− その9 最終日、またも新鼻から環状林道北部を走り、お洒落ランチのあと橘丸で帰京 −



前日に引き続きまたもやって来ました新鼻(にっぱな)。

朝ごはんのあと車を借り出してお出かけです。島の主要道路でまだ走っていない区間といえば、鉢巻道路たる雄山環状林道の「七島展望台以北」、せっかくだからそこも走り抜けて「走れるところはだいたい全部走った」ということにしたいところ。

そんなわけで、まずは昨日の午後に訪問した新鼻へ。前日の画像は時間的にどうしても逆光画像が多かく、絵的にイマイチというわけで再訪したということもあります。



入口には写真付きで「クライミング用ハーケン打ち込み禁止」の看板が設置されていました。その是非については論及しませんが、そもそもただでさえ脆い火山灰土ゆえ壁面に打ち込むハーケンの支点強度はあまり信用できないんじゃないか?と思ったりも。

都道と海岸との間には若い林(人工林?)が続いており、ここには多くの野鳥が暮らしているようでした。これはこれでいい感じかも。で、そのエリアを抜けると黒砂スコリアの「砂漠」となるわけです。



まぁこの行動は前日と全く同じなんですが、一度来ているだけに安心感があります。縁までいっても大丈夫かとか。

そんなわけで交代で新鼻の先っぽまで行ってきました!




(デフォルト画像にはおしんこどんが写っていますが、上画像マウスオンでTakema画像に変わります)

光線の具合とカメラが違うのとで色合いがずいぶんと違って見えますが、実際の色はこのページトップの画像が一番近いように思います。この場所まで「自己責任で」自由に立ち入れる、三宅島の太っ腹に感謝です。離島ゆえの管理状況だと思いますが‥。





バンジージャンプのように「一定の安全が担保されている(それでも事故の可能性を完全に排除することはできませんが)」施設とは違い、ここ新鼻はご覧のようにスコリアによる堆積丘で、現在の形は間違いなく波の浸食によって出来上がったものです。となれば、この時立っている場所とて「いつ崩落してもおかしくない」わけで‥。




(独立行政法人産業技術研究所内サイト内、このPDFファイル内画像の引用です(12ページ目))

新澪池の噴火と連動する形で起こったここ新鼻付近の海底火山噴火がとてつもない規模だったことがわかります。ちなみに上記PDFファイルは1983年の噴火状況を知るのにかなり参考になりました。



その日のこの場所はもちろん地獄絵図だったはずですが、この日は実に穏やかなものでした(当然)。



Takemaは安全地帯で、おしんこどんは帰り道でそれぞれ「ヤッタネ!」のポーズね(笑)。

このあとは雄山環状林道に上がり七島展望台への分岐まで。昨日もそうでしたが誰の姿もなく、廃墟となった建物を見ながら時折オートで鳴るセンサーの電子音を耳にしていると、自分たちはここにいていいのか?という気分にさせられます。もちろんここへの立ち入りはまったく合法なのですが。



あらためて見てみると、牧場の管理事務所だったらしい建物は廃墟と化していました。この周辺施設はおそらくこのまま残されるのでしょう。もちろんそれについての異論はありませんが、内部に放置されたもののうち、劣化によりよろしくない状況を招きかねない「液体入りプラスティックボトル」などはそろそろ撤去すべきではないかと‥(何が入ったボトルかはわかりませんが‥右上画像マウスオン)。



ちなみにお手洗いは新設ゆえ綺麗です。水洗ですが水は下から補給しに来るのでしょう。ある意味いざというときのシェルター施設としても機能させるのかなと思ったのですが、左上画像の屋根を見ればわかるとおり天井は採光用の半透明プラ製です。いざというときはやっぱりお隣の廃墟のほうが安全そうですね(施設には通電しているようなのに何でこの屋根にしたんだろう?)。


さてここからは時計回りに環状林道を半周します。昨日の区間と合わせて1周したいところですが、東側部分は崩壊しているということですからしょうがない。右上画像に見えている三本岳くんもとりあえず見納めです。



ちょこっと走ったところで阿古地区方面に下る支線林道を少し下り、鉄砲沢の砂防堰堤へ。この下流が阿古地区にあたるため土石流を防ぐために設置されています。そしてその近くには無人観測所も(右上画像マウスオン)。



再び環状林道に戻って時計回りに北上します。細いとはいえ快適な舗装路だったのは伊ヶ谷地区への分岐までで、そこから先は完全な未舗装林道となりました(予想外)。ちょっと荒れているところもあって、「ここはまぁ乗り越えられるけれど、その進んだ先でにっちもさっちもいかなくなることだってあるよな」とちょっと躊躇したりもしましたが、アカコッコ館の係員さんが「行かれます」とおっしゃっていたのだからと意を決して進みます。結果、路面状況がやや悪いのはその1箇所だけでした(安堵)。



北側中腹を進む道ですが、両側には樹木が生い茂っていて展望はよくありません。展望台方面から来た場合、一般的には伊ヶ谷方面に下りてしまった方がいいでしょう。一方で、ここから先はそこそこの林ですからバードウォッチングなどにはいいのかもしれません(わたくしTakemaにはこらえ性がないのでその方面の趣味は無理です)。



ちなみにこの環状林道より内陸側はご覧のように立ち入り禁止区域となっています。この林道を走るというのは同時に規制区域のボーダーラインをなぞることになるわけです。ただし雄山の東側部分は崩落等で通れないそうなので、北側のどこかで下界に下りなければ‥(宿の方によると「この先通行止め」等の明確な標識は設置されていないらしい)。



というわけで北西部まで来たところ。ここからは土佐林道経由で釜の尻集落へと下りることに。坂道を一気に下って都道に出てきました。以下にここまでの区間をまとめた動画がありますが、さして見るべき情報は含まれておりませんので念のため(記録用みたいなもんです)。


さてこのあとは早めのお昼ごはんです。ネットで調べていたら、空港の近くに「三宅島随一の瀟洒なお店」があるようでしたので行ってみることに。



何だかカリブ海の海沿いにでもいるような気にさせられる外観です(行ったこともないですが)。店内に入るとなぜか一番出入口に近い席を指定されまして、一瞬「窓際の席とかまだ空いているのにどうしてここ?」と不思議に思いましたが、実はこの日、他の席はすでに事前予約で埋まっていたようなのです(びっくり)。現に自分たちの次に来たグループは「申し訳ありませんが予約を含めて満席ですのでお待ちいただけますか?」と言われていました。うーむここでも「先んずれば即ちお昼ごはんを制す」の法則が適用されましたね、セーフ(笑)。



店内はさほど広くはありませんが凝った調度品などもあります。さてオーダーは‥(右上画像マウスオン)。おしんこどんはHのグリーンカレー、TakemaはCのボンゴレを注文いたしました。ちなみにアルファベット順なのに「D・E・G」が欠番なのはなぜだろう?



そう長く待たされることもなくそれぞれのプレートがサーブされました。うん、どちらも適量でしたし美味しかった!このお店を選んで正解だったぞ。

というわけでランチ後は車をお宿「夕景」さんまで戻し、今回の三宅島うろうろ編も終了です。となれば!





こらえ性のなさがさっそく飲酒行動として顕現化しました(笑)。なお、この日の橘丸着岸港は三池でも錆ヶ浜でもなく伊ヶ谷港なのだそうで、しばしまったりしたあと宿の車で送迎していただきました。あ、さっきまで自分が運転していたこのステップワゴンでね(笑)。

何でも伊ヶ谷港が東海汽船の発着港となったのは比較的最近のことだそうで、2000年の噴火に伴う全島避難後、港湾整備が行われたあとなのだそうです。この第三の港ができてから大型客船の三宅島への着岸率も上がったということで何より(ただし御蔵島・八丈島についてはかめりあ丸時代も現在の橘丸も着岸率に目立った変化はないそうです。着岸可能性は船の性能ではなくやはり港の状況次第ということなのでしょう)。



小さな待合所で乗船券を購入します。と、ここでお宿「夕景」の奥さんから「ちょっとしたサービス」をご提供いただき、なぜか割引料金\4,520でチケットを購入できました。通常料金は\6,000を越えてますから、2人で約3000円ほど浮いたことになります。たまたま時期的に運が良かったわけですが、大変ありがたかったです(通常のサービスではなく運が良かっただけですので念のため)。



そうこうしているうちに橘丸がやってきました。2等室とはいえスペースは確保されているので、安心して乗船列のほぼいちばん最後に並びます。うわ、いいバイクが停まってますねぇ。



御蔵島をロストするという残念なこともありましたが、まぁいざとなればヘリもあるしというわけでいずれリベンジできるでしょう。三宅島、結構楽しかったぞ。



そんなわけで伊ヶ谷港を無事出港です。この日の海は凪いでいて、竹芝までほぼ揺れを感じることなく帰ることができました。三本岳や伊豆岬灯台ともおわかれですね(両上画像マウスオン)、そして‥。





さて竹芝までは約6時間の船旅です。とくれば、まぁまずはこれですわな。



船内レストランにて旅の打ち上げ乾杯です!(左上画像マウスオンで「たこ唐揚げ」画像に変わります)。ちなみに橘丸の船内レストランでは、船の利用者の「実用上の利便性というか実需要」を十二分に考慮しているのでしょう(笑)、通常のお食事系以外の「お酒&おつまみメニュー」のラインアップが大変充実しておりました。だってさ、




このあとは船室に戻ってひと寝入り。で、Takemaはふとトイレに起きたとき、またも「レストラン再開店です」との放送があったこともあり、





そうこうしているうちにも船は東京湾内をじわりじわりと進んで行きます。行き交う船や羽田に着陸する飛行機の姿を眺めているうちに辺りはすっかり暗くなり、そして‥




(上画像マウスオンで東京タワー画像に変わります)

まぁ平日にこれだけ遊びまくったわけですから十分でしょうか。というわけで、伊豆諸島のうち残すは「利島と御蔵島」だけとなりました!どっちも難関系ですが(ついでにいえばどちらの島にも温泉はないのですが)、また機会を見つけて行ってみまーす!以上で2015/3伊豆諸島南部編終了です!

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