− 2015/6 佐渡島(9) 山越え後トキの森公園へ、最後の1湯タンノー後一気に帰路へ −



道遊の割戸の裏側はガレガレでした。しかしそちら側にもしっかり採掘抗があるのですね。


ここからは大佐渡スカイラインを上がっていきます。大佐渡山脈(佐渡北部の脊梁山脈)を超えられるルートはこことドンデン高原経由の2本あるわけですが、ドンデンの方は外海府側がいつ開くかわからないので(今年は6月下旬に開いたようですが、遅い年には9月なんてことも)、佐渡市は明らかに「スカイラインを通ってね」という誘導を行っていると思われます。

で、確かに幅も広くて整備されたワインディング路を、軽自動車ゆえブイブイとエンジンをうならせながら上がっていくと‥





そもそも自生でないことは間違いないですが、やっぱり標高が高いので花期がちょっと遅いんですね。というわけでこの年(2015年)のように大野亀のカンゾウが終わり気味の時はここに上がってくればとりあえず「それらしい画像」は撮れますのでご参考までに(笑)。



海は写り込みませんが天空が入ります。ついでに仲よさそうな夫婦も演出ね(大笑)。

なお当然下界のパノラマも望めるはずではあるのですが、今回の旅行中は基本的に「うすぼんやり」だったので割愛。視界がいいときは北アルプスの連山まで見えるらしいですが、この時は直下の佐和田ダムや海岸線を何とか特定できるレベルでした(まぁ一度も雨が降らなかったので十分ありがたかったのですが)。

で、道路最高点に近づくに至り、山上にある構造物がどどんと。





このあと白雲山の駐車場にて、偶然観光ジャンボタクシーで到着なさった方々にドライバーさんが「ここは北朝鮮の動向ににらみを利かせていて、北朝鮮からミサイルが発射されると数秒(だったか?)でその動きを捕捉し東京の防衛省本部に伝えているんですよ」との説明を捕捉(笑)。

でも登山者の場合自衛隊の管理地内道路は事前に申請すれば通行可能というのがいかにも日本らしいわけです。とてつもなく重要な防衛施設たるレーダー基地内を申請すれば普通に歩けちゃうってどういう感覚なのかと。



というわけで白雲台のパーキングへ。左上画像の分岐のうち左側へ進むのが大佐渡スカイライン(今上がってきた道)、そして右にカーブしているのが自衛隊専用道路です(合流部から下は一般と共用)。

さてそうなると、分岐の先にあるゲートまでは行ってみたくなります(やめなさいって)。というわけで数十m先のゲート近くまで行ってみました。すると‥



ゲート脇には「お願い」のタイトルとともに「通行届けが必要ですよ、で、まだの方は電話してくださいね」との、とってもほのぼのとした記載が。そしてゲート脇にはわざわざ「登山者出入口」の看板表示まであります。防衛施設エリアへの立ち入りがこんなにも緩いって‥たとえば軍事大国とは思えないシンガポールでさえ、空軍敷地との境界地域にはこんな看板があったわけですし(右上画像マウスオン)。

しかしですね、このレーダー基地はいろんな対策を講じていると思いますよ。ちなみにわれわれが歩いていった正面ゲートでは‥





おそらくは山の中にも云々というのは言を俟ちますまい。自由を維持する大前提としての国防は大切です。そこをお花畑な阿呆はわかっていないとだけ申し上げておきます。



ちなみにこちらの営業は初日にフレンチランチをいただいた「La Plage」を含めた営業をしている「Ryokan 浦島」さんのようですね。私営ポストは朱鷺の一木造りと思われ好感(右上画像マウスオン)。

ところで今回の旅行計画時、佐渡島内のいろいろな元公的施設が「指定管理者による運営」になっている&たぶんオファーがなかったと思われる施設が閉鎖されていることにびっくりしたわけですが(温泉でいえば「金北の里」閉鎖とか)、要はもう自治体で支えられない状況になっているのは自明のことであるわけです。

そうなる見込みを無視してハコモノや無駄な整備事業(&補助金)をどんどん引き入れようとしたのは、もうそのほとんどが引退なさった議員&行政系の方々=今は叙勲の誉れを受けつつある方ですよね。でもねぇ何だかねぇ、



叙勲の軽重はあれど、そもそもそれらの方々は勲章をもらうつもりで公職の重鎮に立ったはずではないはず。あとからみて「先見の明があった!」人への叙勲はやぶさかではありませんが、「勤続云々」って阿呆らしすぎます。自分は公務員でも何でもないんですが、特に行政関係に叙勲人数が偏っているのをみると、新聞の「叙勲者一覧」を見るのがいやになります(もう見てませんが)。



ハイ自分でもタイプしていて嫌な感じになってきたので先に進みます(笑)。自衛隊仕様のコンクリート道路経由で下りてきたあとは、おしんこどんリクエストにより訪問を決めた「トキの森公園」へと向かったわけでありました。



1人400円という入場料はまぁ妥当な額だと思います。園内にトキのゆるキャラがいたのは(不動体)このご時世なるほどとして、トキの単管バリケード(右上画像マウスオン)にはちょっとびっくり。そうかこの手があったか(笑)。最近はカエルとかサルとかいろんなバリエーションがあるようですが、やっぱり佐渡島といったらトキですからね。



さてこのトキの森公園ですが、左上画像の通り敷地面積の半分以上は非公開です。まぁそもそもが保護・増殖目的に造られた施設ですからある意味当然か。でも、その境界部付近からは保護されているトキの姿がちらり。彼ら彼女らもやがては放鳥されるのでしょう。



続いてやって来たのは「トキふれあいプラザ」。上の方の画像に「トキまで、2センチ?」というキャッチコピーが写っていましたが、実はこの観察舎内の見学コーナーにはマジックミラーの観察窓が複数設置されています。そのガラスの厚さが2cmとのことで、トキが岩陰などにひそむドジョウなどの生き物をまさぐろうと長い嘴をガラス界隈の石の隙間に差し込んだ時、その時「まさに距離2cm」となるわけです。でもそんなラッキーなタイミングってそうそう‥あったんですねこれが(大笑)。

内部は照明を暗くしている関係上入口ドアにもフィルムが張ってあるようですが、ドアを開けて入ってみると係員さんが小声ながらやや高揚した口調で‥



というわけで「本来の順路」とは正反対のパターンでいきなり観察窓方面へ。すると‥





ガラス際の石の下を嘴でまさぐり、そして探っていたドジョウをゲット!くわえたまま少し奥の広い場所に移動して、そこできっちりと優雅にお食事タイムという目論見のようです。









ところでトキといえば「白い羽の裏側に『朱鷺色』の赤というかオレンジ」というイメージがありますが、この個体は灰色がかってます。ということでこの時は「たぶん若い個体なんだろうな」と勝手に思っていたわけなのです。でもそれはどうやら大いなる勘違いだったようで。

せっかくなので調べてみると、どうやら繁殖期を迎えるトキは、「頭部から分泌される灰色の皮脂を身体にこすりつけることによってわざと目立たないようにしている」のだとか(詳しくはこちらです。まさか拙サイトで山階鳥類研究所の論文ページをリンクする日が来るとは思いませんでしたが(大苦笑))。

でもここで素人考えながら疑問に思うことが1つ。



まぁその理由をトキに聞くわけにもいかないのでこの疑問は永遠に解けるわけでもないのですけれどね。同じことは田んぼでよく見られるサギにもいえそうな気がしますが。



このあとは本来の順路通りに観察舎全体を見渡せる2Fへ。でも人工木の枝に止まっているわけでもなく、ここはまぁあっさりと。

それよりも気になったのは右側画像の個体数です。合計377羽が登録されていますが、この佐渡島内の自然下で生息しているのはまだようやく100羽ほどなのですね。また「居場所不明」の個体が17羽いることも気になりますが、こればっかりはまぁ仕方がない面もあります。

いずれにせよこの保護事業が今後さらに軌道に乗ることを願わずにはいられません。トキの自然繁殖が進むこと、それは同時に「自然繁殖に適した環境が整うこと」を意味するわけですから、佐渡島の農家のみならずいろいろな分野での新たな取り組みを期待してやみません。



さて大所高所からっぽいエラソな物言いのあとは入口近くの売店にてごくごくフツーに塩ミルクソフト。この日は結構蒸し暑かったので冷たいもんは嬉しいなっと@300円。味は‥まぁ普通かな。

そんなわけで少しずつジェットフォイルの出航時刻も気になる時間になってきました(その前にお昼ごはんも食べたいですし)。でもまだ余裕はあるかなというわけで‥





いや誰に許しを請うわけでもないのですが(苦笑)、新穂潟上温泉へ。ここには新館の「熱の湯」と旧館の「さぎの湯」があるようですが「さぎの湯」は午後から営業ということで断念せざるを得ず「熱の湯」へ。先客さんはおらず(さすが月曜日のお昼時)、よぉっし佐渡最後の湯をタンノーするぞ!



お湯はスベスベ止まりの浴感でありました。うっすらの塩素臭はまぁしょうがないのですが、源泉温度(43.8度)と湯量(208L/min.)とを考えると一部でも何とかかけ流しにできなかったのかなぁと少し残念(いや、今からでも出来るはずだよなぁと期待千万)。




薄い笹濁りのようにも見えますが実際は透明湯で多少は黄色みを帯びているのかも知れません(右上画像マウスオンで無意味なジャグジー画像に変わります)。成分は12264.2mg/kgとそこそこ濃厚なのですが(ナトリウム-塩化物泉)、それほど浴後の大汗小汗感がなかったのが不思議です。確か加熱かけ流しと循環併用だと思いましたが。



湯上がりに、ついつい佐渡産のサクランボを2パック購入。もうこのあとは帰るだけですからおみやげも買いたいですし、こちらの温泉=ほぼ地元の方しか来ない場所で売られている産品はまずそこそこのはずですからね!

このあとはまず両津のFTに行って乗船券を購入(満席の可能性はまずないとは思っていましたが、平日ゆえツアーの団体とかがドンと入っていたら困るので昼食前にキープしました)。



それにしてもターミナルに続くこの「おみやげ街道」はなかなか壮観です。はいチケット購入完了。



このあとは近隣のスーパーで佐渡乳業のカマンベールチーズほかを購入した上でFT前にてレンタカー返却完了。3日で359.1kmとはそこそこ走ったのかな?(ちなみに佐渡を一周する県道45号線の路線長は167.2km)。

このあとは案外選択肢の少ないターミナル前にて「最後は寿司で〆ますか!」ということにいたしました。



お寿司とちらし、ただし当然ながら使っているネタのでもとは同じなので「おお、そっちにはソレが!」というようなトキメキはありませんでしたが、それでも新潟駅構内の某寿司屋さんよりはぐっと美味しかったです(たぶん)。



結構ぎりぎりまでのんびりしたのでジェットフォイルに乗り込んだのはほぼラストだったと思います。往路と同じく2階席でしたが、さすがに平日ゆえ船の中央席は誰も座っていませんでした(右上画像マウスオン)。団体さんもいなかったので「静かに」佐渡を離れます。



そんなわけで一気に新潟港へ。やっぱり日本海の海の守りの要衝なのでしょう、海上保安庁の艦船が2隻待機&移動しています。「え、2隻って?」とおっしゃる方は右上画像マウスオンね。



到着後は航路ダイヤに接続しているバスで新潟駅へ。待ち時間が少ないということで焦って乗車しましたが、何だよこれならすぐ目の前の喫煙所で一服できたよなぁ(苦笑)



最後は16:15発の新幹線で帰りまーす。自由席は案外新潟県内移動の出張ビジネスマンも多かった気がしますが、結局満席になることはありませんでした(平日だし)。ちなみに北陸新幹線の開業で「上越新幹線の支線化」を危ぶむ声を耳にもしましたが、そりゃ越後湯沢経由の旅客は減ったのかもしれませんが、是非「わが道を往く上越新幹線」であってほしいものです!

というわけで2015/6の初佐渡訪問編終了です。あれもこれもと欲張ってあちこちをかじりつつ回ったわけですが、同時期に訪問できるとなれば羽茂まつりと草薙神社の薪能をメインにして、泊まりはかもめ温泉で楽しみたいぞと心新たに意欲を燃やすTakemaであります。でも数年以上先ですけれどね。というわけで最後にひとこと!



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