その3 南三陸で美味しくランチのあとは一気に秋田へ



ハイ、こちらのお湯は茶色の湯の華たっぷり(保護色系ゆえ見えませんが)。

(2022年5月1日-6日 その3)

というわけで南三陸ランチのあとは何と秋田県中部まで移動です。長年国内・海外の旅行を計画しまくってきた自分ですが、最近は何だか移動計画が下手くそになってきたなぁ。だってまだ「初日」ですよ、そんなに無理に移動しなくたって(大笑)。



というわけで内陸に移動し若柳金成ICから東北道に乗って盛岡IC、そこからR46で仙岩峠を越えていきます。この国道はよく整備されていますが、いざという時の逃げ道がないので厄介です。すぐ南のR107が近年問題だらけなのも「迂回路としての秋田道があってよかったね」という感じです。

田沢湖側に下りてからはお山のほうへと上っていきます。



桜は咲いていますが、さらに進むとロードサイドはたっぷりの雪。





古い記憶でどなたかから「悪くないよぉ」というお話を伺っていたのですが、確かに。のんびりさせていただきました。もちろんまだコロナ禍ゆえの自粛云々により宿泊客がたぶん5グループしかいなかったという要因は大きいのですが。



部屋にはすでにお布団♪、そして手洗い場からの眺望が絶景!

さてまずはお風呂に行きますよ。今回最初の温泉です。駐車スペースの空き具合を勘案するにたぶん‥その想定は正解でした!











お湯は熱くもなくぬるくもなくの適温で、体感で41度台という感じだったでしょうかね。心地よい湯温でした。



ボケ画像で申し訳ないのですが、かなりの湯花が舞っています。これはかなりの高ポイント、お湯そのものの個性はそれほどないのですが、成分がそこそこ析出しているというわけで実によろしい感じです。



いっぽう露天風呂は「とってつけた感じ」で面白味を感じませんでした。湯花なき透明湯だったのは清掃のことを考えてこちらだけ濾過フィルターを通しているのかと思われます(循環はしていないと思われますが)。



なおこちらのお宿の浴室棟は宿泊棟通路経由で独立しておりまして、天井の湯抜き構造なども完全木造で実にいい感じでした。温泉を扱う湯屋はどうしても湿度との戦いとなりますから、母屋建物との分離は大切です。母屋を長保ちさせるためにも。



あ、右上画像の男女暖簾は栗駒駒の湯で以前使っていたものと同じですね。なるほど市販品だったのか(まぁ当然)。なおご縁により自分が寄付した駒の湯オリジナル暖簾ですが、コロナ禍によりいまだ公式デビューしていないのが悲しいところです(あとのページで出てきます)。

いっぽう、さかなクンの手による絵が掲示されてているのはイイ感じです(さすがにコピーなのでしょうが)。クニマス絡みですからね(知らない人は『クニマス さかなクン』で検索して下さい)。

なお館内は全面禁煙ですが(このご時世当然かと)、こちらではきちんと「吸える場所」を確保して下さっているのは嬉しい限りです。しかも‥





ま、デッキチェアに身体を預けちゃうと灰を下に落としちゃう可能性が高いので、実際にはベンチを利用しましたけれどね(煙草を吸い終わってからデッキチェアに転がりました)。ちなみにデッキからの眺めは右上画像マウスオーバーでおわかりになりますとおり、宿泊棟全体を見渡せる感じで、これはこれでいいかなと。



エントランスロビーには猫足の椅子も。フロントはシンプルイズベスト系。



さていよいよ夕ごはん。秋田は由利本荘の「雪の茅舎」があったのでもちろんオーダー。秋田のお酒の中でも比較的ライトな感じのお酒を醸す蔵であり、自分としては昔からお気に入りなんですよ。軟弱な酒飲みなのでどっしり系はやや苦手です(ただしそれでもフツーに飲むんですが(苦笑))。



あとからは天ぷらと蕎麦が出てきました。テーブル上にはこの日の夕食お品書きがあり事前にラインアップを把握できたためTakemaがご飯を盛ることはなく、おかげで全部食べられました(少食中高年男子)。あ、おしんこどんはしっかりご飯もよそっていましたっけ(笑)。

夜ももちろんお風呂へ何度か入りました。露天湯は遅くなると(チェックアウトまで)閉鎖されてしまうのですが、こちらの湯を楽しむなら圧倒的に内風呂なので全然問題なしです。







朝日が差し込む朝食会場。この日は実にいい天気でありまして、青空と残雪と新緑を楽しみながらの朝食となりました。見た目よりもサラダのボリュームがありましてちょっとびっくり(笑)。いっぽうでTakemaのご飯の盛りのチンケさよ(大笑)。



この日は同じ県内の湯沢市までの移動なので全然急ぐ必要はなく、チェックアウトぎりぎりまでのんびりと過ごします。温泉も何度となく入浴しましたが、そういえば今回はほかのお客さんとバッティングしたことがなくいつも貸し切り状態だったなぁ。いわゆる温泉ファンは自分たち以外いなかったようです(笑)。



それでも時間が余るのでしばし宿の外を散策してみることにしてみました。



まだそこかしこに雪が残っています。フキノトウも出始めていました。



でも芽吹きは着実に。もう2週間もすればかなり風情も変わることでしょう。

さてそんなわけで出発‥なのですが、この日の目的地まで直行すると2時間と少しで到着してしまうほどの距離なのでまだまだ時間調整が必要です。というわけでこの界隈でもうひとっ風呂‥となると大観光地たる乳頭温泉郷ですかね(この日5/2はいちおう平日&まだ10時前なので)。

実はこれまで乳頭温泉郷の宿湯にはあまり縁がなくて、孫六に宿泊2回日帰り1回、あとは鶴の湯に日帰りで1回浸かったことがあるだけなのです(周辺の野湯は4-5回ほど云々)。



というわけでやってきたのは‥





いや、派手なところは避けたいですし(そもそも乳頭温泉エリアはそもそもどこも見た目は派手じゃないんですが、でも気がつけばどこも「華やかなる宿泊料金」を取るようになっているようですね(いわゆる箱根化)。まぁ立ち寄り入浴であればまだ「大台に乗る」ほどじゃないんで(大釜温泉は600円)‥というわけです。

駐車場の脇には山水が引かれておりました(右上画像マウスオーバー)。極端に冷たいわけでもなかったのは雪解け水(表層水)ではなく地下からの湧き水だったからでしょう。美味しかった。



さていざお風呂へ。撮禁の掲示はありませんでしたが、先客さんが複数(2人)おられるようだったので画像はなしです。ただ、いざ入ってみると内風呂と露天風呂にそれぞれお1人ずつ。「こりゃワンチャンスあるかも?」と思いつつしばし内風呂に浸かった上で露天風呂に移動。

露天風呂でしばらく(先客さんと10分くらい)浸かっていると、内風呂にいたお客さんも露天風呂に出てきました。「むむ、これはワンチャンスがやってきたかも!」と思い、脱衣場に置いたカメラを取りに行く気満々で内風呂に戻ってみると‥



というわけで当然ですが撮影どころじゃありませんでした(大笑)。多くの方々が午前中から洗い場を利用していたところからすると、皆さん「深夜の行軍」だったんでしょうか?(だとすればとってもお気持ちはわかります)。それとともに、早めに来ておいてよかったなぁと実感。内風呂に戻った時点での内風呂は石鹸やシャンプーの臭いにまみれていましたから。

なおお湯はpH2.5とかなり酸性度の高い湯で、確かに強めの酸味、そしてそこに隠れるような形で金属味もありますよという感じです。でも玉川温泉のpH1.2とはやはりレベルが違うのか、長く入っていても「身体各部における違和感」(わかる人はわかりますよね)を感じることはありませんでした。



湯上がりに外に出たところでトリプル足湯発見。3つ並んでいますが、実はそれぞれ湯の投入量が異なっており、しっかり「ぬる湯 適温湯 あつ湯」というように設定がなされています(芸が細かい!)。え、ええ、湯上がり直後だったので見学だけだったのですが(駄目じゃん)。

さて、まだ時間はたっぷりあるのです。というわけで、シーズン中は駒ヶ岳八合目までのバスが発着する「アルパこまくさ」という施設に「何の気なしに」上がってみました(行ったことがなかったので)。すると‥!









なおこちらの施設にも「展望風呂」があるようですが、この時は知らなかったので残念(というか、ついさっき大釜温泉に入ったばっかりだし=連続入湯がきつくなったジジイ化Takema)。

さてこのあとは田沢湖方面に下っていくわけですが、右上画像のように「雲は多めながら日差しもあり」という感じになってきましたので、ではでは、桜でも眺めちゃいますかね。





この桜並木を見逃す人はまずいないはずですが、とはいえ路駐はやめましょうね。途中、田沢湖に下る車線側に駐車場がありますので。




(残念ながら曇り&頂上部はガスってましたが)。



ライダー氏も気持ちよさそう。草原広場もいい感じです。そして‥




(ま、「花の命は短くて」なんですが)。





さてここからはとりあえず田沢湖を目指します。そのままR341で南下してR46で角館を目指すのもあまりに芸がないので裏道大作戦というわけです。というか、田沢湖畔の道って走った記憶がほとんどなかったので。「たつこ姫の像」も見たことがなかったのでいい機会です。



というわけでとりあえず湖畔到着。全然下調べをしていなかったので「たつこ姫の像」がどこにあるかも知らなかったのですが、この駐車場で調べてみるとどうやら対岸(西側)にあるとのこと。てっきり湖の東側にあると思っていました。まぁちょうど通り道沿いにあることがわかったのでよしよし。なおこの場所で得られた知見はといえば‥



というものでありました(苦笑)。北岸側の道路は交通量も少なく、ここを走るライダーさんも気持ちよさそうでした。ちなみにこの2022GWの東北はこのあとずっと天候に恵まれたので、ライダー諸氏にとってはかなり楽しめたことでしょう(自分も一応現役ライダーですがGWのお出かけはいつも車なので)。



西岸側にやってきたところで駐車帯に車を駐めると、対岸奥には「ほぼ顔を出しつつある」秋田駒の姿が。そしてそこから少し進むと「たつこ姫の像」なのですが‥ここだけ道は狭いし車を駐める場所もない!(少し離れたところに数台駐められる無料駐車場はあるようです)というわけで、徐行しつつ助手席側からおしんこどんに撮影してもらいました。ガードパイプは邪魔ですが、角度的にはベストですね(やや斜めってるとかは言いっこなし)。

さてここからは県道60号経由で、秋田内陸線と平行して走るR105を通って角館を目指します。GWとはいってもR105号が混むことはまずないですからね。車の「密」(渋滞)を避けるためにもいいルート取りだったかと(自画自賛)。



県道60号もガラガラのガラでした。

さて、そろそろお昼ごはんタイムです。ええ、目星は(さっき)付けておきましたので、ナビくんに指示されるがままに田畑の中を進んでいきます。うん、知らなければ「偶然訪れる」ことはできないエリアにありますね。



はい、当然の助動詞的にお蕎麦です。「すが家」さん、日の丸を掲げた縄暖簾には長寿・幸運の象徴としての鶴と亀が編み込まれておりまして、手が込んでるなぁ。店内にはあちこちに大相撲関係の品が飾られておりました。ただ、最新というよりは「しばらく前」のものが多かったような気がしますがまぁ気にしないっと(両上画像マウスオーバーで別画像に変わります)。

かなり行きにくい場所にあるのですが駐車スペースは満車に近く、何とか店の脇に車を駐められました。先客さんの車両を見ると、地元ナンバーは少なく「はるばるここまでやってきた系」の車が多いようです。GWとはいえ、皆さんわざわざここを目指してやってきたってこと?(自分はさっき調べて知ったばかりなのに)。有名店なの?

さて注文ですがこの日は5/2の火曜日、5/1-5/5の中で唯一の平日でした。となると‥



いや、興味を示したのはおしんこどんなのですけれど(笑)。確認してみると「注文OK」とのことでおしんこどんはそちら(1100円)、Takemaは「十割そば」(750円)を注文しました。

親父さんと息子さんなのかな?お二人でのオペレーションでしたが、比較的待ち時間がかかるようでした。まぁ自分たちが入店した時には最後の空きテーブル(小上がり席)で、先客さんの多くが配膳待ちのようでしたが(ただ、少し落ち着いたタイミングで入店したお2人もそこそこ待っていたように思います)。まぁそんなもんだと思うようにしましょう。





なぜかおしんこどんの「二八そば&うどん」の方が先にやってきました。湯で釜はそばとうどん用に2つあるのでしょうか?そば豆腐とだし巻き卵が添えられており、これもなかなかです(特にだし巻き卵はなかなか美味)。

麺の量が少ないようにも見えますが、ざる皿自体が比較的大きく、量的にはごく普通でした。まずは二八と十割を食べ比べましたが、味覚音痴なのか大きな違いは感じません。というか、十割そばにみられがちの「ぼそぼそ感」がほとんど感じられないのです。茹で方に工夫があるのでしょうか(ん?だから十割のほうが遅く提供されたのかも)。もちろんコシは二八も十割もしっかり系でした。

そして蕎麦つゆが絶品!辛くもなくしょっぱくもなく甘くもなく、麺を優しく包み込むようなとろっとした味わい。実にヨロシイ!

最後にうどんですが、少し南に行けばかの有名な「稲庭うどん」があるにもかかわらず、あちらの(うどんとしては)「やや細麺」に流されず、しっかり太麺でした。そしてそのコシたるや!「うんうん、今日はこういううどんを待っていた!」という感じで美味しくいただきました。

なおこう書いてしまうと、「じゃ、この前日に食べていた『松食うどん』はどうだったんだ?」とのツッコミが入りそうですが、ええっと、松原さんのところのうどんはもっと柔らかく歯ごたえという点では比較になりません。ただ、それこそうどんに求めるのはコシばかりではないので、日常使いとしての「スルスルと喉を通り抜けていく」うどんも(そばも)嫌いではありません。実際、平日のお昼ごはんとして職場からコンビニに向かいざる蕎麦弁当を買うときもあれば、実はその手前にある蕎麦屋さんに入店してコシのある蕎麦を食べることもあるといった次第です。

ただ、旅行中は「日常」ではありませんから「コシにこだわることが多い」というだけの話なのです。そもそも自分は全然グルメ志向派じゃないですから(笑)。




お店の横には八重のサクラが満開に向けて絶賛準備中というところでした。雪国ではこの春の時期、気温が上がると「それこそ一気に」様々な花が開花するということにびっくりします。「梅-サクラ-桃」という関東における咲き順番はここではあてはまりません。下手をすれば全部一斉に開花するのですから!(まぁそれでも桃は少し遅いかな)。リンゴだってそれらを追いかけるように花を咲かせますし。

と、平日なのでちょっと郵便局に用事があったおしんこどん。車を駐めた自分がちょっときょろきょろしていたら‥




(しかもまさかのウクライナ語表記まで!)

2022/6現在になってもウクライナ/ロシア戦争は全く終わりが見えない状況です。メディアやネットで毎日報道されているこの戦争ですが、このどちらか、あるいは両方の国への訪問歴がある人を除けば、多くの日本人にとってこの両国はある意味遠い存在でしょう。

それでも日々の報道から得られる情報は(玉石混淆であるにせよ&ワイドショーのコメンテーターの発言がほとんど酷すぎるものであるにせよ@特にあの人)、たとえば過去の戦争や紛争(南オセチアやアブハジア、さらにはアフリカ諸国の内戦)などに比べればはるかに多いです。

それはわれわれにとって主義主張を共有する部分が多いEUの利害に直接関係していることが大きく、また国連常任理事国の一国たるロシアが「ロシアの論理」により暴走をし始めたことへの大いなる反発、さらにはウクライナのゼレンスキー大統領に対する日本人的な「判官贔屓」、ないしは彼を大石内蔵助になぞらえて捉える部分があるかも知れません。

しかし、仮にそのような部分があるとしても、ここ角館の(まず間違いなくウクライナ人は生活していない)この地にこの横断幕とウクライナ国旗を掲揚した方々には大きな敬意を表したいと思います。

そもそもここにはご覧のとおり「平和祈念の塔」が建立されていました。この塔は、先の大戦で当地から出征して命を落とした方々の御霊への敬意を表すために建てられたものでしょう。

しかし、記憶のみならず「敬意という思い」も風化するものです。田中角栄氏が言っていた言葉でしょうか(うろ覚え)、確か「戦争を経験した者が国の中枢にいるうちは大丈夫だ、その後戦争を知らない者が上に立つと国は乱れる」というような内容だったと思います。

少なくともこの仙北市白岩地区の皆さんは、はるか何千kmも離れた場所で起きている争いのことを「他人ごと」ではなく、自分たちの「先祖の方々」になぞらえてとらえていらっしゃる。それが実に素晴らしいことだなぁと。

2022現在、自分たち夫婦がコロナ禍前、海外で最後に宿泊したのはウクライナのキーウ(キエフ)でした(2019、その時のページトップはこちら)。だからこそ自分はよけいにそう感じてしまうのかも知れません。

長くなったのでこの続きは次ページにて。

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