【2016/3 南相馬〜釜石+栗駒・東鳴子】

− その7 まさか洋上で餌やり体験ができるとは!(笑) −



別の場所へと移動します。なお、出島大橋の架橋予定地は上画像正面の場所なのだそうです。



女川側の半島部と出島との間の「海峡」は、結構交通量が多いです。お、シーパル女川汽船のフェリーが出島港に向かって進んでいきましたね。さてそんなわけでやって来た次の目的地とは‥





そう、Aさんご一家はホタテ貝だけじゃなく銀鮭の養殖も営んでおられるわけなのです。もちろん海上の生け簀ですから一般人が間近でじっくり見学できることなどないわけで、やったぁひと粒で二度おいしい!(あれ?ええっと、これ何のキャッチコピーだったっけ?と思って調べてみたら、グリコのアーモンドキャラメルだったか‥でも実はそんなに好きでもなかったことなどを脈絡なく思い出しましたわ)。

でも、銀鮭施設見学の前にAさんがすぐ脇のロープをたぐり寄せ、また何かを見せてくれるようですよ?



ウィンチで引き上げたロープ、そこに結びつけられた紐にはそれこそいろんな着生生物が付いてます。右上画像は‥うわ、まだ小さいながらメカブじゃないですか!さらには左上画像マウスオンで出てくるのは‥ムール貝(ムラサキイガイ)です。Aさんに伺ったところ「(ムール貝も)食べますよ」ということでしたが、特に積極的に食べるというわけでもなさそうでした(だからこんなに付着したままのわけですし)。

ちなみにどこのムール貝でも食べて安心というわけではありません。ここは外洋に直接面していますから通常は問題ないでしょうが(それでも時に貝毒による出荷停止とかがあります)、東京湾内のムール貝などは「恐くて食べられたもんじゃない」という情報もあるようです(実際どうなのかは各自でご確認下さい)。

で、上がってきたのは‥







Aさんのところではホヤ養殖を行ってはいないそうで、「これはもらい物です」とのことでしたが、何とそんな自家消費用のホヤまで剥いてくださいました!(感謝)。「まだシーズン前ですから身が薄いですが」ということでしたが、




(左上画像マウスオンでおしんこどん画像に変わります)

ええっと首都圏の居酒屋でホヤ酢なんぞを頼もうものなら(以下略)。というか、ホヤ酢をメニューにしているお店自体それだけ良心的というかこだわりのお店ですけれどそれでもね‥。さて続いてはいよいよ銀鮭の生け簀へと移動します。生け簀の脇にしつらえられたテラスへと上がったわけですが‥



当然ですが銀鮭軍団が水面に跳ね上がってきて「Takemaくんおしんこどんさんコンニチハ!」と挨拶してくれるわけなどないわけです(苦笑)。でも時々水面で跳ねたりするのでここにいるのは確かです(これまた至極当然)。いくつかある網生け簀にそれぞれどのくらいの銀鮭がいるのか伺ってみると、


(企業秘密系だと思われるのでボカシ加工しています(笑))。

ということでびっくり!しかしそうなると養殖ゆえ餌やりも大変でしょうと伺ってみると‥





しかし餌やりが自動化されているとはいっても、たとえば自宅でスマホアプリを起動させ「ハイ、餌やりを開始しまーす!」というところまで世の中は進んでいません(そういう方向に向かいつつあることは認識していますが)。また、その日の水温や前日までの食べ方など、当然ですが生き物相手ゆえさまざまな情報を総合して考えなければなりません。よってAさんは毎日ここに来て餌やりをなさっているということです!

また面白い話を伺いました。養殖ゆえ稚魚を国内各地から購入して生け簀に投入するそうなのですが、それまでの生育環境がそうさせるのか、食べっぷりも各生け簀ごとに違うのだそうです。「こっちはよく食べますが、隣はそうでもないんですよ」とおっしゃっておりました。おかれた環境は同じでも、やっぱり「育ち」ってあるんですねぇ。

さて、その餌やりも完全に自動でやっているわけではないようです。テラス上にはスコップも用意されておりました。しかもAさん‥



というわけで手動餌やりの見学までさせてもらうことができました!(感謝感激)。



Aさん、慣れた感じで器用にスコップ給餌をこなされておりました。というわけでわれわれもちょっとだけね。



ちなみに餌のペレットなのですが、国内企業の産品なので変な抗生物質とかが入っていることも一切なく、逆に「へー、こういうの(企業秘密)を配合するんだ」と、別の意味でちょっと驚きました。なかなかやるじゃないのさ!

動画の声にもありましたが、銀鮭にとってはイレギュラーな時間なのに結構食べていたようです。おそらくこの生け簀内の銀鮭は「一番食欲旺盛」なグループだったのかもしれません(笑)。

なお、銀鮭の養殖についてちょっと複雑な勝負関係のお話も伺いましたがここでは書きませんというか書けません。言われてみればホタテと違ってアレですから最後にソレならナニですよねぇ(半世紀も生きてくるとこそあど言葉が達者になってくるわけですよ)。

そんなわけでフロート上のテラス三昧をあとにする時間となりました。



たった20分ほどしかいなかったのに「名残惜しい」気持ちになるから不思議です(笑)。

それにしても、あらためて思ったのがここ女川、そして三陸の海の豊かさです。たった3-4ヶ月でホタテをあれだけ大きく成長させる豊かな海、そして給餌養殖とはいえ、あれだけの数の銀鮭を変な小手先なしに(密養殖ゆえ病気の蔓延が一番怖いはずです。海外の養殖現場では餌に抗生物質を混ぜることもあるらしい?)元気に育て上げる三陸の海。世界三大漁場という名は伊達じゃない!その豊かさに脱帽しました。




(何だかものすごく尊大な発言のように思えますがお気になさらずに)。

ちなみに帰宅後、地元のスーパーで「三陸産 銀鮭」を購入しました。脂のノリがよく、ムニエルとかに最高な食材だなと実感しました(もっともこの日は焼いて食べたのですが)。女川、そして三陸の海の恵みを皆さまもぜひ!(強く宣伝)。

さてそんなわけでいよいよ漁港へと帰ります。と、ついつい気になったのが操船のリモコンでありまして、最後にそちらのリモコンで操船レバーがしっかり動いている動画をご覧いただきましょう(自分としては鉄人28号をホーフツとさせるこの動きが大好きでした)。





約2時間半の洋上体験、これにて終了です。楽しかったぁ!

とにかくわれわれ(というかTakema)のそもそもわがままな申し出を快く引き受けてくださったAさんにとにかく感謝です。ちなみにAさんは震災後に漁業者の道を歩み始めたのだそうで、現在のお仕事が今後も順調に進み、さらなるステップへと歩まれることを心から期待しています。そのほんのわずかなお手伝いが2016TakemaキャンプでのAさんホタテ振る舞いですが、それこそほんの僅かなので‥。

そんなわけで帰港完了。もちろんAさんとも写真を撮ったのですが、ここでは載せずにおきます。それよりもAさんが育てたホタテに再会しましょうっていうことで!



本当に、ほんとうにありがとうございました(感謝)。

さて、陸に上がったわれわれはお昼ごはんも食べたいし。とういうわけで数日前に両陛下もお越しになったという「女川シーパルピア」商店街へと進みます!(ルート的には戻るコースなのですがそんなの言いっこなしで)。

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