John O'Groats のハギスとビール、どっちが触媒?


ハリス島では、せっかくB&Bに泊まってるんだからと思い、これまでにたまった洗濯物を全て洗った。宿の奥さんに「Washing Machine 、使ってもいいですか?洗剤は持ってますので。」と許可を得て使おうとすると、「あなたの持ってる洗剤、それだけで足りるの?」と質問あり。Takema 持参の洗剤は、いわゆる旅行用の小さな小袋だったので心配してくれたらしい。「いや、これで大丈夫なんですよ。」というが、どうも量的に合点のいかない様子。でも、「いや、これは酵素入りで、少ない量でもよく落ちるんですよ」なんて、洗剤会社のまわし者みたいな説明したって仕方がないから結果を見てもらうことにしたら、干してるときに「あーらホントに汚れ落ちてるみたいねえ」の声あり。洗濯機使わせていただいた恩もあり、バックパックの中にまだ残っていた小袋を進呈。「今度使わせてもらうわね」と言ったときの奥さんの顔は完全に主婦のものであった。・・あたり前か。
さて、ヘブリディーズ諸島から再びスカイ島に戻り、ここでもう一泊しようと思ったが、どうしよう・・と思いつつ運転しているうちに本土への橋まで来てしまった。ま、いっか、と思い、 Ullapool まで行ってしまうことにする。しかし、本土に戻ったあたりから天気は下降曲線をたどり、「そのままスカイ島にとどまってりゃよかったなあ」と後悔するが後の祭りである。やっとこさ着いた Ullapool は天気こそいいものの、何だかキャンプ場はえらく混んでいる。そりゃ町中にあって何かと便利だから混んでるのも仕方ないが・・と思いつつ場内の空き場所を探しているうちと、一番奥があいていた。
そのまた奥はゴルフ場。おかげでゆったりと広々していて環境はまことにいいし、すぐ横の堤防の上にあるベンチに座って景色を眺めていると、何だか江戸川の堤防から川を眺めてるっていう感じがしてなかなか良かったのだ。ただ、町中だというのに(おまけに奥に見えるのは川じゃなくて海だというのに)midge の奴らがちらほらいるのには閉口したけれど。

あと、テントのすぐ横がグリーンなので、いつこっちに玉が飛んでくるかわからないっていうスリルはあったなあ。頼むから車のフロントガラスには当たってくれるなよ、何て思ったりしてたっけ。でも、このキャンプ場のシチュエーションはおすすめだなあ。スーパーにもパブにも歩いていけるし。ただ唯一の難点はシャワーがコイン式で、朝早く浴びようとしたら小銭がなくてコインが買えなかったこと。朝は結構冷えるので、暖かいシャワーを浴びてからテント撤収したかったんだけれどなあ。

さて、翌日は一気に John O'Groats まで行く羽目になってしまった。ホントは途中で泊まってもっとのんびりしたかったんだけれど、道中はずっとどしゃ降り。これじゃあテント張る気にもならないし、寒いし、おまけに道もあんまりよくないしで、少しでも雨がやみだしたらそこで張ろうと思ったら Thurso まで来てしまった。で、そこのキャンプ場は国道沿いだし、何だかだだっ広いだけで落ち着かない気がしたので一気に行っちゃったのだ。着いてみたらやっぱり小雨。でもまあ、とりあえず屋台の Fish'n Chips ぱくつきながらうろうろしてたら、この先端の岬にパブがあるじゃないのさ!喜んだ喜んだ。このキャンプ場は有料とはいえ何だか物寂しげで(もちろんトイレやシャワーはあるけど)、うるさいところもいやだけど張ってる人がほとんどいない(天気のせいだろうな)というのももののあはれを誘うわけで、暇を持て余していたのですよ。そんなところでパブでしょ、こりゃもう行くっきゃないもんね。

そこでまたもや知らないエール飲みながら(ホントにちょっとエリアがずれると同じ銘柄がなかなか飲めないのが寂しいところだ)、何気なく「おつまみでも頼もうか」と思い、メニュー見せてもらうとそこにハギスの文字。スカイ島に泊まったときにパブで頼んだハギ(ス)があんまりうまいとは思えない代物だったので(注:自分がハギスを食べたのはその時が最初)、あんまり期待もせずにオーダーしたわけです。

でも、出てきた一品を食べてみて驚いた。うまいじゃないのさこれ!これもあれも、同じハギス?と思ってしまうほどのおいしさ。それまでにエールを3-4パイント飲んでいたので、あと一杯くらいでテント戻ろうかなあ、と思っていた自分の野望は一気に崩れた。これさえあればいくらでもいけるって感じで、何だかその後やたらに飲んでしまったぞ。Takema はもともと日本酒党で、うまい塩辛でもあれば純米あたりはかなりがんがんいってしまうという傾向があるのだが、ビールなどでは「どんなつまみといっしょでも、腹がガボガボになってしまえばそれ以上はいいなあ」という人だったのだ。でも、こっちのエールのマイルドさも手伝って、この時はとてつもない量を飲んでしまった記憶がある(いや、最後の方はかなり断片的な記憶しかないけれど)。どうぞ皆さん、ぜひ先端のパブで一度ビールのお供にハギスを!もっとも、スカイ島のハギスとここのと、どっちが正統的な味だったのかはわかりませんがね。

この日の写真は結局ほとんどなし。何だかテント張ってからいったい何をしたのかすら、今となってはあやふやな状態。でも、天気は悪かったけれど、あれはあれでまあ良かったんじゃないかな。


そんなわけで、ここまで来れば旅ももう終盤。あとは Edinburgh までのんびりと下って行くだけです。大した旅じゃないけれど、ここまで読んで下さったのなら最後までおつきあい下さいな。

  突然のパレード

  スコットランド Pub & Camp