車停めたら出られなくなった・・ (*** 突然のパレード in Golspie ***)


さんざん酔っぱらったJoho O'groats の翌朝はまたもやどんよりとした曇り空。何だか陰湿な雰囲気の中濡れたテントをたたみ、今日は Inverness までA9号線をのんびり南下することにする。日曜日ということもあり、車の通行量も少なく快適ではあるが、左側にずっと開ける海が鉛色なのでなんだか開放的といった感じではない。
話をするヒッチハイカーすらいないままただひたすらに南下していく。Brora という町にはいると、この規模の町はこれまでいくつか通ってきたにもかかわらず、道行く人の量が違う。それもみんな同じ方向目指して歩いていく。「こりゃ何かあるな」と思い脇の道に入っていくと、小さなフリーマーケットが開かれていた。時間が早かったからか、出店はまだ10店くらいだったけれど、思わずその町オリジナルのTシャツを購入。何だかほのぼのとしていい感じだったけれど、広場の大きさからいっておそらくは20店くらいが限度だろう。何ともこじんまりとしたマーケットであった。

さて、この Brora で朝飯代わりに牛乳とパンを買い込み、飲み食いしつつ再び南下。それほど走らぬうちに Golspie という町に到着。この町はさっきの Brora よりももっと大きな町なのだけれど、この町も何だか様子が変だ。というか「これから何か始まるぞ」って感じがぷんぷんしてる。国道沿いの歩道にテーブル出し始めてるから、どうやらイベントはこの道でやるようだ。ということで、フリーの駐車場に車を停めて様子を見ることに。
そしてしばし待つこと15分。あまりまとまりのないままにあやしい仮装行列がやってきた。お世辞にも良くできてるとはいえない動物らしいのから(そういうのに限ってパフォーマンスもおもしろくない)、長崎おくんちの変形版みたいのまでいろいろと出てきた。ただ、観光目的でやってるわけじゃないのは確かなようで、かなり内輪受けの様子がありありとうかがえるところがいい。何ともいえずほのぼのしている。「何だか今日はほのぼの系はいってるなあ」と思いつつ見ているうちに、仮装行列の軍団もあらかた終わった様子。「さて、そんじゃそろそろ行こうかな」と思って駐車場まで戻ってみたのだが、何と駐車場の前には警官が数人いる。「(警官)車出したいの?」「ええ」「このフェスティバルが終わるまでは駄目だよ」「えっええ?」。どうやらこの一連のお祭りが終わるまでは駐車場もロックアウトしているらしい。しかしいつ頃までかかるの?と聞こうと思ったときには、彼らはもうどっかに行ってしまっていた。おいおいここで足止めになっちゃったぞ、こまったなあ。と、 思っていた頃である。遠くの方からどっかで聞いた楽器の音が聞こえてきた。「あれ、これって何だっけ」とよく耳を澄ませてみると、どうやらバグパイプの音色である。しかもどうやら一台や二台の音色じゃないようだ。
そしてしばし待つうちに現れたのがこのバグパイプバンド。総勢10人(うち一人はドラムだけど)が奏でるバグパイプの音色は、堂々としているはずなのになぜか哀愁を帯びているような感じがして心に響いた。しかしこのバンドもまた地元のパブのおやっさんとかベーカリーの親父だったりするんだろうなあ、と思うと何だかおかしくなってしまうのだ。

どうやらこのバンドの通過を持って道路の封鎖はとかれるようなので、足止め時間はほとんどなかったけれど、なかなかいい雰囲気ではあった。

さて、そんなこんなで Inverness 近くまでやってくると、道幅もいつの間にか片側2車線になり、「都会にやってきたぞ!」という気にさせられる。でも、都会好きでは決してないTakema、「ここに泊まるのはやめて、もっと小さな町のホテルにでも(ちょうどバグパイプ軍団の写真の背景にあるようなやつ)泊まろうかとも思った。ただまあ、いまさら考えるのも面倒だし、時間的にもそこそこだったのでやっぱりこの Inverness 泊まりとする。

で、あとから知ったのだがここってやたら B&B が混んでいる!High St.に近いあたりはいずれも「 No Vacancy 」ばかり。車なんだから中心部から遠くたって良さそうなものだが、どんな店があるんだかゆっくり歩いてまわりたかったんであえて徒歩エリアを探したかったのだ。で、結局£12の宿に決めたのだが、街中にしちゃ安い。しかし安いだけのことはあり、「うーむこれで円換算2400円かあ(ちょうど£1=¥200のころだった)」とため息をつくような感じ。ま、でも濡れたままのテントよりはましなんだけれどね。宿の前に停めた車の上にテントを干したので濡れものもなくなった。この日は近場のパブでちょこっとひっかけただけ(3パイントくらい。あ、そのあとウオッカ頼んだっけ)で、暇になったら Fish'n Chips をネス川にたむろすシーガルに放り投げたりしてたっけ(そういえばHigh St.で買ったChips、何だかえらく高くて頭にきた記憶がある)。都会に来ると、人はたくさんいるのに自分は一人ってのが実感できちゃうからいやなんだよね。田舎のパブだとだいたい近くで飲んでる人に話しかけて強引に友達(?)作れるからいいんだよなあ。

そんなこんなで、なんだかあんまり印象のよくはなかった Inverness 。でも、たった一日の滞在でああだこうだ言えるはずもありません。またそのうちゆっくり、というところでしょうかね。で、この翌日は St.Andrews くらいまで下ってしまうのですが、今考えても、この旅行でいったいどうして Scotch を一口たりとも口にしなかったのか、はっきりいって疑問です。普段はウィスキーって確かに飲まないんですが、あそこまで行ったのに・・
というわけで、翌日は山をいくつか越えてさらなる南下。飲み過ぎて記憶がなくなりかけた Crail の町へと向かいました。が、Scotland の旅についての記録はここまで。長々と読んでいただきお疲れさまでした。

[スコットランドのトップへ]  [ホーム] [海外うろうろ編トップ]