「タイといったら常夏の熱帯!ビーチリゾート行くっきゃないでしょっ!パタヤはちょっときたないらしいけど、サメットとか、よさげだしぃ」などとお考えの方はこのページをお読みになる必要はございません。このページでは、わざわざタイまで行って山岳地帯を汗ふきながらぽこぽこ歩いてみたい!という奇特なお客様を対象にしております(笑)。

で、その「トレッキング」ですが、タイといえば当然タイ族の国。とはいっても、当然隣国とは地続きの国のわけで、国境近くに行けば行くほど別の民族の比率が高くなっていくわけです。特にミャンマーと国境を接している北部タイあたりになると、山岳地域に住む少数民族の村々が多いわけで、要は、ここで言うトレッキングとはそれら少数民族の村を訪ね歩こうというツアーなわけですね。

彼らは当然平地に住むタイ族とは違った生活様式を持っています。まずすぐ見てわかるのは民族ごとに違った衣装でしょう。女性の服を見れば、「あ、この人はモン族の人だな、あの人はアカ族だな」というのがすぐわかります。観光用にそれらを寄せあつめた感じの服を着ているのが、Maesai(メーサイ。タイの一番北の町)の国境の橋のたもとで「写真撮ってぇ!」とまとわりついてくる子供達、ということになります。なお、彼女たち(まだ小さな女の子)と一緒に写真を撮ると、撮影後に「撮影料」を要求されますので念のため。あれは彼女たちの「お仕事」なのだ、ということを忘れずに。それでもいいというのならどうぞご自由に(わたしも撮りました)。

また、農業も焼き畑などを含め、山岳部のわずかな平地を利用して行っています。ただ、近年は収入などの問題やタイ族からの差別的な仕打ちもあって、生活様式が随分様変わりしつつあるというのも事実であるようです。

さて、われわれがそのような村々を訪れる場合、実際に山の中の道を個人で巡るのは、治安、地理に不案内、言葉(タイ語すら通じなくなる)などの問題からあまりにリスクの高い行動であるのは間違いありません。特にバイクなどの行動的な乗り物を利用する場合は、うっかりすると気づかぬうちにミャンマー領に入り込んでしまい、国境警備隊に捕まって…なんてこともあり得ない話ではありません。わざわざそんなリスクを一人で背負い込むくらいなら、現地の旅行社が主催するツアーに参加するのが一番現実的です。

そういうツアー会社はチェンマイに行けばそれこそくさるほどあります。ただ、各会社がたくさんのツアーを出しているということは、それだけその地域に入山する人の数も多いということにもなりますので、できれば長い期間のツアー(3泊4日以上)、せめて2泊3日のツアーに参加しないと、里=平地に近いエリアにしか連れて行ってもらえない公算が大です。また、あえてチェンライやメーホーソン発のツアーを選べば、それだけシブめのエリアに連れて行ってもらえる可能性も高まりますが、問題は、人数が集まらないと出発してくれないということです。日程的に余裕があまりない場合は、集客力のあるチェンマイ発のツアーを選ぶのが無難でしょう。

また、トレッキングとは言えませんが、チェンマイやチェンライ、数は少ないですがメーサイなどにもレンタルバイク屋がありますので、ちょっとガタのきたバイクを借りて乗り回すこともできますが、保険等は一切ありません(海外旅行保険の適用対象外)ので、借りるときはそれなりに気をつけて乗るべきです。

ツアー自体は一年中でていますが、タイと入っても山岳地域の朝夕はそれなりに冷えます。年末年始の頃なら、絶対に防寒系の服が必要です。ツアー中は風呂やシャワーには入れませんが、Waterfallの滝壺や、バンブーいかだでの川下りが組み込まれている場合はそれなりの水浴びができるでしょう。そして、何といっても雨期(6-10月)は避けるべきでしょう。道がどろどろになっているので、ひどいときには道が寸断されて最初の村まで行けなくなったりします。

なお、ツアーを選ぶ際は、

(1)行程途中にWaterfallがあるか(ただし年末年始の寒い時期はなくてもいい)、
(2)同じく行程途中にElephant Rideが含まれているか、
(3)バンブーいかだの川下り(Bumboo Rafting)があるか、


これら3つを参考にするといいでしょう。もっとも、どこの会社のツアーも似たようなものですから、あとは従業員の雰囲気や、人数がどのくらい集まっているかなどの付帯状況で考えましょう。なお、バンブー川下りがある場合、荷物は「最悪の場合水に浸かってびしょ濡れ」になることがあり得ます。荷物は最小限、かつ防水に気をつけて、濡れてはマズイものはビニール袋に包む等の準備を怠りなく。それでもせいぜいデイパックに納まるくらいの荷物で歩くべきです。