8/9夜、大洗からの「さんふらわぁつくば」で苫小牧に着いたTakemaは、当然夜道を走ってどこかのキャンプ場にしけもむ根性などあるはずもなく(やっと船内で一升瓶を葬り去った酔いが取れた頃でもあったので)、さっさとフェリーターミナルからほど近い温泉センターを目指すのであった。おしんこどん@妻は千葉に用事があって、北海道には11日の昼に飛行機で来ることになっているのである。
 記憶違いですこし迷った末に見つけた温泉センターは「湯らり」という名前に変わっていた。しかし中の作りは数年前に泊まったときと全く変わらず、数年前同様、ここ泊まりの同じ選択をしたライダーさん達とともに、中にある軽食コーナーで生ビールやら冷酒やらを飲みながら明日の好天を期待するのであった(上の写真)。そして宴会が終わり、皆さんが寝静まった後も、なぜか漫画コーナーから持ち出されてそのままになっていた「ドカベン プロ野球編」全5巻を読み続けたTakemaが仮眠室に入ったのは午前2時をとうに回っていた。北海道初日の夜だというのに何やってるんだよおいおい(爆)。
      
 
翌日、「湯らり」を出発したのは、もう午前10:00をまわっていた。だらだらしていたとはいえ、ともかく今日中に上士幌まで行っとかないと、11日の昼に帯広空港に着くはずのおしんこどんを迎えに行くのが大変だ。荷物が少なければともかく、おしんこどんは二輪免許を持っていない=道内はタンデム、しかもキャンプ道具、寝袋×2、それぞれの着替え、その他もろもろの装備で、すでにトップケースはおろか、リアシートまで荷物がはみ出している状況、つまりテントを張った上で迎えに行かなければ、タンデムなど出来る状況ではないのである。今夏北海道初デビューの4代目、CBR1100XX スーパーブラックバードは(なんたって7/19納車だった)去年までのCB400SF-Rに比べれば、荷物を載せてもそれなりにスペース的余裕はある、とはいっても足つき性も総重量もずっと悪くなったのだから、おあいこといえばおあいこ。

苫小牧からは、夕張を抜けて樹海ラインを順調に走る。渋滞というほどのものはなく、穂別町でトイレ行ったついでにゆでトウキビ(焼きよりもゆでの方が好きなTakemaである)に舌鼓を打ったりして順調に走ったのではあったんだけれど、でも、なんだか満足がいかない。やはりメイン国道ゆえ、交通量がそれなりに多い。本州と比べれば比較にならぬほどのものとはいえ、道道愛好家との自分としては、やはり「前にも後ろにもな〜んもおらんもんね」っていうのが北海道だと、勝手な思いこみをしている部分があるのだろう。ホントに勝手だこと。

占冠に出たところで道の駅に入って休憩。さて、と思ったら、向こうからなにやら大きめの封筒を持ったお兄さんが近づいてくる。いわく、「えーっ、今日は道の日なのでキャンペーン中です。うちわ、もしよろしければいかがですか?」そうだ、今日8/10は「道の日」だったのだ。もちろん頂けるものは何でも喜んでいただく。で、しばらくその人と話しているうちに(お兄さん、というのはこっちの見当違いで、自分よりもそれなりに年上でした。すみませんm(_ _)m)、ついこの前まで千葉の船橋に住んでいたのが、半年前に転勤で北海道に来られた道路公団の職員の方だという。しばし千葉と北海道の違いについて話が盛り上がる。彼いわく、「うーん、自分もバイクは乗ってましたし、こっちに来たらバイクを復活しようと思ってたんですけれどねぇ、やっぱりウチの奥さんがねぇ云々。」むべなるかな。でも、こんないい気候の日に、うちわ配るのが仕事だとしたらむちゃくちゃいいではないか!と、ふと思ってしまうのであった。ただ、この日がたまたま好天だったから(暑くも寒くもない日だったのだ)そう思っただけで、雨だったら「ご苦労様っす」と思ったに違いない。隣の芝生は青であるに決まっているのだ。

 


さて占冠を過ぎ、そのまま帯広方面に向かえばそれほど遠くはないのではあるが、せっかくここまで来たのなら富良野の方に是非立ち寄りたいところがあった。麓郷ではない。美瑛の丘でもない。十勝岳温泉には多少未練があるが、それとてそこから登れる山に対するという気持ちだけで、温泉そのものに対する興味ではない。自分の興味は富良野駅からほど近い「関西風お好み焼き まさ屋」だ。こちらのお店はネット系ライダーの一部にはやたらに有名なお店で、自分も及ばずながらリンクを張らせてもらっている。でも、ここのオーナー(上の写真ですね)は、自分と同じワーキングホリデーの経験者。カナダがメインのようで、それでいてニュージーランドのワーホリも経験済み。で、いろいろ各地を巡った最後、富良野にお店を出している方なのであります。

最近のワーホリの方についてはわからないけれど(ある程度似た傾向はあると思うんだけれど)、今のようにワーホリが一部の人たちの(笑)中でメジャーになる前、ワーホリを経験した人達は、その後それなりの比率でその経験を生かした仕事を興していたような気がします(現に、かつてNZでたまたま知り合ったオーストラリアワーホリの方は、自分に「一緒に旅行会社やってみません?」と声をかけてくれました。その時の自分はまだワーホリ2ヶ月目くらいで先の見通しも立っていなかったこともあって「いやぁ…」と言うしかなかったのですが、今、彼はアメリカで自分の会社を興して頑張っています(いるはずです。潰れていなければ)。誰にも頼ることなく、己一人の力で道を拓いて生きるという経験、それを自分は、ある意味存分に生かし切ったとは言えないかもしれない(後悔はしていないけれど)。そんな自分にとって、このまさ屋んさんは自分の取らなかった生きざまを選択したという点で、ある意味そんな人がいるというだけですごく嬉しいし、応援だってすごくしたくなるわけです。

さて、占冠から一路北上し、富良野に着いたのは午後2:00少し前。駅の案内所で場所を確かめて、いざ!といっても、すぐに着いてしまった。どう見てもピークタイムではない時間のせいか、店内には外国からのお客さんが、一人ネットを楽しんでいるだけ。まずはまさ屋んにご挨拶。初対面ではあるけれど、やはり「旅人」の雰囲気をしっかり残したまさ屋んとの会話は最初から「このお店、ロンプラ(Lonely Planet。「地球の歩き方」がお手本にした、バックパッカー向けのガイドブックで、もちろん英語)に載せてもらったら、外国人の数も増えそうですねぇ。店長が英語しゃべれるっていうのも大きいし。」「ロンプラですか、そりゃいいですね!」というような、ちょっと国際的なものであった。もちろん食事もおいしいっ!スタミナ玉、豚キムチ玉と悲しいかなウーロン茶(今日はこの後上士幌まで行くもんで…)+サービスのメロンをいただいて、腹もすっきり。実は、朝からゆでトウキビしか食べていなかったのだ(二日酔いだったんです)。それでも、このTakemaが2枚焼いてもらうというのは珍しい。実は、すごい小食なのです。

しかしまぁ時間は着実に過ぎる。3時をまわり、さすがにそろそろ出発かなという時間になった。というわけでまさ屋んと記念撮影。

 
 
そんなわけで、いよいよ上士幌に向けて出発。発進し、ミラーを見ると、まさ屋んが上のお好み焼きの旗をずっと振ってくれていた。こっちも手を振って別れを惜しむ。しばらく行って、信号を通り過ぎても、ミラーのはるか奥ではお好み旗が大きく左右に揺れ続けていた。YHのノリといえばノリだが、おかげでお腹も心もすっかり満ち足りたTakema、そのまま休憩も取らずに上士幌まで走ってしまったのであった。

そして夕方から夜へと空の色が移り変わり始めようとする頃、上士幌航空公園キャンプ場に到着。どこに張ろうかなぁとうろうろしていたら、なんとサトコちゃんに出くわした。サトコちゃんいわく、「おとうもいるよ」。あれま、数日後に多和で宴会するはずのメンバーが、すでにここに集結してしまった(爆)。

明日はおしんこどん@Takema妻も合流する。上士幌の一大イベント「バルーンフェスティバル」は今日から始まっているが、今日は風の具合が悪くてほとんど飛んでいないらしい。明日の天気予報は「雨のち晴れ」。朝一番のフライト、期待がもてんなあ(^_^;)。