− その1 萌芽黎明編(何のこっちゃ) −

去年の春、人から蕗(フキ)を沢山もらったことがあった。もちろん食用(茎)としてなのだが、その中に根が付いているものがあったので、試しにおしんこどんがベランダの鉢に植えてみたところしっかり根がついたようだった。春は過ぎ夏過ぎ去りて秋になる。見ている限り何の変化もない。葉を大きくしようとすることも新しい葉を出そうとすることもなく、蕗はただその3枚の葉を大切に守っているだけだった。そして季節は冬に。

さすがの葉も冬には枯れてしまうのだろうと思っていたが、予想に反し、蕗の葉は相変わらず無言のまま現状を保っている。この冬は雪もほとんど降らずにきたからだろうか。そして年を越し立春を過ぎた頃、初めて蕗が無言のまま自己主張を始めた。

いつのころからか、根元のあたりに小さく顔を出し始めた小さな固まりがあった。それが加速度を増しながらどんどん大きくなってきた。そして2/16、小ぶりながら立派なフキノトウにまで成長したのだった。フキノトウの数は2つある。今はこれを食べてしまうかそのままにしておくかでかなり悩んでいる。たぶん一つだけ食べるんじゃないかな。

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