十勝川、自然の恵みにちょっとほろ苦さ(その2)

堰堤から少し戻ったところに、土盛りの上を道路が走っている場所がありました。ここはまだ十勝川の河川敷に位置していて、いわゆる支流が流れている場所なのですが、実はこっちにも一部の鮭が遡上してきているのです。しかし彼らの「里帰り」が叶うことは、本流はもちろん、こちらの支流においてもやはり「夢」に過ぎなかったようでした。

周辺には、すでに力尽きた鮭の死骸が何匹も見られます。うちらが見に行くまで、このあたりにはたくさんの鳥たちが集まっていましたから、彼らにとっては大変なご馳走のはずです。しかし、この川にも流れはあります。行き止まりの池というわけではないのです。それなのになぜ彼らは上流に行かれないのでしょうか。その理由はこれなのでした。

土盛りの上部を車が通行でき、かつ流れをせき止めないですむように、水流部には太いパイプが何本も埋め込まれていました。しかし、その全てにはご覧のような鉄網がかぶせられており、魚たちは川がよほど増水しなて網の高さを超えない限りはこれより上部に行かれないというわけです。現に上の写真においても、水の中に何匹かの魚影が確認できると思います。しかし、ここが彼らの終着点。そして泳ぎ疲れたものから鳥たちの餌食になっていくということになります。

増水という奇跡を信じて?懸命に泳ぎ続ける3匹の鮭。しかし、その奇跡は‥たぶん来なかったことでしょう。

もちろん、栽培漁業である鮭の人工孵化事業を否定するような気持ちは毛頭ありませんが、こういう鮭たちの姿を見るとちょっと悲しくなってしまうのも事実です。でも、案外今日の夕食にはイクラが登場するかもしれませんし、う〜ん、微妙なところですねぇ。
ここでまたもや動画です

「どこかに‥上流に抜けられる場所は?」

ちょっと切なくなりますねぇ。
Asf形式、107KB、5秒

さて、予想外にここで時間を取ってしまった我々は、ここから一気に千歳まで帰らなければなりません。飛行機は最終便ですからまだ時間的には何とかなりますが、今日は連休最終日ということで日勝峠も混むでしょうし、そして何よりも、この期に及んでうちらには「最後の目的地」があったのです!