− その4 景勝見物のあとこの日の白眉たるポリバス湯、上がり湯に那智勝浦温泉「はまゆ」 −

こ、これってどういう浸食でこうなったの?拡大するともっと凄いんです。

さて気がつけば南紀最南端の串本町までやって来てしまいました。そもそも「このあたりまで実家から日帰りは無理」と心得て宿の連泊予約に至ったわけですが、女性陣にとっては宿でのんびりしてもらっていた方が良かったのかなと申し訳ない気持ちになり‥ますが‥‥でも懲りない性格なんです!(苦笑)。

で、こちらは虫喰岩、県だか国だかの天然記念物に指定されています。でもこの穴の開いた岩が何で天然記念物なのかというと、それは近づいてみればみるほどわかります。


この岩場は凝灰岩で出来ているそうです。わたし自身最初は「元々サンゴ礁だったところが隆起したところでカルシウム分が溶け出して云々じゃないかな」と思っていたのですが、凝灰岩はそもそも火山由来の岩石だということなので焦ってすぐ却下(文系丸出し=文系に強いわけではなく理系科目が弱い人間を「文系」と呼ぶのがこの国の習わしです(苦笑))。

で、両上画像にマウスオンしてもらうとそれぞれ拡大画像に変わりますが、驚くべきなのは浸食の深さ。「これってその名のように虫や鳥や動物が掘ったんじゃないの?」と思われるほどに穴が深かったりするんです(全部じゃないですが)。学術的説明ではあくまで風水蝕ということで、いやはやこれはすごいや、ここを見に来たつもりじゃないけれど結構満足度高し(笑)。しかし暑いね。



そんなわけでいざ「本日の最終最大の課題地」付近に到着です。車をゆっくり走らせて「あ、あれか!」と目指した先にあったポリバスは悲しいかなただのポリバスでした(笑)。というか源泉ホースのかけらも見つからなかったし、ここはかつてここにあった家の跡地なのかなと。

メイン道路沿いにはそれらしきモノがなかったのでここからは細道探索、でもねぇあぜ道を何とか拡張して造ったと思われるコンクリ舗装の道路が結構車幅ぎりぎりにぐるぐる続く‥うわ!

というわけで面倒くさいことになりましたが、どう考えても地元関係者優先の道路なのでしょうがないです。くねくね道を実感60mくらい戻ったところに何度か切り返しすれば回れる場所があったので、おしんこどん誘導により何とか転回完了。ふぅ、でもここじゃなかったのね‥やばい、ここまで来てロストだけは避けたいぞ!(笑)。

そしてその後しばし、Takemaの湯勘と運と客観的消去法により‥




(「そんな簡単に人生を捨てようとしていいのか?」とお感じになったあなた、大正解!)

見つけてみれば「なるほどねここなのね」というような場所でしたが、ここに至るまでのうろうろにおしんこどん母を連れ回してしまってごめんなさい。しかもこれから行われるかも知れないかの儀式‥いやちょっと待て「安全および公序良俗確認」が必要です!

というのもこのポリバスは間違いなく公道の脇(の側溝の真上)に位置しています。ついでにいえばかなり危なっかしい感じで何とか安定を保った状態でもあります(でも案外あれで安定しているのかも?)。

そしてさらに、事前に調べた情報通り近隣には民家があります。手前にあるのは倉庫とおぼしき感じ建物なのですが、ポリバスの奥には結構大きな(しかも築浅系の)2棟が。しかーししかし、でもですね。




というわけで安全確認はこれにて終了(笑)、いよいよ入浴準備作戦行動に移行します。まずは作戦目標物の現状確認、わかりやすくいえば源泉の投入状況及び湯温の確認という重要度の高い簡単なミッションです!



発見時においてポリバス上縁からの源泉溢出は見られず、おお、でもしかしパイプからは大量の投入が行われている模様であります!その源泉はポリバス底の排水口から大量に漏れ出ている模様!以上報告終わりっ!

あ、自衛隊の報告ふうに記載するのも慣れていないのでTakema標準体に戻します(笑)。基本的に亀裂云々からの漏れについては源泉の投入量からしてほぼ問題なしでして、一番のネックはやっぱり底の排水口です。ちなみに横2穴のうち1つ(下の穴)にはホースが直結されており、おそらくは農業用水等に利用されているものと思われます(右上画像マウスオン)。

そしてそのあたりをよく見ると、だいぶ薄れてはいますが黒マジックで「下の黒いパイプを抜かないで(ください)」と書かれていますので、これは抜いちゃ駄目ですよ。あとから来る人のためにもよろしくです(って、どんな人が来るのかといえばおそらくワタシみたいな人くらいなんですが)。

で、怒涛の源泉流出をどうするか?これについてはフクイチでも2013/8現在大問題になってはいますが、こちらの場合は魔法の布=車に常置してある雑巾にて流出を食い止めることに成功!あっちでも比重の重い粘着物質を投入したりして何とかなってくれませんかね?




続いては源泉温度の確認(左上画像マウスオン)。なるほど30.3度とは夏向きだというか夏じゃないと入りたくないぞ(しかし結構いろんな人がいろんな季節に入浴を敢行しているようにも思えますが(大笑))。

さてそんなわけでほどなく湯がポリバスに満たされます。右上画像にマウスオンしてもらうとわかりますが源泉パイプからの投入量はかなりのもので、家庭用ポリバスにはすぐに湯が溜まるんです(隙間から漏れ出ているのはご愛敬)。

ではでは、とにかく最終ミッションやったれ大作戦行動発令!それはつまり‥





ホントに全くしょーがない。誰かが来たらどうするの?え、その時の対応はその時考えれば済むことだって(苦笑)。でもたぶんここらの人からすれば「あー、また変わった趣味の人が来てるね」くらいのものかもしれませんが(笑)。



ということで本日最大のワイルド系ミッションもCompleted!すっかり満足して(&おしんこどん母のあきれ顔は見ないようにして(笑))再びR42を那智勝浦方面へと戻っていくのでした。

賀ですよ、純粋な野湯ではないにしろ野っぱらの湯に浸かったということはもしかしたら身体がちょっと不本意に汚れちゃったかも知れませんよね、となれば、やっぱり清潔なお風呂で身体を洗い流さなきゃイケナイというのはアインシュタイン的精神肉体健康増強法からいっても理の当然ということになるわけです(ありもしない根拠を楯にしてきっぱり)。

ということで、よーし勝浦温泉に入ってから帰ろうっと!(このわがまま放題なワタシを何とかしてください=Takemaの天使側の心の叫び。あ、もう1人邪悪側のヤツがいるんですけれどね)。



しかーししかし、那智の神はこの日のTakema行動をしっかり見ておられたということでありましょうか。途中迷いながらも喜び勇んでやって来た「脇ノ谷温泉」は‥ん?れ、れれあれれ?(左上画像マウスオン)。

あっちゃーそうなんですか!(無念)。そうなんですかぁしょうがないなぁ、じゃ、メインの公衆浴場たる「はまゆ」に行きますか!(全然へこたれてない=こういうところだけは打たれ強い)。




何だかとってもファンシーな湯のれんが掛けられた「はまゆ」。どうも周辺に駐車車両が多くて「混んでるんじゃないか?」と思わせられましたが、いざ目の前までいってみると男湯の上がり口あたりにのんびり座っているおばあちゃん(とおぼしき)姿を発見!その瞬間、

という計算式が成立したわけです。しかしまだあくまでこれは仮説に過ぎません。この仮説を解析証明する方法はただ1つ。いざ突入するしかないというわけです!(何と回りくどい場面進行でしょと思わないでね)。

そんなわけでTakemaが男湯方面に前進行動開始!すると、おお、中で座っていたおばあちゃんが立ち上がりました!のれんをくぐると同時におばあちゃんは番台の戸を開き営業モードへとすかさず移行!「こんにちは暑いですねぇ(Takema)」「えぇホントに。この入口は風が抜けるんでここで今まで涼んでいたんですよ(おばあちゃん)」。

それも確認済みであることはおくびにも出さずに(出す必要もないし)「ええっと、おいくらでしょう?」「はいはい、320円です」。そんなわけで料金をお支払いしていざ脱衣場方面へと進むと‥そこにはのぞむべきパラダイスが広がっておりました!







あのですね、ここで今回の「湯めぐり帰省」、世間的にもお盆ウィークまっさかりの8/11(日)からこの日8/14(水)の入浴環境を意味なくふり返ってみましょう。何だかすごいんです。

実はこの翌日「貸し切りタイムあり」「完全貸し切り」の2湯が追加されることになるんで、基本的に今回の湯めぐり(おっと帰省か)では「貸し切りにならなかった温泉は(宿の湯を除き)1つもない!」という快挙を達成したわけです!鹿もマサカリ担いだ桃太郎もビックリの(そりゃビックリだわ金太郎ならともかく)お盆週間なんですからね。

というわけで偶然ばかりが重なったと思われる今回の湯めぐり総括!(まだ終わってないのに)。それは‥
ハイうそですよー(笑)。でも「お盆の」の部分を「真夏の」に置き換えるといい思いができる確率は高まるのかなぁと。ただしここでの「いい思い」とは多分に精神衛生上のことであり、フィジカル的には「ただでさえ暑いのに湯めぐりで汗かきまくりで血液ドロドロ」なんてことにもなりかねませんのでご覚悟めされよ(笑)。



そんなわけで最後まで後続のお客さんも来ることがなくゆっくりと楽しみました(あ、女性陣を待たせているのでかけ足‥だった?)。ちなみに最初混んでいたように見えたのは、右上画像に見えている「建物併設のかき氷屋さん」にお客さんが集結していたからでした。絵柄的に当然たこ焼きもあるんでしょうね。

そんなわけでこのあとは一目散に2泊目の瀞流荘へと戻りました。おしんこどんお母さん、連れ回しちゃって申しわけありませんでしたm(_ _)m。

さて翌日はもう奈良県中部に帰ります。しかしですね、ここ入鹿温泉瀞流荘に泊まったならば(しかも連泊だし)じぇったいに訪ねるべき場所&アクティビティがあるのです!鉄っちゃんには特にたまりまシェーンカムバーック!(古すぎ)。



うふふちらりとね(性格悪)。

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