確かに立派な杉でした。樹齢約1000年だとか。

(2022年6月10日)

ふと思い立っておしんこどんに「明日行くよ!」系の誘いを掛けての日帰りお出かけは山梨方面でありました。



ただし、そもそもメインのお出かけ目的は西東京エリアのSUBARUディーラーさんでありました。千葉県市川市のごく一部のエリアに(個人的に)甚大な被害をもたらした降雹は、わが愛車フォレスターのボンネットにも数十ヶ所の凹みをやらかしてくれました。



これをどうするかということなのですが、保険屋さんと話をしたところ「降雹の場合、所有者に瑕疵は一切ないので1等級ダウンで全部直せます」との嬉しいお話。長年20等級(ずっと事故なし)なので、来年は19等級で割引率が下がっても再来年にはまた20等級に戻るようです。

だったらまだマシだったルーフも含めて「ぜーんぶ交換、やっちゃえ日産じゃなくてSUBARU!」といこうとしたのですが‥



その間は車に乗れないという不便もさることながら(あまり出かけていないので実害は「バイク通勤時にカッパを着るか否かだけ」なのですが)、



という考えに至りました。というわけで夏の終わりに2週間ほどガレージ入りさせる予定ですが、ルーフの凹みはもういいかなと(ボンネットの交換のみ)。それだって贅沢な交換なんですが、見た目だけの問題でありルーフ上なんてわざわざ見ることもないし、普段使いにおける支障は一切ないわけですから。

前置きはこのくらいにして、ディーラーさんが西東京なので打ち合わせ後は久々に西@山梨方面に向かいましょう。と?高速道路情報掲示板には!


ま、もともと大月ICで下りるつもりだったのですが(日帰りお出かけだしね)、おかげで大月IC出口車線が激混みでした(まぁそれは当然ですが)。

ただいつも思うことですが、こういう時に多くの車両が出口車線というか路肩部に素直に並んでいる中で(念のため自分もです)、出口分岐ぎりぎりまで走行車線を走って「無理矢理割り込む」という輩がそこそこいますねぇ。自分も「したことがない」といえば嘘になりますが(その昔)、そのためにかえって渋滞の列は延びてしまうわけで、合流時のフォーク合流と合わせてマナー向上を願う次第です。うまく割り込めずに走行車線上で停車してしまう車に至っては「死にたいの?」と。

まぁ何とか大月ICで下りてR20へ。もっと混んでいるかと思ったらここから先は基本的にスイスイでした。途中初狩郵便局に立ち寄り(わが家の家計メインバンクはゆうちょ銀行)、ここで調べてみたのがこの先にある「笹子餅@緑屋」さんの営業時間。10時からとかだと少し待たなきゃならないなぁと思っていたのですが‥。





ということは、その時間にはすでに「その日の販売分」が出来上がっているわけで、お店の向かいにある工場はいったい何時から稼働しているのでしょう?

ちなみにお店の人がなかなか出てこなかったこともあり(単にこちらの声が聞こえていなかっただけのようです)、工場にも声を掛けたのですが、「本日の作業」はもう完全に終わっていたようでどなたもいないようでした。





さてとこのあとなんですが、お題目の通り「矢立の杉」を見物に向かいます。実は数ヶ月前にも見に行こうとしたんですが、残念ながら道路自体が冬期閉鎖中で上がれなかったのです。この旧国道20号線(現県道212号)、実は通り抜けるのも今回が初めてだったりします。

1-1.5車線のワインディング路をどんどん上がっていきます。旧国道とはいえ特に大型車などのすれ違いは困難な場所ばかり、使い勝手がよかったとは思えません。結果としてこの道しかなかった時代、甲信地方から首都圏への特に生鮮食品の出荷量はかなり少なかったようです。

それが、1955年に現在のR20笹子トンネルが開通すると状況は激変したそうで、さらには中央自動車道が開通するに至り首都圏とのパイプとなり、山梨や長野は野菜や果物の一大産地となったということのようです。川上村のレタスとかも、そういうインフラ整備の中で一大産地となりえたんでしょうね。



さて矢立の杉パーキング(上と下とで6台くらい駐車可能かなと)にやってきました。先客さんがちょうど戻ってきたタイミングでどうやら貸し切りです(嬉)。緩い下り道を100m弱程進んだところで何とも広いウッドデッキが。傷みは全くなく、これ、せいぜい去年あたりに整備されたんじゃないかな?ただここの知名度を考えればオーバースペック的に広いスペースだし、ベンチもこんなに要るのかな‥と思ったところでハタと思いつきました。



大月側から現R20経由で一旦甲府盆地に下って観光、勝沼側から旧道を上がってきて(現在の交通量なら中型バスなら問題ないでしょう、学校の遠足って平日だし)、笹子隧道で見学(登録有形文化財ですし)、そこから下ってきて(ここでお弁当を食べるというのはお天気のことを考えるとリスクが高いので一旦休憩する場所くらいの位置づけでしょうが広さとしては申し分なし)、ここからは旧甲州街道の山道を歩いて里へ‥

ええっと勝手に小中学校の遠足行程を作りあげてしまいましたが(こういう計画立案って子どもの頃から好きでした)、実際はどうなんだろうと思って調べてみたら‥


こちらとかこちらとか)。

バスとかも使わず、どこかの食堂でごはんを食べるでもなく、しかも「わらじ」ですかい!(これはスニーカーにした方がいい気が)。ま、いずれにせよ「遠足の経由地」という読みは当たっていたようです。



ええっと、ここにはちょっと面白い「設備」があります。こちらの「矢立の杉」については俳優・歌手である杉良太郎さんが2008年に同名の曲を発表しており、近年この杉周辺を再整備した際に関係者・関係機関の方々は「現地でこの曲が聴かれるようにしたい」と考えたようです。

しかし、この杉の周辺を通る電線はなく、電源を確保することができません。そこで考えられたのが何ともアナログな「ゼンマイ式」でありました(ん?でも「防犯カメラ作動中」という記載もあったなぁ。もしかしたらあえて電気式にしなかっただけなのかも)。

ハンドルを時計回りに20回転させるとゼンマイの戻ろうとする力が生まれ、「矢立の杉に関する音声ガイド」「矢立の杉のメロディ」のどちらかを選んで流すことができるというわけです。

われわれが子どもの頃はゼンマイ式の玩具やオルゴールなどが結構身近にあったような気がしますが、今の若い人たちにとっては珍しく感じるだろうなぁ。当然おしんこどんがぐるぐると回し始めましたが、その間に自分は杉の近くまで行ってみましょ。





その昔に見に行った、縄文杉をはじめとした多くの屋久杉に比べると少し小さいかという気もしますが、比較してどうというよりも、深閑とした森の風情を楽しみましょう(まぁこの時、辺りには「矢立の杉」のメロディが響き渡っていたわけですが)。

さてしかし、巨木の根元の辺りはすでに朽ち始めていて、木の大きさの割には樹勢もやや衰えつつあるのかも知れません。でもまぁ、マイペースでこれからも長く生き続けてほしいものです。

さてこの後は旧笹子隧道へと進んでいきます。





開通は昭和13年ですからもう85年近く前の開通です。しかし全然傷んでいるように見えないのは、現在も県道施設としてメンテナンスがきちんと行われていること、そして文化庁の登録有形文化財(1998指定)となっていることも大きいのでしょう。

この日は平日でしたので、この県道で見かけた車は4台くらいだったかな。この交通量ならこのトンネルでも十分にまかなえますが、この道しかなかった時代はなかなか大変だったのでしょうね。

さて峠を越えて国道20号に合流。トイレ休憩をしたかったので道の駅甲斐大和へと立ち寄ります。この辺りには昼食場所も少ないので(しかもランチタイムもそろそろ後半戦のタイミングだったので)、あまり期待できないけれど併設の食事処で腹ごしらえかなと思っていたわけですが‥




(あってもほうとう屋かなと思っていたのでビックリ)





さてしかし、この後の行程はズタボロでありました。この近くには温泉(鉱泉)施設がいくつかあり、これまでに「田野の湯(老人福祉センター)」「やまと天目山温泉(日帰り入浴施設)」には入っているのですが、その奥の嵯峨塩鉱泉(宿泊施設)はまだ未湯なのです(前回訪問時にはちょうど日帰り入浴の受付時間が終わったばかりでした)。

今回はまだ少し余裕があるし‥と思ってやってきたわけですが‥



というわけで無念の涙を飲むことに。とはいえ来た道をそのまま戻るのも芸が無いし、嵯峨塩鉱泉から大菩薩方面に抜ける道は走ったことがなかったので、そのまま北上することに。

しかしこれがなかなか長いワインディング路でちょっとびっくり。しかも、この道って大菩薩峠ほかのハイキングのアクセス路になっていたのですね(実は未訪問なのでよく知らなかった)。登山者用の駐車場がありましたが、有名な山域なので休日などはすぐ満車になっちゃうんだろうなぁ。

裂石まで下りてきて、これまた未湯の雲峰荘があるなと思いつつパスすることとし(後から調べたらこちらも日帰り休止中でした)、近隣の大菩薩の湯も‥もういいやという感じで帰ることにしました。



1箇所だけ、その昔Takema父と3人で桃の花見に来たことのある慈雲寺へ寄り道。大きな駐車場ができていてびっくりしましたが、ローカルな風情は少しなくなっちゃったかな。あの時はシートを敷いてTakema父とおしんこどんは昼間からアルコール摂取、Takema父は気持ちよくなって昼寝にまで進んだんだっけ。20年くらい前の懐かしい思い出です。

続いてフルーツライン経由で勝沼ICを目指しますが、途中サクランボ狩りもできる直売所があったにもかかわらず観光バスが1台止まっていたのでパスしたら、営業していたのはほぼその1軒だけでした(平日だしね)。

唯一の救いは、中央道の上り線に全く渋滞がなかったことかな(首都高の新宿線はまぁ仕方がないとして)。というわけでこの日は「矢立の杉見に行った」としかいえないようなお出かけでしたが、まぁあくまで「ついでのお出かけ」だったのでこんなものでしょう。


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