- その6 美又温泉のあつ湯と美食をタンノー! -



プロジェクションライトが灯る美又温泉の夜。

(2024年7月26日-8月2日 その6)

美又温泉。このエリアが初訪問、しかも実質的な下調べ期間がのべ十数時間しかなかったことで、「自らの野性の勘」に頼らず「集合知」の坩堝(るつぼ)たるTwitterXに「こっち方面に詳しい方、どこかお勧めのお宿はないですかぁ?」とまぁ、皆さまのお知恵拝借系他力本願行動に出たわけであります。

その結果何名かの先達諸師からありがたきアドバイスをいただきました。その中には自分も調べて候補に入れていた宿(温泉)もあれば、「どこだろうその宿(温泉)って?」というところもあり、やはりSNSおそるべしというところでありました。

ただ今夏の事前計画はそもそもの立案スタートがあまりにも遅すぎました(左足骨折のため治癒の先行きが読めなかったため)。ゆえに「もう満室」と断られることも多く、そのため旅程を変更せざるを得ないこともありました。新門司到着の日のお宿が激近の俵山温泉だったのもそのためだったのです。

そんな中で、こちら美又温泉のお宿は幸いすんなりと予約できました。そのお宿はといえば‥




(郡司勇さんも来ておられたのですね)

で、まずはお風呂‥と普段ならなるはずですが、到着がかなり早かったためまずは(一本道の)温泉街を散策してみることに。この時点でも外は暑かったため「湯上がりに汗をかいた状態でさらにお散歩で無駄な汗をかきたくなかったから」ですが。でもこのお散歩行動によりある話は「あれ?おかしい?」-「間違っていました」-「実はやっぱり正しかったみたい」という散弾銃、いや違った三段論法(これも違う)、要はただのドタバタ劇が進行したわけなのです。



温泉街を上流方面に歩いていきます。こちらの温泉街も道幅は狭く、両側にお宿施設が建ち並んでいるためしばらくは日陰を歩けてまぁ何とか。しかしその先にあった足湯から先には頼みの建物もなくなりアブられるがままに。そこでお散歩はここまでとしたわけなのですが‥


(その表示を撮影しなかったことをあとで後悔)

そもそも足湯にはあまり興味関心を抱かぬTakemaではありますが(ましてや『人目を忍んでの全身浴』などは滅相もありません。その手の話は時々聞きますけれど(大苦笑))、この時は手湯すらもせず退散しました(暑いんだもん)。



さて美又温泉もまた昔からの湯治場風情を残しておりまして、一段上の画像の通りメインストリートは狭く、とらやさんの駐車場も川向かいとなっていました。でもいくつかのお宿は新築及びリフォームされていまして、左上画像の数軒は新しいですね。

ところで今再度確認していて気づいたのですが、グーグルマップで最大ズームしてみたところ左上の2軒は表示されるのですがとらやさんは建物の存在すら表示されず「ない」ことにされてしまっています。これってどうしてだろう?



ちなみに画像の順番はばらばらですが(現地に行ったことのある人ならすぐわかりますよね)お許しいただくとして、この日も実に暑く、普通であれば行くはずのえびす神社が坂道のかなり上方にあるようなのでお詣りをパスした次第です。

さてお宿に戻りお散歩の汗を流すべく‥

ん?でも?お宿内の成分分析表には「使用位置(の湯温):43.5度」と書かれていたのですが??一時は「自分の身体が火照っていて体感センサーがブチ壊れたのか?」とも疑いましたが、この理由はあとでご主人にうかがって納得した次第です(後述)。




(部屋がエアコンで涼しいからできる所業)

いや、これが近年の北海道だとなかなか叶わぬ夢になりつつあるんですけれどね(部屋にエアコンがないのでクールダウンできない)。お湯は完全に無色透明で、ツルツルの浴感はpH9.9の高アルカリ度とメタケイ酸由来でしょう。



やはり女湯は一回り小さいんですね。

なお自分の入浴と入れ代わりで確か5名だったかの男性グループが入ってきました。脱衣後、浴室からは「うわ熱いぞ水入れろ水!」の声が響いてきました(笑)。やっぱり自分の体感センサーは壊れてなかったなよしよし。

さていよいよ夕ごはんタイムがやってきました。こちらのお宿はご主人手づからの「うまいもん料理」が出てくるようですが‥



まずはお飲み物から‥ええっと、いきなり現物がフルラインアップで登場。データだけでなく現物のボトル(に記載された情報)をも確認して選べるというのはなかなかです。というわけで地元浜田の「のど黒 純米吟醸」を選びました。この前日に飲んだ「ほれぼれ」(萩市の酒蔵)もそうでしたが(中国地方日本海側のお酒はこれまであまり口にしたことがなかったのですが)、ボディのしっかりとした「味吟醸」なのかなと思います。同じ日本海側でも石川や富山、山形のお酒は先に香りが立つんですよね(そして案外ほっそりというか淡泊な味わい)。

こののど黒純吟は香りこそ弱い代わりに、どっしりとしたお米の味わいで勝負という気がします。青森のお酒にも通じるところがあるかも知れません。

で、この味わいとお刺身とのマッチングについては、恥ずかしながら40代まではわかっていなかった気がするTakemaです。というのも、日本酒に目覚めたのが「香り吟醸酒ブームの火付け役」たる「出羽桜」(山形県天童市)でしたからね。つまりは「香り吟醸派だったゆえに味吟醸にはなかなかおちょこを持つ手が進まなかった」というわけです(笑)。

酒談義が長くなりましたが、ご覧のとおりお刺身はたっぷり。しかも嬉しいことにわざわざ説明書き付きなのです!これは各宿(特に家族営業のお宿)には真似をしてほしい!お魚の刺身、その身だけを見て誰もがぱっと「あ、これ○○だ」と判断できるわけではないので。上画像の場合「ヒラマサだ!」と即座に言い立てられる人は少ないでしょう。ヒラマサだと認識してこそブリとの味わいの違いがわかるわけで、そうでなければ「この刺身も美味しいね」で終わってしまうわけですから(苦笑)。




まずは乾杯とお刺身、そして前半戦です。嬉しかったのは左下画像の煮付けで一尾を半分にして(潔い)2人前として提供して下さったことで、普通ならなかなかこの形での提供はありません。電話予約した際に「少食夫婦」であるということは伝えていたとは思うのですが、この提供は「夫婦なら好みに応じて分け分けできるだろうから」というご主人の思いやりであろうと思われます(感謝)。

しかし常に油断は大敵なのでありました(苦笑)。小鉢は画像以外にも2品ほどありましたがそれは問題なくクリアとして‥





ええっと、両上画像はズーム具合が全然違います。当然タイのほうがはるかに大きくて量も多く、テーブルに載せられた瞬間には「これは無理、平らげられない」とちょっと観念した次第です。

でもいざ食べ始めてみるとあっさりした味付けと身の美味しさとで、気がつけば完食していました。自分でもびっくりです。



ただし「いけるな自分♪」と息巻いていたのもここまでで、最後の一品である素麺までは手が出ませんでした。残してしまってごめんなさい。なおデザートのフルーツはいつもの通り部屋にお持ち帰りです。

しばし休憩したあと、腹ごなしを兼ねて「夜のお散歩」といたしました。平日ゆえそもそも湯客は少なく誰も出歩いてはいませんでしたが(向かいのお宿は定休日だったみたいだし)‥







残念ながら川の擁壁のほうは草が生えていて最初が判読できませんでしたが(「○○も美肌も島根から」)、これは各温泉地にもありかなという広告アイデアですね。一度セット(初期投資)してしまえばあとは電気代しかかからず、それでいて夜ゆえ目を惹くポイントになりますから。

このあとお宿に戻りお風呂に入ったら、湯温は実測で43.3度と入りやすい湯温になっていました。まぁこの時は「例の男性陣がまた加水しつつ入浴したのだろう」と思っていたわけで、そのあとやがて就寝。



明けて翌朝。例の男性陣が朝湯に赴く前に入りましたがやっぱり湯温はそう熱くもありません。この日の女性客はおしんこどんだけだったので女湯は終始貸し切り状態でしたが、計測してみると42.8度とやはり高くもありません。まぁ無駄な加水も不要だし快適入浴♪



朝ごはんは適量でした(とうもろこしは1切れでよかったですが)。なお茶碗に盛られたご飯の量にTakemaの少食具合が如実に表れています(笑)。

なおこの日の天気予報というか最高気温予想ですが、美又温泉のある浜田市やこの日に向かう大田市など日本海界隈は31度とのこと。ただこの同日、同じ中国地方でも広島市や岡山市の瀬戸内側は35度オーバー予想が出ていました。つまりは「避暑によきエリア」ってことでしょうか?(あくまで相対的にね)。



打ち水がなされたとらやさん前。さてそろそろ出発ということで、ご主人に美又温泉の湯温についてご質問申し上げたところ、明快なご返答をいただきました。



ということで、とらやさんの湯に浸かったときのTakema体感センサーが正しかった(45度半ば)だったことはご主人により証明されました!(笑)。というわけですっかり満足納得した上で出発です!

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