あれま、こんなところで織物をなさってるとは!

いい加減お昼も近づいてきた。今日のお昼は現地の民家を訪問して地元名産のお蕎麦料理!をいただく予定なので、だ〜いぶ楽しみだ。しかし、そのお宅に行く途中でこんな建物が。

普通の民家にしてはやけに大きいし、それにこの正面入口まで続く塀付きの長い通路は民家としてはあまりに贅沢すぎる。これは何だと思っていたら、実は先代までの国王が住んでいた宮殿跡なのだそうですな。現在の国王は常にティンプーにいるし、かつては首都自体が季節ごとに移動し、さらには当時ですら首都でなかったここブムタンに国王が定住していたということは前にも書いたけれど、実は彼ら国王の住まいがここだったというわけなのですね。

現在は特別な管理はされておらず、最低限の維持だけがされているような感じです。もっとも「荒れている」という程じゃないですけれどね。

正面の重厚な扉を抜けて中に入ってみると、確かに窓のあたりは往年の輝きを残しているような気がする。でも、う〜っ、距離が近すぎて全体が撮れない!
しかしここでカルマさんから新たな情報が。

ここブムタン地域はブータンでも有名な織物の産地。各家々で現在でも織物(毛織物)を織っているそうですが、今後この地域の織物文化を集成した博物館を作る計画があり、その建物としてこの元宮殿が利用されるかもしれないということです。今のところ「いつ頃」とまでは決まっていないようですが(この国にはゆっくりした時間が流れていますしねぇ)、そのうち、この宮殿が再び日の目を見ることもあるのでしょうね。

さて、宮殿を出て建物の横を少しばかり歩いていくと、そこにはさっそくこんな人たちが。

何だか織りあがった布を広げているようにも見えますがさにあらず。実はこれ、布となる糸のうちの縦糸を順番に並べているだけなんです。まだ全く「布」にはなっていません。右写真の人は、糸を持ってあっちに行ったりこっちに来たりの繰り返し。こちらから見ているとかなり退屈大変な作業です。ちなみに左写真にマウスオンすると拡大写真が出てきます。ほぉ〜ら、結構気が遠くなるでしょう?



もう一人の人は、織る前の準備作業でしょうか。
それにしても気の長い作業ですねぇ。

ちなみに、この人達はなぜこんな場所でこの作業をしていたのでしょうか?ちなみに決して観光客をあてこんだわけではないようです。売るべきような品物すら持っていませんでしたし、我々が近寄ってもただ黙々と手を動かすばかりでした。

カルマさんに聞いてみたら答えは一目瞭然。いわく、糸は直射日光を受けると脱色したり弱くなったりするから、全体が日陰になるような広い場所で作業をする必要があり、となるとここが適地なのですよとのこと。むべなるかな。

というわけで、さぁそろそろご飯でしょ!と思っていたのですが、いきなりもう一つの小さな見どころが。早く飯にしておくれ。

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