さんが「次の金谷行きの列車はもう入線してますからどうぞ」と声をかけて下さいました。1回躊躇した上で(喫煙所に行った)次にホームへ。おお、期待通りの近鉄特急が止まっていてとっても嬉しい!



いや、だってご覧の通り大井川鐵道きっての豪華車両ですからね。

関西出身、実家が奈良のおしんこどんにとっては日々見慣れた近鉄特急のはずですよね。ちなみにわたしは結婚前に1度だけ名古屋線を利用したことがあり、結婚後には大和高田から阿部野橋まで乗ったんだっけ?でもここ大井川鐵道では特急料金なしに乗ることができるんですうふふ。

車内は近鉄時代のままということですごーく特急気分なのですが、おしんこどんいわく、

で、その臭いまで引き継いでるなというのが正直な感想でありました(笑)。この車両が大井川鐵道に来てからも車内喫煙はしばらくOKだったのでしょうか?だとしたらそろそろダクト&フィルターの清掃を(あくまでTakemaはこのご時世であっても喫煙者ですが)。



トンネルを越えるエリアを通り越すと茶畑エリアへ。(元)特急車両から見ると何だか高尚ですね?

おしんこどんは早速うとうと、実はTakemaもちょっとウトウトしちゃった区間がありました。だってこのゆったり座席ですからねぇ。しかしここまで来るとそろそろ新金谷も近いのであります。そんなわけでおしんこどんを起こして‥いや、本能のなせる業かしっかりもう起きてましたね。彼女はいつも寝起きがいいんです!



はいはーい、新金谷駅到着!でもやっぱり正規運賃は高いですね!

そんなわけで再び車に乗り込み、今度こそ正真正銘の「帰省行動」となります。東名高速に乗り、浜名湖に沈む夕日を眺め、途中黒豚まんで小腹を満たし、走ること約300km、ようやく奈良のおしんこどん実家に到着です!

その全行程を地図上でふり返ってみると次のようになります。

いやー不自然なほどにくねりまくってますね。だって、

というわけで、Takemaの帰省史上最長不倒の大記録がここに打ち立てられました!(笑)。はぁやっと終わった‥(笑)。
[戻る]