本当の頂上はこの岩を登った上にある。
けど‥こりゃクライマー御用達だな。にわかフリークライマーの
Takemaにゃ手も足も出ません。登りたいとも思えなかった(笑)。

屋久島で山を歩くといえば多くの人は縄文杉への往復を想像し、また日本百名山を目指す人は九州最高峰としての宮之浦岳登山をイメージしたりするでしょうが、その二つがあまりにメジャーであるために、それ以外の所を登ったり歩いたりしてみようとはなかなか思いつかないものです(私Takemaもそうでした)。そういうわけで、それら目立たぬ存在の山々はかなり静かで、その分のんびりと落ちついた山歩き(息は上がりますが)が期待できそうです。

というわけで太忠岳(1497m)。上の写真のように大きくそそり立つ岩峰が特徴の山ですが、道もそれなりに整備されていて(大株歩道ほどではないですが)迷うこともなく往復5時間〜6時間(休憩除く)くらいで歩いてこられる日帰りコースです。


駐車場で出発の準備をしていたら屋久シカの親子が出てきた。コンクリの台の上でゆっくりしているので、なんだか
剥製の置物のよう。そしてこれから行く太忠岳方面(写真は石塚岳)が見える。遠いなぁ。

出発地点の屋久杉ランドに民宿華のや号の軽ワゴン(お借りしました)をとめる。今回はTakema夫婦の他、バイクで日本一周中のPOPEYEさんほか総勢6名の大部隊だ。太忠への登山道は遊歩道の先にあるので、まずは入園料が必要。「出口から入っちゃおう」などというやましい心は起こさずに正面突破とする。それにしても入り口の係員さん、どこから来たのかの都道府県名を聞いてくる。統計作りのためなんだろうけれど、せっかくならアンケート形式でもう少し細かなことまで答えてもらう方がいいんじゃないのかな。ここまで来る人は誰もあんまり急いでないだろうから。

そこからしばらくは完璧に整備された遊歩道をてくてくと歩く。そういえば初めてここに来たとき、太忠方面に向かう吊り橋、老朽化でかしいでた気がするけれど、今回は完璧に掛け替えられてきれいでした。そうそう、蛇紋杉への道は2本ありますが、できれば往路に奥の道を行くと、いくつかの大杉が見られてきれいです。手前から登る道は正直いってあまり変化がなくて面白くないので下り道にしたほうが無難。


伐られて随分たつ切り株なのだろうが、一面に苔が張り付き、芸術品然としている。
右の倒木の写真、勝手に「恐竜のあばら骨」と名付けた。

東屋のある蛇紋杉からは登山道となるが、概して整備が行き届いた歩きやすい道が続く。登りの傾斜もしばらくはそれほどきつくないのでのんびりと歩けるのがありがたい。道の脇には昔伐られた大木の根がころがっており、中には人が入れる程の大きさのものもいくつかある。そうそう、水は途中荒川の支流を渡るところで得られますが(奥の吊り橋経由で行く場合)、それより上はないことが多いと思われるので持参したほうが無難です。


途中の倒木は、蛇というか竜というか、何とも奇妙に曲がりくねっていた。
こういうのを見ると黙っていられないTakema&おしんこどん。

さて、このうねり倒木を過ぎたあたりからは急登が続きます。屋久島名物?木の根坂ですので足など引っかけないようにね。しばし登ると大岩の真下に登りつきます。「太忠岳=岩峰」のイメージがあるので「おおっ、よっしゃそろそろ着くか?」と嬉しくなっちゃいますが、すぐ脇の指導標には「太忠岳1km→」の切ない文字。なんだ、まだ1kmもあんのっ!と悲しい思いに包まれざるを得ません。だって、そのあたりの標高はもうかなり頂上と近いはずなんです。なのになぜまだ1kmも?と思っていたら、稜線下のトラバース道(巻き道)が延々と続きます。思うに、エアリアマップ屋久島に表示されている登山道、「石塚別れ」の分岐は実際よりもかなり太忠寄りに表示されているのでしょう。実際は、かなり石塚岳に近づいたところでやっと分岐する(つまりかなり遠回り)と思っていたほうがいいです。

2000屋久島に戻る   そんなわけで太忠岳頂上へ。