− その2 ついでに常陸太田の山あい鉱泉2湯 −



こちらの浴室はかなりシブイ造りでありました。浴槽もかなーり上等です!しかし?(笑)。

(2011年7月10日 その2)
さてここからはしばし山越えの移動です。お天気はかなりいいというか基本的にこの時間は快晴でした。途中渓谷沿いの旧道に入って少し進むと、整備された吊り橋があるようなのでちょっと寄り道してみました。

名前は「汐見滝吊り橋」というようなのですが、このネーミングはなぜ?いや確かに小さいとはいえ風情はしっかりある汐見滝(右上画像)は見えてますが、そもそもこの渓谷から「汐=潮=海」は見えないんですよ。どういう意味合いでネーミングされたのでしょうかね?この滝壷が海を連想させるということなのでしょうか?たしかに滝の大きさに比べれば滝壷はかなり深くて大きいようでしたが。

ちなみにこのすぐ脇には絶好のBBQスポットがあって、この日もすでに(お昼前)10人以上の家族グループが宴会の準備中でした。かなり気持ちいいだろうなーとちょっと羨ましく思ったりして。

山越えの細道を越えて旧水府村エリアへ。とりあえず下調べしておいた(Tマップルに書き込んであった)蕎麦屋「天下野」さんへと到着です。すぐ近くにはこのエリアの有名温泉施設があるんですが、お店の看板があるわけでもないので知らなければこりゃわからんわ。ちなみにここ奥久慈エリアは案外知られていませんが蕎麦の大生産地なのであります。

お店はまだそこそこ新しく、屋外のテラス席も用意されていました(さすがに気温が30度オーバー状態ゆえ即パスしましたが)。それにしてもお値段安めっ!(左上画像マウスオン)。この界隈では十割蕎麦がそこそこあるのですからかなり嬉しいです。

それと、今回はオーダーしませんでしたがこの界隈では「けんちん蕎麦」が地域のデフォルトであることも見逃せません。熱いけんちん汁と冷たいお蕎麦‥次回このエリアを訪問する際には是非味わってみたいです。

もっともこの時はほとんど地元常連さんばかりのようでしたが誰も頼んではいなかった‥やっぱり暑いこの時期は地元の方といってもちょっと敬遠しちゃうのかも。

そんなわけで食後は「たぶんすぐ近くにあるだろう鉱泉宿」を目指すのですが‥まだ導入して1年経っていないカーナビにお宿の電話番号を入力しても見つからない‥。あれーおかしいなと思いつつも、ネットで探しておいた「このあたりだろうマーク」を探りつつじわじわ進んでいたら‥停車してアナログ地図を見直していたところでおしんこどんがこう叫びました。

おおー、おしんこどんに大感謝!Takemaには全く目に入っていませんでしたし、そもそも入口の看板文字がだいぶ色あせていましたから気付けなかったのかも。ちなみにわれわれは南下しながらの発見でしたが、水戸方面から北上してきたら看板はあるのでしょうか?

県道から800mもの細道(ただし舗装済)を上がり、最後の最後で鋭角のダート(カーブ外側が大石の敷き詰め)なので「こりゃブラックバードなら切り返し必至だな」と思いつつ何とか駐車場へ。しかし駐車場からの外観は「へ?ここって本当にお宿なの?」と思わせる民家系の雰囲気が。まぁ途中に右上画像のような幟がたくさん立てられていたので不安にはなりませんでしたが。

さて駐車場におられた先客さんはどうやら地元の方のようで、その方と一緒に宿の母屋(自宅側)に進み、おかみさんとの地元会話を勝手に伺いました。で、その先客さんが

と説明して下さるまで、どうやらおかみさんはTakemaのことを「先客さんの縁者」と完全に思いこんでいたようです。二歩くらい下がったこちらの顔を見ながら「今年のジャガイモはまぁまぁだね」とおっしゃっていた記憶がありますんで(笑)。

さて先客さんの応対が済むとお宿の方へ通されました。と、建物の外見とは裏腹に(失礼)、玄関部分およびお宿の内部はしっかりリフォームがなされており何だかかなりいい感じです。



小綺麗な隠れ宿的な雰囲気がありました。

さて広間に通されたところで女将さんいわく「さて、何にしますか?」と聞いてきます。そういえば用件を切り出す機会もないままこの広間まで来ちゃったもんなぁというわけで「あのぉ、お風呂に入れていただきたいんですが‥」と申し上げると、「え、お風呂なのかい、今日はまだ湯を張っていないから‥30分くらい待ってもらえれば」とのこと。どうやら日中にこの宿に来るお客さんはお蕎麦目当ての人がほとんどなのでしょう。

なお30分という待ち時間はそう長いものでもないので、この広間でのんびりと待たせてもらうことにいたしました。お茶をいただき、刺身こんにゃくもいただきましたが(右上画像マウスオン)、今考えればこの休憩が(笑)。うーむここでお蕎麦を食べることにするんだった‥(後述)。

そうこうしているうちにお風呂の準備が出来たようです。そんなわけでお風呂場へ進んでみると‥



浴室もリフォームの対象になっていたようです!しかもこだわりの総ヒノキ造りで、これだけでもかなりお金かかってるぞ‥。そんなわけで思いもかけぬ僥倖に「よし、それならきっちりと全身全霊を洗い清めよう!」と決意し、急いで車までシャンプー等を取りに行ったTakemaでありました。

ちなみに脱衣場には「水質分析報告書」が掲示されていましたが‥

よく見てみると、「試料の種類」の欄に「給水・給湯水」とあり温泉とか鉱泉とかの表示ではありません。「採取場所」の欄には「西金砂山」とあり、おそらくは湧水なのでしょうが成分的に温泉法の規定に届いていないということなのでしょう。ちなみにわたしは温泉法に詳しくないのでこれ以上突っ込まないで下さい(笑)。

ちなみにしばらく源泉の方を出しっぱなしにした上で計測してみましたら19.7度でした。もっと冷たく感じたんですけれどねぇ。だってさっき21.0度の「湯」に結構普通に浸かってきたんですから(笑)。ちなみにおしんこどんは「トイャー気合いじゃー!」系でしっかり源泉を浴びていたようでした(笑)。

まぁでも全身を清め、湯上がり後もかなり広間でのんびりしたのでいいかな。そんなわけでお会計をお願いすると‥

えーそりゃないでしょと内心では思いつつも、事前に料金を確認していなかったこと、われわれのために湯を張ってくださったこと、そして「こういう宿の維持管理にはお金がかかるんだ(リフォームしてるし)」というようなことを勘案して「ハイわかりました」と素直にお支払いした次第です。ちなみに立ち寄り湯だと700円らしいのですが‥嗚呼2000円/人(笑)。ここでお蕎麦を食べていたら食事代と入浴料で済んだと思うのですが‥ま、これも「勉強」でしょ!しかし最初に料金を確認しておくべきだった(笑)。

気を取り直して(いや別に落ち込んだりしてはいませんでしたが)再度出発。車の車外温度計は34度を表示しており、こりゃバイクだったら干物になりそうです。で、この日最後に立ち寄ったのが「出羽の湯温泉 宝来館」でありました。木勢旅館から結構近いんですけれどね。

県道から幾分奥まった場所にある宝来館は一軒宿ですが、ここでも手打ちのお蕎麦が食べられるみたい?これまで全然知らなかったのですがこの界隈の多くの宿ではお蕎麦を出すのがデフォルトのようですので、この界隈を目指す場合は常陸太田市発行の「蕎麦道」なる小冊子を手に入れるのが大吉だと思います。かなり使えそうですよ(最新版は2010年10月29日発行のようです)。もっともわれわれはここ宝来館さんでそれを手に入れたわけですが。けんちん蕎麦も今度は食べてみるぞー!

玄関に置かれていた先客さんの靴の数が気になりましたが、どうやら宴会中なのかお蕎麦を食べておられるだけなのか、とにかく浴室には誰もいないことがわかって一安心。そんなわけでこちらも鉱泉の加温循環湯ながらちょっといい湯ざわりらしいのでいざ入浴行動開始!

男性浴室はこんな感じ、数名同時に入れそうな広さのタイル貼りの浴槽内には噴湯ジャグジーが2箇所。ジャグジーは結構うっとおしい存在なのですがまぁ循環のためにはやむを得ないでしょう。ではではささっと身体を洗った上で湯に浸かることにいたしましょう。

実はこの近在の鉱泉宿はPH10.0を越える高アルカリの源泉を持つところが少なくありません。必ずしも「高アルカリ=ツルツル」というわけではありませんが、やはりツル系の湯は常陸太田に多い?こりゃ今後もうちょっと調べる必要がありそうです(嬉笑)。阿武隈北部の鉱泉宿を探訪できなくなってしまった今、南部にこういう鉱泉宿があることを知ったというのは何とも嬉しい話なのであります。

しばしはジャグジーの水流に身を任せておりましたが、やっぱり源泉を投入して楽しんでみなきゃというわけで一気に投入!しかし‥浴感は大して変わらなかったのでまぁいいやということで投入ストップ。ま、無理にボイラーに火を入れてもらうのも申し訳ないですからね。

ちなみに源泉はご覧の通りの無色透明湯ですが、ツルツル感はしっかり感じられます。浴槽内の湯もあまり劣化していないのかな?あ、右上画像は女湯の浴槽です。やっぱり小さいですが、源泉を投入すれば男湯以上にかけ流し気分が味わえるのかも。そんなわけで最後の最後に源泉を「ぐはぁっ!」と何度か浴びた上で本日の湯めぐり活動終了といたしました。

帰りは那珂IC経由、休憩なしで一気に自宅まで。袋田の滝の紅葉が始まる前あたりに今度はバイクで来てみたいなぁ。
[戻る]