あなどりがたしモッチョム岳っ!



尾之間からのぞむモッチョム岳は何とも立派。前岳の一つとはいえ登ってみたくなる。

モッチョム岳(940m)。尾之間あたりでやたらに大きくそそり立っているので、旅行者でも気付かない人はいないだろう目立つ山。でもやはり前岳(里のすぐ近くの山の意。宮之浦岳などは奥岳と呼ばれる)ということもあって、地元の人以外にはそれほど登られてはいないようである。でもこれだけ立派な山容を誇る山なのだから、見るだけではもったいない!万代杉やモッチョム太郎などの大杉もあるし、ということでちょっと登ってきました。



ちょっと見にくいけれど登山道入り口。いきなり急登が始まっているので
滝見物の人が「試しに行ってみようか」と思うこともなさそうだ。

登山口は千尋の滝展望台のすぐ近く。昨夜、民宿潮風のおとうさんが「いやぁ、モッチョムは最初の登りがキツイからなあ」と話しておられたので、いきなり始まる登りにも納得。だいたい、昨日登った太忠岳と今日のモッチョム、地図上の等高線の密度が全然違う。今日のほうが圧倒的に急だし、しかも標高差だって太忠岳:500m、モッチョム岳:750mというのだから今日のほうがキツイのだ。

数分登ると、駐車場に引かれている水の取水口あり。ちなみに、ここで汲んだ水を千葉に持ち帰って三岳のお湯割りに使いましたが、口当たりが良くて最高でした。やっぱ屋久島の酒には屋久島の水がいちばんいいね。いかん、話がそれた。で、しばらくはトラバースの道なのですが、すぐに一気の登りとなります。ここに限ったことではなく、屋久島の登山道にはジグザグなどというこしゃくな登り道はないので、一気に直登することになります。ちょうど東斜面なので、夏などは朝日を背中にじりじり浴びての登りとなることでしょうから相当汗をかかされることになりそうです。はぁ、冬で良かった。



ヒメシャラの林。

少し傾斜が緩くなってくると尾根上に出て、ちょっと行くとヒメシャラの多い林の中に小沢があります。飲んでみたけれどそんなに冷たくなかったなぁ。冬なのに。やはりここは南の山、前岳なんだなあと気付かされましたよ。

で、ここからまたひとしきり斜面を斜め気味に登っていくと、いきなり現れる万代杉。樹齢が何年くらいなのかはわからないけれど、白い幹が何ともいえず立派。また他の杉と違って、尾根の風当たりの強いところでしっかりと根を張っているところが何ともいえず勇ましいわけで、「Takemaのおすすめランキング:杉の部のトップにランキングしておきたいと思います。

  

キツーい登りを黙々とこなしていくと万代杉へ。根元を登山道が通っています。

なんでも尾之間集落では、幼稚園の遠足がこの「万代杉」なんだそうで、ここまで登ってくるのかい、何とも恐るべし屋久島の幼児たち。しかし、ここから先は少し道が荒れてきます。自分たちが行ったときは相当数のピンクテープが木の枝に巻かれてルートを示してくれていたので全く迷うことがなかったのですが、テープがなかったとしたらそれなりにルートファインディング技術が要求される所もあるかもしれません。また、前述潮風のおとうさんいわく、「ガスが出てきたらすぐ戻れ」とのことです。特に最高地点の神山展望台から先は道が不明瞭&不安定なので、地元の方のアドバイスには素直に従うことにしましょう。

山の斜面を巻きながら登り、モッチョム太郎もどきと勝手に命名したねじり木肌の古杉(枯れている)を通り、最後の水場を通過すればすぐにモッチョム太郎。そこから再びそれなりに急な道を登る。「ここを登りつめてしまえば神山展望台、そしてそこからはモッチョムの頂上もすぐだろう」と心に念じながら。し、しかぁし!神山展望台とやらに着いてみてびっくり。

目指す頂上はまだはるかに先。しかも展望台の場所から一気に下り、そして一気に登りかえさなければならない。かなりショックであったのだ。しかもすでに登りだして2時間半がたっている。今日は2人だし、そんなに遅いペースじゃなかったはずなのに。う〜む、この続きは次のページで。



そしていよいよ稜線に出たっ!でも、目指すモッチョムはまだあんなに遠くだ…

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