- その7 おまけで年始の初湯行は湯河原と芦ノ湯 -




あけまして富士山、おめでとう富士山(意味なし芳一)。

さてそれから数日後、なぜか箱根界隈に来ているTakema&おしんこどんがおりました。実は「とある宿泊割引券」をいただいておりまして、それを利用して2020の初湯を楽しんじゃえという算段なのです。この日は日曜日だったのですが、この日で「例年より長かった年始休みもこの日でおしまい」の方がほとんどなので、下り線は順調順調。東名~小田原厚木道路と進んで箱根口まで。家を出たのが遅かったのでもうお昼、じゃ、お蕎麦でもと思ったわけですが‥



Takemaが頼んだのは「小田原そば」、小田原名物とタイアップしたメニューでしたが、うーむ普通の蕎麦にすればよかった。自分としては蒲鉾とお蕎麦はぶっかけ系ではそれほどマッチしていなかったように思いました(個人の感想です)。別皿での提供であればだいぶ印象が変わった気もしますが。

で、このあとは芦ノ湖方面に進んでいきます。途中「甘酒茶屋」の前を通ったときに「時間的にもまだ早いし寄ってもいいかな」と思いましたが結局通過。でも箱根には滅多に来ることがありませんから寄ればよかったなぁ。

確か前回来たときにはロープウェイで駒ヶ岳に上がったわけですが、同じところに行ってもなぁ‥さてどうしようかと考えましたが特に妙案なし(いつものように下調べほぼなしの無計画)。それじゃ、一時期立ち入りが禁止になった大涌谷にでも行ってみましょうかねということに。しかぁししかし!



ということであっさりあきらめてUターン。しょうがないので?芦ノ湖スカイラインへ。日陰には路面の端が凍結していたところもあり、ライダーの皆さん気をつけてねと思いましたよ。

途中の展望台からは‥



山裾左側は東富士演習場ですね(総火演の会場)。懐かしいなぁ(こちら)。



南に目を転じれば沼津の市街地と太平洋、伊豆半島と駿河湾。いやぁいい天気だこと。

国道1号に合流し、箱根町の中心部手前で曲がって椿ラインでこの日の宿がある湯河原へと向かいます。ターンパイクとの分岐にも展望台があるので車を駐めてちょっと見物。



なるほど、ここからだと芦ノ湖と富士山をダブルで眺められるわけですね。

さて椿ラインです。ずーっと昔にバイクで通ったことがあるんですが、その時の記憶では「いやになるほどのワインディングで『もういい、飽きたよ』と思った」わけです(下りルートだったし=これ重要)

改めて調べてみたら、大観山展望台の標高は公称1015m、湯河原駅温泉の中心部は130mくらいですから、約900m近くを昔ながらのルートで一気に(直線距離5km弱)上り下りするわけで、そりゃワインディングだらけなのも当然です。

というわけで今宵の宿敷島館さんへ。お高め宿の多い湯河原にあって比較的リーズナブルなお宿なのですが、そこに割引券をかませることでさらにお安くなりました。というかその安さがなければ湯河原に泊まることはなかったでしょう(笑)。なお共済組合の宿のようですが部外者でも宿泊可能です。



チェックイン後案内された部屋は2Fの川に面した部屋で、なかなか広くてよろしい。さてそれではお風呂にということでエレベーターのフロアまで歩いていく途中に‥





というわけで早速貸し切り用の鍵を借りてきましたよん。うーみゅなかなか嬉しい内容の掲示なのですが、この日の浴槽温度はどうなっているんだろうかと不安な気もします(苦笑)。激熱系熱湯ファイトでないことを願いますが、どうやらこの日、我々が家族風呂一番手だったみたいなので(浴室内も乾いていました)‥祈るしかなさそう。




(推定42.5度弱)

湯守の絶妙なる加減で、お客が続々到着する時間に合わせて適温となるようにセットしたということでしょうか?いずれにせよ2020年の初湯が湯温も鮮度も抜群であったことはなかなか幸先がヨロシイかと。

でもそういえば、チェックイン時にこの家族風呂の案内って一切なかったよなぁ。たまたま我々の部屋が家族風呂前の通路を通る位置にあったから気づいたようなもので、別の階の宿泊客さんの中には知らないままチェックアウトした人も多いのでは?(ま、われわれだけが案内されていなかった可能性だってありますが)。どういうオペレーションなのでしょう?



このあとは夕ごはんタイムです。事前に見ておいたネット情報では「宿泊客の平均年齢高め」とか「夕食の量は案外少なめ」というようなことが書かれていたため油断していたのですが、別に全然少なくないし!ま、わたくしTakemaが少食人種だからかも知れませんが、あとから出される品々に「これは油断大敵かも‥」とある意味戦々恐々としたのも事実でありました。

朝食を含めて好感したのは、ご飯がお櫃で出てくるのではなく配膳の方に申し出て盛ってきてもらうやり方です。お櫃のご飯をすべて平らげられる猛者の方はともかくとして、ほとんどの場合はご飯がお櫃の中で残ってしまい、そうなるとお櫃内のご飯はどんどん冷たくなってしまいますし、水分量の具合もご飯釜内とは変わってしまいそのまま戻すわけにもいかないでしょうし‥。

この日の夕食会場のテーブル席はキャパシティに近いほど埋まっていましたし、実は地下1階の宴会場にも配膳準備がなされているのを目にしましたから(自販機が地下なので行ってみたらたまたま目撃)、この日はほぼ満室に近かったのかも知れません。夕食前、家族風呂のあとに行った大浴場も混んでいましたしね。

で、夕ごはん終了後、少しお腹が落ち着いたところで(約40分後)、再度大浴場へ。狙いは‥おわかりですね、「皆さんが入ろうとしない時間を狙ってのアレ」です。




(要は湯画像が欲しかっただけ)
ただしお湯は「万人受け」を狙っているのか、かなり加水されているようで湯温は体感41度くらい。先ほどの家族風呂の湯を知っているだけにちょっと物足りません。浴槽内に仕切りを付けるなどしての一工夫がほしいところです。別に露天風呂なんて要らないので(そもそもありませんが)。

最低限の「仕事」を終えたあとは部屋に戻ってまったり。前ページまでのうろうろお出かけに加えて「元旦:夜22:00に奈良を出発して深夜運転で翌朝千葉到着、1/2:午後からTakema母方一族の新年会、1/3:Takema父方の新年会‥」と続いてきましたので多少疲れてきましたかね。いや本当に疲れていたのはTakema自身というより「Takemaの内臓」だったのかも知れませんが(大苦笑)。

しかしそれでも外が明るくなってきたのを見はからって「夜討ち朝駆け」でもう一度大浴場へ。深夜の浴室清掃はないということでしたが、さすがに新湯もたっぷり投入され続けたはずですから‥





湯河原の宿に泊まるお客さんに「温泉マニア」はいないだろうと思っていたのですが予想通り(笑)。ただし、「宿泊客の平均年齢高め」ということで「朝の目覚めが早い」方々がおられるのでは?これについては実際、



まぁ最近の自分もその傾向がありますが、年齢を重ねるごとに朝の目覚めが早くなるんですよね。で、もともと朝湯の習慣がある地域でそんな高齢者の需要に応えちゃった(いい意味で)のが津軽エリアなのかも。温湯温泉の共同浴場である鶴の湯などは「朝4:00開場」なのですが、斜め向かいの「客舎」に泊まっていた自分は、確かAM3:50頃には共同浴場から「ザバー、ザバー‥ザバー、コン!」(おそらくはかけ湯×3、そして湯桶を下に置いた)というような音を耳にしました(いや実は一番湯を狙って起きたのにこの音を聞いて「駄目だこりゃ」と諦めたのでよく覚えているんです)。その教訓から、



という座右の銘(違)が染みついてしまっているんですけれどね(笑)。ま、この朝も何とか間に合いましたの帽子屋さんということで谷山浩子さんはお元気かなぁ(知らん人はスルー上等でお願い申し上げます)。

お宿のチェックアウト後は、お天気のいい中このまま真っ直ぐ帰るんじゃ面白くもないので、ちょこっと伊豆方面へと向かいました。





でも古き時代(1965年開通)の有料道路たる熱海ビーチライン、駐車スペースが皆無なのは残念ですねぇ。ちょっとバイクや車を止めてこの景色をタンノーしたいものです。でもまぁ、そもそもそのスペース自体がどこにもないくらいに海岸ぎりぎりを走り続けているのでねぇ。陸側はずっと崖だし。ん、ということは?



ちょっと検索してみたところ、ビーチライン全区間(6.1km)のうち高台に上がれる徒歩避難路は3箇所しかないのだとか。そのことから、かつてこの道路を利用して行われていた市民マラソン)は中止され、現在も再開されていないようです。

確かに、想定される地震だと地震発生後‥



注意して見ていなかったからかも知れませんが、3箇所あるという津波避難路がどこにあったのかはまったく不明でした。というか、平常時において「津波避難路を確認しながらこの道を走る観光車両」がいるとは思えません。せめて避難路を示す明確な掲示設置くらいのお金はかけてよ!

と、静岡県道路公社とやらに向けて訴えようとしたわけですが、この道路は現在完全民営化しているようです。フジサンケイグループの子会社による経営らしいので、マスコミ関係会社の片鱗であるというその矜持にかけてもしっかりして下さいよこのあたり!



天気がいいので伊豆スカイラインへと上がりました。この日は月曜日ゆえガラガラでしたが、週末の伊豆箱根の混雑についてはいやな記憶しかないので、今後もこっち方面に来るのは平日休みを絡めた時しかないと思われます。というか「どこも混んでいて、かついろいろお高め」のこのエリアに、「それでも訪問するべき価値のある特別な魅力」見いだせないTakemaです(個人的な感想です)。

さて伊豆スカイラインの終点から再び芦の湖湖畔へ。いや、でも遊覧船に乗りたいわけじゃありません(今考えればもう数十年乗っていないのだからそれもありだったか?)。最後にどこかでひとっ風呂と考えたわけで、かけ流しの湯を検索してみると‥うーん、お値段高めは仕方ないとして、案外よさげなところが少ないのですよ(強羅・仙石原方面に行くつもりはなかった)。

一箇所「ここはどうよ」的なところで聞いてみましたが、「現在清掃中です」というわけで無念断念。その時ふと、



という発想が浮かびました。というわけで行ってみると‥うーむ、松坂屋は日帰り入浴なしらしく、きのくにやは「本日は日帰り扱いなし」との掲示が。あれまぁ残念でしたが、何だかそれぞれのお宿、むりやり「高級感を演出」しまくってませんかね?そんな気取ったお宿じゃなかった気がするんですが?

まあでもしょうがない、下りつつ宮ノ下の太閤湯あたりで‥と思い、裏通りを右折しようとしたところで、


というわけで行ってみると‥





左上画像には屋号、かけ流しの看板、そして玄関手前には「営業中」の掲示も見えたので、これは入浴OKだろうかと心勇みつつ玄関の中へ進んでいくと?ん?セルフって?





箱根界隈でも著名な芦ノ湯で、東北地方に点在する無人共同湯のような「性善説系支払いシステム湯」が実在するとは!しかも宿の湯で500円ですよ、箱根のど真ん中で!(これすごく重要)。「声掛け不要」とも明記されていました。



残念ながら浴室内撮影禁止だったので画像はありませんが、町営源泉を利用した(湯の花系?)単純硫黄泉の熱め透明湯は実にヨロシイ感じで、軽い苦味とうっすら塩味。浴感はツル感ありでした(もちろんかけ流し)。適温だったので「源泉湯ざまし壺」からの投入は不要でしたが、あらためて調べてみると浴槽上方からの投入だけでなく底からの投入もあったのだとか?男湯の浴槽底には玉砂利がしかれていたこともありまったく気づきませんでした。でもしばらく先客さんなしだったにもかかわらず下部がぬるいということもなかったし、さすがだなぁ(そのかわり熱いときはとことん熱いのかも(笑))。

男女とも先客さんなしでしたので湯っくりとお湯をタンノーしました。浴室部はちょっと手作り感もあり、いやぁまさか箱根の湯宿にこんな湯治フィーリングのところがあるとは思いませんでした。

帰宅後あらためて調べてみると、芦ノ湯には宿が4軒ある(あった)ようなんですね。松坂屋本館ときのくにやは有名なんですが、その少し奥に上記の山形屋さんと民宿 葦 があるというわけです。民宿 葦 についてはほとんど情報が拾えませんでしたが山形屋の手前にあったかなと。

ただ、どうやらこの山形屋さんは数年前に宿泊業務をやめ、現在は日帰り入浴のみ対応なのだとか。何だか日本各地の温泉宿で進行している「悲しい流れ(宿泊終了‥日帰り入浴のみ‥日帰り対応も休止)」と同じ状況に進んでいるような気もしますが、山形屋さんには何とか現在の営業スタイルだけでも続けてほしいものです!

このあとは小田原厚木道-東名-保土ヶ谷バイパス-狩場-湾岸線と通って千葉(市川)まで戻りました。翌朝の出勤前に顔を洗ったら、前日頭からかぶった湯の香(硫黄臭)が下りてきて、「あー、よかったなぁ(&くっそー今日から仕事だ)という思いを強く抱いたことを覚えています。そんなわけで「2019-2020年末年始編」、これにて終了です!

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