夏だ、北の大地だ、フェリーだ、特等船室だっ!



あのぉ、この状態でどうやって二人乗りするの?

いよいよTakema&おしんこどんの夏が始まりました。7/25。午前中で仕事を切り上げたTakemaはそそくさと家に帰り(こういうとき職住近接はとっても嬉しい)、まとめておいた荷物をバイクに積み込み積み上げ、いざ大洗港を目指して走り出します。高速道路ではタンデム走行が出来ないので(ちっ)、あとからおしんこどんも電車で追いかけてきます。

暑い常磐道も、これからの幸せな日々を思えば単なる通過儀礼だと思えてこれまた楽しいわけですね。早めに着いた大洗の町で酒など買い込みおしんこどんの到着を待つことに。

ところで、このフェリーに関しては予約時点から何とも解せないことがありました。予約開始日に即予約したにもかかわらず(あ、私じゃなくて旅行会社の人がね)、やっと取れたのは「特等」のみ。そんなに一気に完売になるはずはないというのは当然ながら、それでもなぜか完売になっちゃうのがある種の「常識」にもなっているわけですね。でも、個人旅行者である限り条件は同じはず。それでは一体誰が「奥の手を使って」チケットをゲットしているのだろうか?その人達に直接その「奥の手」を聞いて、あわよくば来年からは自分もその手で早めに確保したい!というのが本音でありました。うーむとっても独善的だこと。


なんと、今回この船で北海道に渡るバイクはたった4台しかいないことが判明!確かにお盆じゃないけれど、7/25発だったらこの10倍くらいいたっておかしくないはず。乗船前に話したBMW-GSの方も「いやぁ、私も『1等だったら空いてますけど』といわれたんですよ」とおっしゃっていた。こ、これはいったい何なんだぁ!

‥‥車両甲板からレセプションの階までエレベーターで上がり、エレベーターのドアが開ききった瞬間、わたしゃたまげました。

「な、な、何なんだぁこのガキ子供達の多さはぁ!」

見たところ中学生とおぼしき子供達が、通路をあちこち(一応団体行動で)さまよっているではありませんか!その数、後で聞いたところ320人!当然彼ら彼女らは二等和室から埋まっていきますから、引率の方々も含めて二等寝台まで満員になるのは当然!しかも皆さん徒歩乗船ですから、車両甲板が以上に空いてたのもこれなら納得できるってぇものです。

なんでも静岡県東部の各市町村から選抜された団体ということですが、最初こそたまげたもののこの団体は結構厳しい規律があるらしく(是非はともかく)、「船内でグループミーティングをするときは一般のお客さんに迷惑にならないよう‥、ほらそこ、もっと詰める、うしろっ!」とか「シャツは必ずズボンの中に完全に入れること」とか、「甲板に出るときは必ず所定の帽子をかぶること」とか、なかなか管理するほうもされるほうも大変な感じでした。実際、どこぞの市役所から派遣されてきた方は、

「いやぁ、もう初日からぼろぼろですよ」

とのたもうておられました。あのぉ、わたし実はある種の「同業」なんですけれど(爆)。

しかしこの団体、「一般客に迷惑にならないように」という点で徹底しているところがありました。これまたことの是非はともかくとして、なんと

「フェリー乗船中は大浴場使用禁止!」「(そのあと登別でたっぷり入れるんだからね)」のおまけつき

というお達しが出ているそうなのでした。おかげさんでいつ行っても大浴場はガラガラ。そりゃそうだ、定員が何人かは知らないけれど、うち320人が風呂に入らないんだから。というわけで、せっかくの特等風呂付きといえど、その小さなユニットバスには入ることなく終わりました。

 

レストランもご覧のようにがら空き。でもレセプション前の広場とかは「ミーティング」とかでいつも何かやってました。

さて、高ぁいお金を出した「特等室」はといえば、和室ということもあって「おおっこれはコレハ」的ゴージャスというわけではなく、とりあえず部屋ん中に風呂とトイレとテレビと冷蔵庫と窓がついているくらいのものでした。でもふと思い直してみれば、これってすんごいゼータクなんですよね。でもかつての近海郵船釧路便の特等室をのぞかせてもらった経験を持つTakemaとしては、何だか安っぽい旅館を連想せざるを得ませんでした。でもやっぱり居心地良かったぞ。


さ、そんなわけで「フェリーばるな」はしっかり晴れた苫小牧港に接岸したのでありました。さぁ、走るぞぉ。