思いがけず気に入ったヘブリディーズ諸島 isle of Harris & Lewis

                   
思いついたのは突然だった。もう2日くらいこのスカイ島をまわりながらのんびりしようと考えていたのだが、とりあえずテントをたたみ、「ま、最初に先端のUig まで行ってみようか」と、軽い気持ちで車を走らせた。もうすぐ Uig というところで、半島を回り込むと港が見え、大きな船が見えた。
ferry
「あれってフェリーなのかなあ」と思いつつ、とりあえず港まで行ってみることにする。さーてどこに停めようかと思っていると、港湾関係の係員が「このレーンの最後尾に停めろ」と指示を出してきた。おいおい、別に船に乗るわけじゃないのに。

でもまあ、言われたとおりに車を停め、ついでだから小さなフェリーターミナルに顔を出してみると、今まさに乗船手続きの真っ最中。ターミナル内の写真とか見てるうちに「渡ってみるのも面白いかもしれない。どうせ戻って来るんだし。」という気になってきた。こうなるとあとは早い。急いで必要事項記入して列の後ろに並ぶことに。つい30分前までは考えもしなかったことだ。

やはりハイシーズンだから結構混んでるらしく、「帰りの予約もしといた方がいいよ」といわれ(もっともかなり聞き取りにくかったので、もっと強制的な言い方だったかもしれない)、なぜか往復割引で車ごと渡ることに。

気になるお値段は、車つき往復料金で65ポンドだった。当時のレートが1ポンド=200円くらいだったから、片道、車込み6500円か。何だそれほど高くもないのにほっとする。船内はカフェテラスを中心に結構混んでいたが、幸いパブが空いてたので、そこを我が指定席として陣取ることにする。さすがにこういうところのパブは営業時間の制限を受けていないらしく、まだ早い時間からエールで喉をしめらせられるのは何とも最高である。

途中一時的に雨も降ったが、天気も持ち直し、Harris島のTarbertに到着。どこに行くかも決めていないので、まずはinfoで情報収集。聞いてみると、この島にはキャンプ場は2ヶ所しかなく、そのうち1ヶ所は今閉鎖中で、もう1ヶ所もやってるかどうかわからないという。ホントかいなと一瞬疑うが、ここはインドであるわけでもないので、まあそうなのかなあ、とあきらめる。あとで確かめたら、確かに1ヶ所は休業中だった。でも、未公認だがきれいなビーチ沿いのキャンプ場があった(後述)。

結局ちょっと贅沢して、B&Bに泊まることにする。結局2泊したが、まわりに他の家のないエリアで、結構雰囲気は良かった。ただし、BBの名前が「Riverside」というだけあって、屋外のmidgeは元気いっぱいだったが。

さて、ここでHarris & Lewis 島のアドバイスを。

(1) たしかフェリーは往復だと割引料金になると思う。ということは、例えばスカイ島から渡って、帰りはUllapool に抜けるとなると高くつくと言うこと。詳しくはフェリー会社に。ここから行けます。

(2) 島の最大の町 Stornoway には何でもありますが(島ですから値段はちょっと高め)、スカイ島からのフェリーが着く Tarbert には何もありません。スコットランド銀行とinformationとパブとお土産屋とFish'n Chips 屋くらいだったような・・・便利さならStornowayを、静けさならTarbertを選ぶのがいいかも。

(3) Harris 島とLewis島は陸続きです。ちょうど一番細い接点が Tarbert ということになります。日本人はほとんど来ない模様です。BBの宿帳見ても、3年前に女の子が一人だけ泊まってただけだし、パブで聞いてみても「日本人なんて見ないなーっ」と感じでしたから。

(4) 道路状況としては、一車線道路が多いです。特にHarris側はそんな道ばっかりで、この島で気合い入れてスピード出す気にはなれませんし、ここまで来てダッシュしてどうすんの?といった感じです。


   ****   主なみどころ   ****

とはいっても、ここに来る人の多くは「ここになにがあるから」といって訪ねてくるわけではないでしょう。特別な観光資源というモノはほとんどありませんが、全体としてワイルドさが際だっています。特にHarrisの岩だらけの山を見てしまうと、スカイ島の風景が何とも女性的であったことに気づかされる感じです。
beach
(1) isle of Harris 
Tarbert から道を南下していくと(アップダウンの激しい道なので、自転車では死ぬと思う)、きれいな入り江に出ます。入り江からさらにもう少し行くと、北緯60度とは思えないほどきれいなビーチに出ます。海岸線沿いの草地にキャンプしている人たちのテントも10張りくらいありましたので、泊まるのもOKとみました。

泳ぎたい人はどうぞ泳いで下さい。やはりここでも白人が泳いでるのを見て、よーし俺もいっちょやったるか!と奮起して海パンにはきかえ海に入っていきましたが、膝まで来たところであまりの冷たさに急にビビリ出してしまい、結局入れなかったのはこいつです。でも海はものすごくきれい。買い出しに行こうとしても車がなければ不可能だし(ヒッチしようにも車はごくまれにしか通らないことも)、水道も電気もありませんから不便といえば不便ですが、それでもあそこは気持ちよさそうだな。
harris
ハリス島の内陸は道沿いにずっとこんな感じの風景が続きます。たしかTarbert から南端までは、食料品屋が一軒と軽食喫茶系の店が一軒しかなかったような気がするので、くれぐれも食い物はあらかじめそろえておくのがいいかもしれません。
でも、こんな風景の中でただ昼寝だけするというのも最高の贅沢なんですよね。

(2) isle of Lewis
島の規模としてはハリスより遙かに大きいです。ただしハリスに比べてちょっとばかり大味な気がしないでもないけれど。まわるのは絶対に車かバイクでないと死にます。島とはいえ、距離も起伏もあるからねえ。
stonecircle
ハリスからA859を北上しルイス南部の湖を見ながら進み、途中で858に向けて左折するショートカットを抜けてしばらく行くと、ストーンサークルがあります。もしかしてこの島で一番の観光地かも。何といっても観光バス用の駐車場まであったしお土産屋もあったくらいだから。とはいってもやはり本土とは人の入りが全く違うようで、サークル周辺に誰もいなくなることがしばしば。立入禁止区域も一切なく、みんな好きに歩き回ってるという感じです。

でも、ここでのんびりするのも何とも言えずいいモノです。結局2時間くらいいたかなあ。

このサークルに限らず、この島にはいわゆる先住民に関する遺跡が多いようです。すぐ下の石組みの写真はかつての砦兼住居だったそうで、中まで入れるのが何だか不思議でしたが、なかなかです。

このほかにも、西海岸の方に行くと「Black House」というかつての住民の復元住居があったりします。メジャーなやつとマイナーなやつとがあって、メジャーなやつは大規模で、舗装道路のすぐ脇にあるのですが、マイナーなやつは別の場所で駐車場に車を停め、ちょっとした丘を通り過ぎていったところにありました(道路の横に看板があるのですぐわかる)。

しかし、あんな家(写真はないけれど)に今から50〜60年前まで住んでたっていうんだから、何だかすごいよなあ、と思ってしまいました。あ、でもまあ日本でもそうだったか。

ルイス島の北端まで来ると、各家々のわきには黒い燃料用の乾燥泥炭が積み上げてあるのが目に入り、ああ遠くまで来たんだなあ、と嬉しくなります。

北端の岬には灯台があるのですが、遙か断崖絶壁の下にはアザラシが群れているのが見えます。でも所詮それだけ。個人的にはうーんやっぱりハリス島のほうが好きだなあ、という気にさせられました。


結局思いつきで来てしまったヘブリディーズにもこれでお別れ。このあとは再びスカイ、カイルオブロハシュと戻り、さらに北上します。

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