屋久島というとすぐ縄文杉や宮之浦岳(九州最高峰というけれど、やっぱり本土の山を対象として考えるべきなんじゃないかと思う)を思い出すけれど、温泉だってちゃんとあります。「平内海中温泉」はそのあまりにも有名な例ですが、あそこだけで屋久の温泉を語っちゃいけない。ここでは、屋久島にある5つの温泉について体験レポートをまとめることにしましょう。
その1 尾之間(おのあいだ)温泉
ここは有名なところなので知っている(入ったことのある)人も多いと思います。地図(エアリアマップ)にも載っているし、尾之間周辺にいくつかあるホテルからはいりに来る人も結構いるんじゃないかと思います。もちろん(残念ながら)男女別の立派な温泉銭湯です。お湯は、はっきりいって熱いです。湯船は結構深めで大きく、下に小石が敷き詰められていて快適です。でも、熱さゆえ長く浸かっていられないのが難点かも。
今の立派な建物に建て替えられるまでは簡易宿泊もできたそうで、何だかバックパッカーが集まりそうな雰囲気であったのでしょうが、今はただ入るだけです。でも、風呂からゆっくり上がって、表のベンチでのんびり涼みながらゆったりくつろぐだけで十分です。この温泉のファンになること請け合い。多少お金に余裕のある人だったら、山から下山後直行でここに来て汗を落とすのも最高じゃないでしょうか。
その2 平内海中温泉
たぶん一番有名で、たぶん一番観光客が多く、たぶん一番ひやかし客(はいってる人をバックに写真撮るだけで帰っちゃう人とか)の多い温泉でしょう。露天風呂、脱衣所なし、混浴、これらはともかくとして、干潮時しか入れないという時間的制約があって、そのため入浴可能時間はいつでも混んでいるというかイモ洗い1歩手前という感じです。年末とはいえまだ年始には間のある時期に行ってそうだったのですから、ハイシーズンはどんな状況になっているのか想像するだに恐ろしいものがあります。というわけで、入ったことはあるのですが、他の入浴者のことを考え、写真はなし。たぶんガイドブックなんかには載ってるでしょうから、興味のある人はそちらをどうぞ。
2001-1 注: 一応画像付きのページを新たにアップしました(平内・湯泊温泉)。こちらからどうぞ。
その3 湯泊温泉
ここはいいです。おすすめです。平内からそんなに遠くないところにあるのに、知名度の低さや場所のわかりにくさも手伝って、3回行ったうち他の入浴者は1人だけ。ゆっくりと海辺の温泉を楽しめます。露天風呂、脱衣所なし、常時入浴可能。ただし、ゆっくりと入るのがコツ。特に冬場はお湯がぬるいので、腰を据えてじっくりと暖まるようにしましょう。
湯泊のバス停から海に向かって下っていく細い道(入り口に小さな看板あり(2001-1注:なくなってます)。なお車の場合駐車できるスペースがあまりないので注意)を下っていくと、道はどんどん急になり、細い歩道になり、さらにどんどん行くと、海岸に出る。出たところのすぐ左側にまずは第一温泉発見(上の写真)。湯船が二つ並んでおり、どっち側だったかのほうが少し温度が高い。とはいっても、平内などに比べるとぬるさは否めないのでここでもゆっくり浸かっていればいい。なお、自分が行ったときは、居ながらにして海に沈む夕日を眺めるという大変贅沢な経験をしました(本当は「海に沈む」じゃなくて「その手前にある防波堤に沈む」なんだけれど、まあ細かいことはどうでもいいよね。なお、春から秋にかけてはたぶん太陽がもっと北寄りになるんでこうはいかないんじゃないかと思います)。
実はもう少し奥の方にもう一つの湯船があります。それがこの左の写真で、メイン湯船からは見えない位置にあるので、こっちを女風呂にするのもいいかも知れない。ただし、こっちの湯のほうがさらにぬるいです。おまけにこっちのほうがより海に近いこともあって、時折波しぶきが飛んでくる。こっちは、冬にはおすすめしません(それでも入ったけれど)。メインがよっぽど混んでるときの予備とでも考えて下さい。もちろん夏場ならこっちのほうが明らかに野趣あふれる感じですからいいでしょうね。なにはともあれ、大人数で行くべき場所ではありませんので念のため。こっちまで平内温泉のようにならないよう祈るばかりです。
2002-5注:先日改修が行われ、このような湯船ではなくなってしまいました。ちなみにこの写真は「浜湯」のものですが、こちらが改修され、ほんの僅かの目隠しが出来たようです。また、地元の方が管理人として常駐するようになったとか。ただし、より海に近い「先の湯」はそのままだそうです。
2003-5注:その改修後の画像をTOMOZO-SANからご提供いただきました。ご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
その4 楠川温泉
この楠川温泉はひなびた温泉といった感じ。管理人さんもいたってのんびりしている。楠川手前の海沿いの国道から看板に従って中へ入っていくのだけれど、どんどん登って最後にちょっと降りたところにあるので(大した距離じゃないんだけれど)、何となく山の中の一軒宿と行った雰囲気。男女別の湯船は小さいけれど、お湯の蛇口をひねると熱い湯がじゃぼじゃぼ出てくる(でも確か加熱してるとか聞いたような・・違ってたらすみません)。風呂から上がったところにある畳敷きの部屋は休憩室。古いマンガ本なんかがあったりしてゆっくりくつろげる。でも、女の子の中には「何となく薄暗くて落ち着かない・・」なんていうのもいるかも知れないね。そんなやつはここに連れてこないように。「時が止まってる感じ」の好きな方は是非一度お立ち寄り下さいな。
その5 大浦温泉
おかしいなあ、ここでは何枚か写真撮ってるはずなのに見あたりません。したがって画像がありませんが許して下さい。さて、大浦といってもそんな地名はなかなか見つけられませんが、場所は島の最北部。宮之浦から永田に向かい、一湊(いっそう)の集落を通り越してしばらく行くと、ちょっと道幅の広くなったあたりで右に細い舗装道路が分かれます。そこには小さな看板も出ているのですが、注意していないと見逃します。あたりに人家があるわけでもないので、一湊を越えたら注意して進行して下さい。さて、最初ちょっと登り気味の道は、しばらく行くとどんどん下り始めます。道の終点は海。そしてそこに一軒の建物が。そこが大浦温泉です。ここも本当に観光客が滅多に来ないところで、自分(達)が行ったときは、一湊のおばあちゃん二人(一人は100才近かったと思う)が入りに来ただけでした。地元の人御用達の温泉なので、温泉にバスクリンが入れられてても怒らないように。風呂上がりには昔懐かしい砂糖菓子とお茶と、ポンカンをごちそうになり、本当にゆったりした時を過ごさせていただきました。
なお、それぞれの温泉の入浴料ですが、尾之間・楠川・大浦は管理人さんがいますのでお支払い下さい。300円か400円くらいだったと思います。平内は無料ですが寸志ボックスがありましたので払うべきと思います。記憶の限りでは湯泊温泉には寸志ボックスもなかったような・・(2003-5注:今はあるらしいです)。まあ、もし車でまわるのであれば、周回コースだけなら2日あればだいたい回れるはずです(たった2日で屋久島の何たるかを理解できるか否かは別として)。だとしたら、なかなか行くことの出来ないこれらの温泉をまわりながらのんびりすのもいいかと思います。
ここまで来たんだから 口永良部島の温泉情報 も見たい!
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