その7 奥只見湖の遊覧船、運航終了3日前にタンノー!



名残の紅葉を眺めつつ船は静かに進みます。



(2022年11月3日-6日 その7)

9:30発、奥只見湖観光船の始発便は全員着席可能な乗車率で出航しました(空席はたくさんあり、でも遊覧船なので皆さん立ち歩きますが)。

ここ奥会津の奥地はとにかく豪雪&寒冷地であり、そのことによる特徴的な地形が多く見られます。標高はせいぜい750mにもかかわらず‥



山の斜面、地層に沿って表面が削り取られています。削られているのが奥も含めて主に左側の斜面であることが気になるところで、冬の季節風の影響なのでしょうか。

尾根からは直線状にいくつもの小谷が並んでいます。これは「雪崩道(アバランチシュート:Avalanche chute)」ではないでしょうか。降り積もった豪雪が底雪崩を起こして一気に下方へと流れ落ち、斜面上にある障害物(樹木や岩)を削っていき、それが毎年起こることで谷が形成されていくという氷河地形の1つです



それにしてもいいお天気です。まさに小春日和。




シーズン最後の紅葉を楽しめました。



船が折り返し地点を過ぎて湖の東岸を進むようになると、湖岸近くのあちこちで湯気が上がっているのが見られるようになります。どうしても習い性で「すわ、湯が湧いているのか?」と思ってしまいがちですが、これは「蒸気霧」といわれるもので、冷たい空気と温かい水が接することにより起こる現象のようです。こちら側の斜面はつい先ほどまで日陰でしたから、山から冷気が下りてきていたのでしょう。たぶん朝だけの現象で、次の便では目にすることもなかったと思われます(ラッキョー)。



前夜は山の上で白いものが少しちらついたようですね。というわけで10:00発の銀山平行きと入れ替わるような形で着岸。気持ちよかったなぁ。そういえば桟橋の辺りには小魚がたくさんいました(右上画像マウスオーバー)。とあるサイトによるとその多くはワカサギだとか。網ですくいたくなりますね(笑)。



船を下りてダム方面へと戻ります。ダムの堤体上を歩くこともできましたが、なぜかこの時は二人とも「行こう」とは言い出さず、結局左上画像を撮影したところまで進んだところで戻りました(無精)。

さてダムサイトまで戻ってくると1台のマイクロバスが止まっています。聞けば、この上にある「奥只見電力館(PR館)」までの無料送迎バスなのだそうで、特に先を急ぐわけでもないわれわれにとっては利用しないはずもなくすぐさま乗車

特に発車時間が決まっているわけでもないようで(もちろん遊覧船利用者が戻ってくる時間を考慮した運行でしょうが)、このあとわれわれと同じ船に乗っていた人たちでほぼ満員の盛況に。あとで聞いたのですが、この無料バスの運行はまさにこの日(11/6)が最終日だったのだとか。これまたラッキョーでした。

電力館到着後、ほかの皆さんはどんどん建物内に進んでいったのですが、列に並ぶのも何なので(入場無料ですが、入場時に人数や在住都道府県名とかを書かねばならないので時間がかかる)、建物の前の展望台から奥只見湖を眺めましょう。





いや、「キレイだねー」と書くのももうマンネリっぽい気がしたのでこう書いただけですが、晩秋にもかかわらず日差しは強く暖かく、実にヨロシイ陽気でありました(ちなみに画像補整はしていません)。では電力館に行ってみましょう。



規模としてはそれほど大きくないのですぐ見終わってしまいます。



右上画像の撮影用シースルーダムカード、あちこちで目にしますね。



先ほどのバス乗車客の一番後ろを進んだこともあり、早めに回った方々はもう前のバスで下ってしまったようで、帰りのバスはわれわれだけの貸し切りでした。

そういえばバス乗車前、上方の木の枝に猛禽類とおぼしき大型鳥が止まったんですよね。何だろうと思いましたが、電力館の方も「この距離だとわかりませんね」ということでした。まぁそりゃそうでしょう。

さてバスを降りてからは往路に歩いてきた遊歩道を駐車場まで下るだけなのですが、ここでふとTakemaの「鉄の血」が騒ぎ出しました。それは‥



という思いつきだったわけなのですが、ハイここまでですでに誤った表現がありますね。「鉄の血」=「鉄道ファンとしての熱き血潮」くらいのものなんですが‥



だから「鉄の血」ではなくて「エレの血」もしくは「モノの血」と表現するのが法的に正しいわけですが、そんなことを言い出したらトロリーバスは分類上「鉄道(特殊鉄道)」に分類されているわけです。でもあれ(現在では富山の立山トンネル内のみで運行)に鉄っぽさを感じるかっていうと‥ということにもなりますから細かいことはどうでもいいのです(何だか無理矢理感)。



肝心なスロープカー(斜行エレベーター)を写し忘れましたが(前のページに画像を載せましたからいいですよね)、こちらが上部駅です。料金は100円、いわゆるバリアフリー対策で設置されているのでしょう。あ、乗車には「呼び出しボタンを押す」というのがいかにもエレベーターらしいです。



最初はゆるゆると下っていきますが、下部駅の手前から一気に傾斜がきつくなりジェットコースター並みの角度とスピードで下部駅の乗り場に進入します。そして静かに停止。

これまでもスロープカーにはいくつか乗ってきましたが(秋田の稲川城が最初だったかな、あとは身延山とか)、傾斜角度とかカーブとか、ルート取りにかなり自由度があるので面白いですね。よく似たモノとして静岡の山あい茶畑などによく見られるモノラックがありますが、あれは分類上モノレールなのかな?



というわけでいよいよ帰路に就くわけですが、実はTakema、これまでR352の枝折峠を越えたことがありません。いつも工事通行止めだったりしたからなのですが、この日は開通しているとのことでよっしゃ行ってみましょう!(なおR252枝折峠区間ですが、2022年はこの3日後の11月9日から冬期通行止めとなりました)。





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